2話 現身能力
「あの、それで、なんでいきなり付き合ってって言ったの…?」
少し恥ずかしながらも、どうしても気になるので聞いてみた。
「同じクラスで私達時々だけど話しますよね?」
「あ、あぁ」
「それで、なんだか好きになってしまって…自分でもその事に気がついたから…」
やっぱり他人からそんな事を言われると予想以上に恥ずかしかった…!
「でも俺達、会ってそんなに日が経ってないし、そんなにすぐ付き合うとか決めちゃっていいのか?」
そしたら彼女は少し考えた後こう言った
「たった一ヶ月前くらいに知り合ったばかりでも
私はあなたの事、神崎君の事をクラスの誰よりも理解してるつもりだよ。」
どういう事だか分からなかったが、すぐに結びついたものが一つだけある
「それって…やっぱり宮代さんの能力…?」
「では付き合い初めたのですしお互いの能力について話しましょうか…?」
「じゃあ俺から。」
「どうぞ!」
宮代さん、なんかいきなりテンション上がってないか?
「俺の能力は超再生って言って、自分の怪我なら即座に治せて、他のものも少し時間はかかるけど元の状態に戻せる、っていうのなんだよ。」
「便利な能力なんですね!」
「まあ、怪我なら病院とか行かなくていいからね。」
でも、他の人みたいなカッコイイ能力じゃなくて結構地味なんだよな…。再生するときに少し光るくらいで。
「じゃあ私の能力を教えますね!私の能力は現身能力って言うんですけど、他の人の能力の名前を知って、それを実際に見ると私もその能力が使えるようになるっていうやつなんです!」
…え?
それヤバくない?
「それヤバくない?」
思った事がそのまま口に出てしまった!
だっておかしいよな!それじゃぁ彼女、なんでもできるんじゃないか!?
「よく言われますよ!」
彼女は笑いながら答える…。
いったい何者なんだ…宮代さん…。