6話 クラスルーム
「おい、咲間。なんでその事をもう知ってるんだ?」
「って事は本当に麻刀と宮代さん付き合ってんのか!?」
真結の方を向くと女子にめちゃくちゃ囲まれてた!
きっと質問攻めなんだろう…。
「だってお前、昨日宮代さんと一緒に帰ってただろ?それに登校も一緒に楽しそうにしてくるし、付き合ってんのかなーって。」
「でも普通、それだけでそんなに疑うか?」
同じクラスの子と帰っただけで付き合ってるか聞かれるレベルで恋話に夢中なのか!?
「あ、一番の理由は昨日、宮代さんがずっとお前がいつ帰るかとか、どの方面に帰るのかとか聞いて回ってたからだな。しかも聞き方もなんかそれっぽい雰囲気だし。」
あ、なら多少は納得がいくな…。
そんなこんなで騒がしい朝の教室で、咲間と一緒に話ながら自分の席に着いた。
咲間は俺の前の席だ。クラスの中心部に当たる位置だな。
「おはよう、神崎君!真結と付き合ったって?」
隣の席の一宮憂佳さんだ。
「おはよう。朝から騒がしくてね…。」
「そっかー。まあ、真結は可愛いししょうがないでしょうね…。」
「なにを話してるの?」
うおっ!
隣に真結がいたのに気づかなかった…!
それに顔が近い!
「びっくりした!今、ちょうど真結の事を話してたんだよ。」
クラスがざわついてるな…。
真結と俺が話してるからか?
「私の事を話してたのね!クラスも妙に騒がしいし少し困るね。」
「だいたい察しはついてたけど実際、落ち着かないな…。」
そして1時間目、2時間目、3時間目、と授業を受け、4時間目の科目は現代社会。
「皆さんもご存知だと思いますが、世界各地で問題を起こしている『ガーヴィライア』ですが…」
今、先生が話している『ガーヴィライア』とは、能力を使った犯罪などを起こす大きな組織であり、世界各地に『ガーヴィライア』がいると言われている。
つい、先月もホテルの放火、爆破事件を起こした者がいて、警察に捕まったところ、ガーヴィライアであったというニュースを見た。
授業終わりのチャイムがなって、お昼休みだ。
「麻刀君ー!一緒にお昼ご飯食べよー!」
マジか!真結、そこは少しこっそり言いに来ないか!?周りの目が怖くて仕方ないんだが!
「麻刀、行ってこいよ…。」
やめろ咲間…俺を憐れむような目で見ないでくれ…!
「真結!声が大きいぞ!」
「え?麻刀君は私と一緒にご飯食べるのが嫌なの?」
「いや、そうじゃなくて…」
「ならいいじゃない!それじゃあはい!」
…!?
眩しいと思って目を開けるとそよ風の吹く広い草原に真結と俺、2人だけが立っていた…!
「じゃ、食べようか!」
はあ…
先が思いやられる…。
ま、可愛いし、悪い気はしないがな!