9話 能力補助部-活動
という事で能力補助部のチラシを作ろうと思ったが、とりあえずポスターを作って学校の掲示板に貼っておいた。
真結は絵が上手だったので、簡単にキャラクターが喋ってるようなポスターが出来上がった。
「で、どうする?保健室行ってみる?」
さっき真結が言ってたし、人を治せるならやっぱりそこだろう。
「そうだね!街に出るよりは良いかもね!」
フフッと優しく笑いながら真結は言う。
そして保健室に向かう俺達。
保健室に行くまでも色々な部活がある。みんな楽しそうだ。
「失礼します…。」
「失礼しまーす。」
俺と真結がそれぞれ保健室に入ると保健の先生がいた。
「あら?どうしたの?どちらか怪我?」
「俺達、能力補助部という部活なんですが、誰か怪我とかしてたら俺の超再生で治そうと思いまして…」
「そういう事なら今、そこにサッカー部で捻挫した子がいるから治してあげて。私は体の悪い所が瞬時に分かるけど治せはしないからね、助かるよ。」
「治してくれるのか…?」
俺は手をかざして力を込める。
少し薄緑色の光が出てくる。自分の体以外だと少し時間がかかるのだ。
「よし!治ったかな!動かしてみて下さい!」
「おお!痛みも消えて快適になった!ありがとうございます!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねて言う。
「いえ!サッカー、頑張ってください!」
手を振りながらサッカー部に戻っていく。
「いきなり活躍しちゃったね」
真結が嬉しそうに寄ってくる。
「いい事をすると気持ちがいいな!」
「私はなにもしてないけどね…」
「いや、真結の能力なら俺よりもっと色々出来るよ!」
「そんな事…あるけどね!」
自慢げに言う真結。
その後、部室に戻ってきた俺達。
部屋の中心に用意されている3つの机と椅子。
俺達はそれぞれ椅子に座った所で先生が入ってきた。
「調子はどうだい?能力補助部よ」
「一応活躍しましたよ。」
「私はなにもしてないけどね…」
「いやいや、真結ならもっと…って、それさっきも言ったぞ?」
デジャヴだ。
保健室の事を先生に話す。
「そうか。それはなによりだな!その調子で頼むぞ!」
と言って先生は出ていった。
「帰るか」
「そうだね」
2人で学校を後にする。
こうして女子と男子2人だけで歩いてると彼氏彼女感が凄いな…!
1人での下校とはまるで違う!
「今日は楽しかったなー!お昼ご飯も2人で食べれたし…ふふふふ…」
ちょ…笑い方がなんだか病んでるんだが…
「学校でも言われたけど、こうして歩いてると私達って付き合ってるように見えるのかな?リア充みたいに見えるのかな?」
「恥ずかしいけど、もう実際昨日から俺達はリア充だからな…」
「そうだよね。ふふふ…」
「俺はこういうのをはたから見たると本気で苛立ちが募るな」
「それには共感ね。爆発しろッて感じ。まあ、私、爆破出来るんだけど。」
「絶対に爆破するなよ!?口だけってのが掟だからな!」
「いいや限界だ!押すね!ってスイッチ感覚で!」
親指でスイッチを押すモーションをとる。
ん?笑いながら言ってるが、それって俺の知ってる有名なジャーンプ漫画のネタ…?
って真結がそんなの知ってはいないか!
「そういえば明日、休みだけど休日って何してる?」
そう、今日は金曜日だから休みなのだ。
「麻刀君は?」
「俺は特になにも…。友達はだいたい部活とかでいないし、ゲームとかかな。」
「明日って暇?」
「俺は別に用事とかないけど休日会おうか?」
「じゃあ私の買い物に付き合ってくれない?2人でショッピングとかしたらなんか良くない?」
彼女と2人でショッピングか。
良いかもしれない。てか、もはやそれはデートだな!
「じゃあまた明日」
「じゃあね〜」
昨日と同じように別れる。
ここからは1人だが、電車に乗って帰る。
とりあえず今日の学校は楽しかったかな。