黒猫は静かに倒れた
体育祭は見事私達のクラスが優勝した。
体育祭翌日は休息を取るということで休みとなっていて、土日と重なり三連休となった。
実家にも帰ろうかと思ったが
みんな疲れたのかあまり帰郷者が
居なかったので私も寮に残った。
つまり三日ぶりの登校。
教室…いや、校内では
体育祭の時の私の借り物競争で
麻琴と私の関係に関して持ちきりだった。
周りと接点を持とうとしない私と
行事ごと以外は顔を出さない理事長。
周りは気になってソワソワしている。
その姿が少し面白くて笑いそうになった。
「あーっ!みーくん髪切った!!」
そうそう、三連休暇だったから
暑くて鬱陶しい髪を少し切った。
そして体育祭以降、奈美は私を
"みーくん"と呼ぶようになった。
「暑いし、邪魔くさかったからね」
「短いと可愛い顔が少し見える!!」
勿体ないからもっと切ればいいのに、なんて言ってくるけど誤魔化した。
元々男装のため切ったとは言え、正体がバレたくないための男装なので、顔を隠す長さだった。
それに可愛いもなにも、ただの平凡ですから。
「ありがとう」
一応お礼は言っておく。
「よっ」
「おはよう、ございます…」
晶とハルカが教室にきた。
おはようございますって昼ですが?
そうそう、風の噂ってやつで聞いたけど、晶とハルカはこの学園では有名な不良らしい。
怖いとこなんて1度も見てないから実感湧かないけど。
これから昼食を食べに食堂へ向かうところだったから晶とハルカも加わり四人で向かった。
「でねー、みーく…」
パタッ
「みーくん!?」
食堂へ向かっている途中、
私は静かに倒れた…。