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猫は静かに姿を消した  作者: 神梛 那央
11/82

黒猫のメス猫への恐怖



転入してからしばらく経った。




少し親しくなったのはいいが

奈美は苦手だ。


少しアイツに似てる。



(みお)くーん!」



はぁ。小さなため息を一つ。



「奈美…しつこい。ついてこないで」



「えー食堂くらい一緒にいこーよー!」



食堂だけじゃない…トイレもついてきていた。

流石に中までは入ってきてないけど。


てか男子トイレで個室ばかり使う私はきっと怪しまれている気がする。



「先に言っとくけど、僕恋愛とか興味ないから」



スッパリと言った。


自惚れでもなんでもいい。

ただ奈美の雰囲気がアイツに似てて

私を恋愛の対象として見ている気がするんだ。


そして薄々

私が女なのがバレてる気がする。


「えへへ…さすがにバレたか~!!実は私、(みお)くんが好きでさっ!会った時から(みお)くんってもしかして女の子かな?って思ったりして…あ、不快にしたいわけじゃなくて…その…男の子でも女の子だとしても好きというか……あ、でもその…(みお)くんが嫌なら別になんもしないし!!ほら会ったばかりの人を好きとかキモいでしょ!?だから、その…別に今まで通りにできなくても覚悟出来てるっていうか…その…」



奈美の声が段々と小さく弱々しくなり、しまいには奈美の大きな瞳から雫が溢れた。



「別に、恋愛は自由だから時間や同性とかにキモいとか思わない。自分が関わると話は変わるけど。」



そう言うと奈美の涙が止まった。



「僕…女が嫌いなんだよ。嫌い…つか苦手?なんか怖い。昔に色々あってさ、それから女ダメってわけ。最初は奈美がソイツに似てて苦手だった。だけど奈美はソイツとは違うんだよな…当たり前だけど。だからまぁ奈美とは普通に友達でいたい…じゃ、だめかな?」



奈美は涙を流しながら

あの眩しい笑顔を見せてくれた。





友達…か。


苦し紛れとはいえ

仲間は要らないとか言いながら

友達だと呼ぶんだから

本当に都合のいい性格してるよ、私。



あいつらが聞いたら笑うんだろうな…。


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