1話 可愛い彼女、出来ました!
現代の化学、科学が進歩し、細胞に睡る第六感を呼び覚ます事で大半の人間が不可思議現象を起こすことが出来るよに、もとい個人個人で違う「超能力」を手にした世の中になった。
ある人は口から炎を吐き、またある人は空を自由に飛び、そんな光景が今の日常だ。
✣ ✣
高校に入学して一ヶ月と少し。中間考査が終わってまもなくの事、俺はある女の子に告白された…。
「神崎麻刀君…。私と…付き合って下さい!」
学校の帰り道に1人だった俺にそう言ってきた黒い髪を長く伸ばした彼女は宮代真結さん。同じクラスの子で、少しの顔見知りだ。
「え…えぇと…宮代さん?」
あまりにもいきなりの事だったから、驚くばかりで返事ができなかった。
「あ、いきなりすみません…神崎君。驚いてしまいましたよね」
彼女、宮代さんがそう言ってくれて少し落ち着いた。
そして落ち着いた途端に思い出す。友達と「彼女欲しいよなー」とか「高校生活に花が欲しいよなー」とか、そんな事を言ってて彼女が欲しいのはまあ、当然であった事を…。
宮代さんはとても可愛いと思うし、とても俺が釣り合う相手ではないのだ。それに優しそうだ。
「あの…こちらこそよろしくお願いします…?」
俺の口から出た言葉は『OK』のサインだった。
「本当ですか!?」
彼女は頬を赤らめて嬉しそうに笑った。
いきなりだがその日、初めて俺に彼女が出来たのだ…!