第0章:メッポルとの出会い
女神アリュアストリカと三人の勇士敗北と封印監視者の村による超制縛刺貫多重結界と封印の像憎い憎い全ての人間種を滅ぼさねば女神を許す訳にはいかない焦熱魔王エルベメッポルトの名において打倒せよ排撃せよ灼き尽くせその全て。不遜の王傲慢と強欲命を消すことに何の痛痒も抱かぬ汚れた魂の召喚。ログイン、ボーナス、キャンペーン。スマートフォン。チュートリアル。妖精。はは。ははは。ああ、そうだ、お前のようなどうしようもない『プレイヤー』を。
『恋い焦がれたと言っていい』
「ひっ!!?」
耳元で誰かに囁かれたような気がして、僕は悲鳴をあげてその場にへたり込んだ。
……誰にも見られてないよな?
幻聴にしては妙に耳に残る、ざらついたような感覚を、僕は無視することにした。
恥ずかしいし。つーかいろいろなことがいっぺんに起きすぎてワケガワカラナイヨ。
……さて。さっきの白い閃光は一体何だったのだろう。
「フラッシュが変な具合に反射したのかな……?」
スマホを裏返して確認してみる。アレか? 文明の利器がこっちの世界では超威力を発揮する系なのか?
しかし、フラッシュをたいてみても、先ほどの全てを焼きつくすような白い閃光は起こらなかった。
「……っていうか邪神像、オーラ消えてね?」
そう。
あの光の後から、邪神像の黒いオーラが影も形も無く(元々オーラに影も形もないだろうが)消えてしまっていた。
もしかして……
「倒しちゃったのか、スマホのフラッシュで……?」
弱すぎないか、魔王。いや、それでこの後皆に褒め称えられるならいいんだけど。
魔王は光に弱いと相場が決まっているからな。
それはそうと、邪神像。
フラッシュに気を取られていたけれど、あのオーラはうまく撮れているだろうか。
写真アプリを開いて、確認してみよう。
僕が写真アプリをタップしたその瞬間。
「メポー!」
スマホの画面から、白くてフワフワした何かが奇声をあげて飛び出してきた。
「わぷッ!?」
思いっきり顔に激突したそれから、反射的に遠ざかるよう尻もちをついてしまう。
「ありがとうメポー! 君のおかげで、たすかったメポ!」
「なんだ、お前……?」
白い毛玉は、よく見ると小動物のような顔をした、生き物だった。
人の言葉を話し、宙に浮く生き物なんて、アニメでしか見たことはない。
「メポは、メッポルだメポ! 助けてくれてありがとうメポ!」
けれどそう言ってフワフワと僕の周りを飛び回るそいつは……
確かにそこに存在していた。