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眩しい笑顔に黒猫は目を細めた
ガヤガヤ…
翌日、教室に入ると
なんだか騒がしかった。
なんだこれ。
「木村くん!おはよー!!」
初日に話しかけてきた派手な女が話しかけてきた。
「…はよ」
「あっ!今日は返事してくれた♪」
そんくらいで
どんだけ嬉しいんだよ…
まぁ、私が
それほど話してないってことか…
「……それより、なんでこんなにうるさいの?」
「あぁ、再来週体育祭があるの!」
「ふーん」
なんか昨日のLHRで
早川が言ってたな。
聞いておきながら
興味のない返事をした。
そんな愛想のない返事をしたのに
目の前の女はニコニコしてる。
「なにが楽しい」
「木村くんが返事をしてくれたからっ!」
「…澪」
「え?」
「澪でいい。木村くんとかキモい。」
そう言うと目の前の女は
大きな目をさらに見開いた。
「み、澪くん?」
「うん」
「澪くん…澪くん…澪くんっ」
「なんだよ…」
「私、早坂 奈美!奈美って呼んで?」
「うん」
「もー!そこは奈美♪でしょー?」
「奈美…」
そう呼ぶと凄く明るい笑顔で笑った。
私には眩しかった…。