寝不足の黒猫
「り、理事長!?」
奈美が驚いて声を出した。
晶は驚いてはいるけど
声には出ていなかった。
目はものすごく見開いてるけど。
ハルカは…興味がなさそうね…。
「麻琴…」
少し呆れ気味に麻琴を見た。
「あんた理事長だろ…この学校のトップだろうが…。一人の生徒が倒れた位で駆けつけるなよ。」
「お前…またかよ。」
私の言葉など気にせず呆れたように問いかける麻琴。
「い、忙しくて忘れてたんだよ!!」
「忙しいからって理由で済まされる問題じゃないだろ…」
頭を抱える麻琴。
そこに…
「えーっと…理事長とみーくんの関係って…」
奈美が恐る恐る聞いてきた。
「恋び「ただの友人」」
ギロッと麻琴を睨むと麻琴は苦笑いしていた。
「……倒れた原因は?」
やっと声を出した晶。
「寝不足」
と麻琴が答えた。
確定してるような言い方だな…まぁ確定してるんだけど。
「は?寝不足?」
そう、ただの寝不足。
「今、ここにいるやつは"ただの"寝不足だと思っただろ…。本人ですら危険性を感じてねーからな」
ギクリ。
「どういうことだ」
「澪の寝顔…見たことあるか?」
めちゃくちゃ可愛いんだぞっ!と
アホなことを言い出した麻琴。
いや、今それ関係なくねっ!?
「ないっす…けど?」
悔しそうに返す晶。
そこ悔しがるとこ!?
もう疲れた。
ツッコむのもやめよう。
「目の下のくまには気づいてる?」
「あー…前に聞いたら『くま出来やすいから、少し寝不足だとなりやすい』って言われた」
「澪…いつ寝た?」
少し鋭い目で聞いてくる麻琴。
「えーっと…」
苦笑いしていると…
「お前…この学校来てからロクに寝てないだろ」
「「えっ!?」」
晶と奈美が驚いて声をあげた。
ハルカは悲しそうな苦しそうな
複雑な表情をしていた。