Episoudo5<渚>
私の名前は<渚・アイリーン・ディスシス>。
日本人とロシア人のハーフの子供だから金髪で蒼い瞳、ここまでは普通だが。
ある時普通じゃないと気付いた。それは、
あの人に会ったから……
私の幼少はロシア・アメリカと暮らしていた。
“ねぇー、なぎさ。どっか行かない?”
“ねぇ、私と付き合って?”
“ねぇ、私と結婚して?”
“ねぇ、私と同じ墓に入って?”
どれも聞き飽きた。どの人もつまらない、食べても不味そうだ。どの人にもそう思った。
誰かを食べたくて、食べたくてたまらない。腹が鳴るんだ、空腹で死にそうだ、早く早くあの人を食べたい!!
あの人って……誰だ?
多分この時から、私は普通じゃないと感じ取った。普通よりも空腹で誰よりも愛に飢えている、やっぱり私にはいや、僕は
イカレテル。
“渚、転勤だ。日本に行くがお前はどうする?”
「………ボクも、俺も行く!!」
そして 君に 貴方に 出会った。
「姫さーん!」
「何?渚くん。」
「はい、昼食一緒に食べませんか?」
「うん、いいよ。」
可愛らしく小柄な彼女。とても可愛くて食べちゃいたい。あぁ、きっとおいしいのだろう、甘くて肉汁がたっぷり溢れておいしいのだろう。マシュマロのように柔らかくて、チョコのように甘くて肉のように歯ごたえがあって、あぁ、
あの人を思い出す。
あの人もそうだった。
“「…………」”
“「?、どうかしました?」”
“「い、いえ。」”
“「なら私とお話しませんか?」”
“「…………い、いいんですか?」”
“「はい」”
あの日初めて森で出会った神・女神。美しかった、けど、たった一回の出会いだった。
女神は死んでしまった。誰かに家族を殺されてしまい自ら命を絶った。
その横には知らない悪魔がいた。悪魔といっても灰だ。いらない、いらない。
いるのは女神だけ、あぁ、血が通わなくなってしまった身体。なんて細いの?なんでこんなにも。
なんだこの気持ち。
彼女をたべてもたべてもたべても たべてもたべても
むなしいむなしい 何も残らない。
残ったのは悔しさ憎さ自分の無力さ。
あぁ、彼女を守れなかった、守れたらこんなこんな思いをしなくて済んだのに。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
こんなにも虚しいのは貴方がいないから!?どうすれば………
「!、そうだ。僕も死ねば。」
また君に会えるね。待っていてね女神様。
そして、僕は転生したんだ。