黒猫と2匹のワンコ
午後の授業はめんどくさくなったから
受けずに寮に帰った。
まだ荷物を片付けてもいない。
めんどくせー。
そしてめんどくさい二人が
ついてきてるから更にめんどくさい。
「なに?」
鬱陶しそうな顔で振り返ると
ハルカは少し困った顔で
晶は少し楽しそうな顔で
「部屋が隣だから」
と答えた。
まじですか…
ここは女子寮と男子寮で
別れてないんすか…。
まぁ私は男子としてだから関係ないか…
ちなみに晶とハルカは
同室らしい。
「僕の同室者は?」
プレートには私の名前しかない。
「はーやん(早川)が『木村は外部生で慣れないだろうから一人部屋だ。お前らの隣だから仲良くやれ』だってよ」
と晶が言った。
なつかれてから晶のキャラの違いに少し戸惑いを感じた。
名前呼びも強制だし
なんというか…馴れ馴れしい。
あの威嚇はどうした。
てか、外部生だからとか適当な理由つけて一人部屋にしたの絶対、麻琴の仕業だろ!!
なにやってんだよ!!
職権乱用だろ!!
ガチャッ
扉を開けたら当然のように入った晶。
「おい!!」
「んあ~?」
はー、めんどくさい。
後ろを振り返ると
ドアのそばで戸惑ってるハルカ。
「ハルカも入ったら?」
少しため息をつきながら言ったら
嬉しそうな顔をしたハルカ。
まるで犬みたい。
犬…あいつみたいだな。
今はしばらく会っていない
懐かしい仲間をふと思い出した。