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絶世の美少年とは

 時間にすれば、次の日の夕方になるだろうか。俺と彼女は再びあの公園の、あのベンチに座っている。別にこれから未来に行くかどうかの返事を彼女にしようってわけじゃない。何故なら返事は昼間にしておいたから。未来でアイドルやってやるって伝えたしね。あの時の彼女の嬉しそうな顔ったらなかったな。


 じゃあ何してるのかと言うと、俺は未来でのアイドル活動を終えて、再びこの時代に戻ってきたところなのだ。



「あ〜忙しかった。1年間のアイドル活動は大変だった」



 いやはや大変だった。まさか彼女の話が全て本当だったとは。未来についたその瞬間から、東山大旋風が全世界で起きたもんな。タイムスリップした瞬間から全世界の記者を相手に記者会見することになるとは思わなかった……。彼らは俺のことならなんでも知りたがるんだよね。ローション相撲動画で使ったローションの種類まで知りたがっていたよ。


 1万年後の未来について語りたいことは山ほどあるが、ここでは控えよう。まあ女からモテたとだけ言っておくよ。あんなにモテる奴は10万年は現れないんじゃないかな。知らなかったなぁ。どうしようもなく阿呆な俺なのに、あんなポテンシャルがあったなんて。生まれる時代を完全に間違えたのかもしれんな。



「東山さん。本当にいいんですか?報奨がこれだけで。私なんかじゃ……」



 実を言うと、未来の富はどれだけでも持って帰れたんだ。たくさん働いたしね。現代の金に換算すると1000億円は越えるほどの報奨金は貰えたんだ。でもまあヤヤコシイ事になりそうだし断った。報奨金の代わりに俺が事務所に要求したのは、彼女を俺の傍にずっと置き続けること。だって俺達は恋人同士なんだからね。



「いいんだよ。レイナが俺の傍にいてくれたらね」


「東山さん……。好き」



 おっと。周囲の視線が厳しいぞ。「あそこの妙なボンクラ男がなんで絶世の美少女に寒い事言ってるんだろう」って言う目で見られてるなコリャ。いかんな。早く未来でちやほやされてた頃の癖を直して、元の俺に戻らねば……。


 俺が未来じゃ絶世の美少年だということが、この時代の人間には伝わらないのが残念だね。現代では俺の男前ぶりがレイナにしか伝わらないのが残念。まあいいか。彼女にさえ伝われば、それで十分だよ。

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