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神隠しの扉を抜けて  作者: 山和平
6/8

6 銀の扉

「この扉が、向こうとこちらを繋ぐもの。ここを通れば、貴女の望む場所に行く事ができるわ」

 微かに銀色に輝くその扉には、取っ手もドアノブも無い。

 押すのか引くのかもわからない。

 ただ、そこにある物が扉だとわかるだけ。

 触ってみる。

 思っていた以上に重い。こんな扉なのに、まるで大きな岩みたいなイメージ。

「そうね。この扉は大きな岩でもある。鍵が無ければ開けられないし、無理に開けようとすれば恐ろしい事になる」

「鍵? 鍵はあるんですかっ!」

「ええ。貴女が持っているわ。無期限のパスポートをね」

「……そういえばギルマンくんがそんな事を言ってたけど……私そんな物持ってません」

「いいえ。貴女は持っている。だから、貴女が願いを込めてその扉に触れれば、扉は簡単に開くわ」

 言われた通りに扉に手を触れると、果たして扉はまるで溶けるように消える。


「……でも、これだけは忘れないで。無期限パスポートは遊園地の外に出てしまったら使えない。魔法は解けてしまうもの。ここに戻る事はできないわ。タウィル・アト=ウムルの慈悲も、その先には存在しない」


 踏み出した私の背中にかけられた言葉。

 それを理解する時間も、理解できる知恵も私には無かった。


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