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神隠しの扉を抜けて  作者: 山和平
1/8

1 ナイトパレード

ドリームランドだからストレートにドリームランド話。

「通して下さい! お願いします!」

 混雑する人混みの中を逆流するように掻き分けて、私は目的の場所にたどり着こうとする。

 だけど、それはあまりにも困難な話。

 夜空とドリームキャッスルを色と音で鮮やかに染める花火。

楽しそうに奏でられる音楽。

メリーゴーランドみたいにいつまでも続くような長い長い絢爛なパレード。

手を振るお姫様。踊るマスコット。

それを見物する大量の人。人。人。

「お願い、通して!」

 まるで意地の悪い迷路のように並んでいる、人と人の隙間をこじ開け、微かな空間を縫うように進む。

 ここにいる人たちには私の言葉なんて届いていない。ただただきらびやかなモノに夢中になる熱狂が渦巻く。

 時間だけが過ぎていく。それとも、時間は進んでいないのかもしれない。

 あの場所まで永遠に着かないのでは、と不吉な考えが頭をよぎる。

 風船を配るマスコットの腕を振りほどいて、手と足を動かす。

 行かなければならないのに。

 どうしてもそこに行かなければならないのに。

 心の中に風のように吹き込む絶望を振り払い、無我夢中で前に進もうとする。

 どこまで行っても変わらない永遠の壁。

 けれど、その時は不意に訪れた

壁は唐突に途切れ視界が開ける。

 そして目の前には、ずっとずっと私が目指していた場所があった。

「……着いた」

 そこは迷子センターだった。


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