1 ナイトパレード
ドリームランドだからストレートにドリームランド話。
「通して下さい! お願いします!」
混雑する人混みの中を逆流するように掻き分けて、私は目的の場所にたどり着こうとする。
だけど、それはあまりにも困難な話。
夜空とドリームキャッスルを色と音で鮮やかに染める花火。
楽しそうに奏でられる音楽。
メリーゴーランドみたいにいつまでも続くような長い長い絢爛なパレード。
手を振るお姫様。踊るマスコット。
それを見物する大量の人。人。人。
「お願い、通して!」
まるで意地の悪い迷路のように並んでいる、人と人の隙間をこじ開け、微かな空間を縫うように進む。
ここにいる人たちには私の言葉なんて届いていない。ただただきらびやかなモノに夢中になる熱狂が渦巻く。
時間だけが過ぎていく。それとも、時間は進んでいないのかもしれない。
あの場所まで永遠に着かないのでは、と不吉な考えが頭をよぎる。
風船を配るマスコットの腕を振りほどいて、手と足を動かす。
行かなければならないのに。
どうしてもそこに行かなければならないのに。
心の中に風のように吹き込む絶望を振り払い、無我夢中で前に進もうとする。
どこまで行っても変わらない永遠の壁。
けれど、その時は不意に訪れた
壁は唐突に途切れ視界が開ける。
そして目の前には、ずっとずっと私が目指していた場所があった。
「……着いた」
そこは迷子センターだった。