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猫は静かに姿を消した  作者: 神梛 那央
9/82

改めて黒猫です


二人を放置して

部屋にこもり荷物を片付けた。


ちなみに部屋は

広いリビングに対面キッチン

その他に部屋が二つ。


普通はその二つの部屋を

二人で一部屋ずつ使うんだが

私の場合二つとも私の部屋になる。


基本寝ることしかしないだろうし

二つも要らないだろう…

荷物もそんなにないから

物置部屋ってわけでもない。


一つは寝室として

もう一つはまぁ必要なときに使うか。




寝室の片付けを終わらせてから

寝室から出たら驚いた顔をした二人がいた。



「どうした?」



「早くね?」



「早い…です」




「荷物そんなにないからね」




そう言うと二人は納得したような

してないような複雑な顔をした。


まぁ普通の女子高生にしては

少ないのかな…?



「夕食は食堂いくぞー!んで、その前にまだ時間あるから自己紹介な」



「はいはい」



「まず俺からね、藤原(ふじわら) (あきら)女は嫌い。」



「あ…えっと…」



「ハルカ…ゆっくりでいい」



そう言うと少し落ち着いて

ゆっくり話し出すハルカ。



篠崎(しのざき) ルチアーノ ハルカ。イタリアの…く、くぉ…その…クォーター……です。ルチアーノは、ミドルネーム、みたいな、もので…その…イタリアでは…ミドルネーム…とかは…ないんですが…僕、は…くぉ…クォーターなので…えと…普通にハルカ…がいいです…えと…その昔に出逢った、黒猫さんに、助けられ、て、その、憧れてます!!」



なんでそこまでクォーターが言いづらそうなんだろうか…。

イタリア人はミドルネームないのか

クォーターも大変なんだな…。

普通に篠崎(しのざき) ハルカでよくね?



「その黒猫ってのだけど…本当に僕?」



「はい…顔も似てるし…声も似てます。ちょっと髪型が違うけど…。その人は僕、に、黒猫って名乗ってくれました」



うーん、まぁ普通

黒猫なんて名乗らないよな…。



私ならあの人達につけてもらった

黒猫って名乗りそうだけどね。


覚えてはいない。




「そっか…覚えてなくてごめん」



「いいんです!!こうして逢えたので…」




「あとは僕か…木村(きむら) (みお)。…ってか何この雰囲気?もうこれでおともだちー的な?残念だけどお前らを仲間とか友達とか思ってないから。」





「は?俺らはもう仲間だぞ?」





「僕に仲間は要らない」




「でも…」




ハルカ達の言葉を遮り

二人の背中を押して部屋から出した。



「ほらもう自己紹介終わったし

時間的にも食堂行ってこい!!」



(みお)は?」



「僕は疲れたから寝る」




そう言って無理矢理部屋から出した。

















「大切な人なんて…もう要らないんだよ。」




そう小さく呟いた言葉は

誰も居ない広い部屋に誰にも

聞こえないまま消えた。




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