Episoudo4
四月 入学式
「よかったねー。無事合格できて。」
「うん、そうだね。」
「本当。ひーちゃんとまた高校でも同じなんて。」
高校の入学式。三人で通学する姿は見慣れたものだ。
右に黒夜、左に白夜。本当に慣れた。
「うん、そうだね。けどさ。」
「「?」」
「ちょっと歩きづらいんだけど、こーちゃん。びゃくん。」
「「えぇー、なんで?」」
「………だから、歩きづらいの!二人とは歩幅違うし。」
「………やだ。」
二人は姫の腕に抱き付くように左右にいたため姫は歩きづらい。
確かにつらい。だが、白夜は嫌がる。
「びゃ」
「お願い手ぇ握るだけならいいでしょ?」
「う、うん。」
必死な瞳に姫も驚く。その瞳には以前にも見たことがあるからか、断れない。
「じゃあ、俺もいいよね?姫。」
「う、うん。」
結局、手をつないで歩くことになった。
「!、姫さーん!おはようございます。今日も天気がいいですね。」
「おはよう。渚くん。」
「はい。って、君たちもいたんですね。」
「「はぁ!!」」
「ふざけんな!この狼野郎!!」
「姫、早く行こう?」
「え、け、けど。」
「てめー白夜。何、抜け駆けしてんだよ?(怒)」
「だいだい姫さんはボクの物なんだよ?」
「何言ってんの?俺の物に決まってんだろう?」
「何もできない悪魔と狼が何言ってんの?」
「「はぁ!?」」
「………(今日も元気だね。三人は………。)」
姫にあいさつしたのは五月に転校してきた<渚・アイリーン・ディアシス>
転校早々、姫を口説きに来た。
「あなたは私の昔、大昔に会った事ありませんか?」
「え?」
分らない口説き方だ。姫は少し迷って言葉を出そうとするが。
「てめー!姫に何しやがる!!」
「大丈夫?姫?!どこか触れた?まさか汚されたんじゃ!?」
黒夜・白夜が助けに来たんだか分らないが割って入ってくる始末。それからだ。
「そうだ姫さん!!今度映画に行きませんか?」
「姫!今度美術館に行かないか?」
「ひーちゃん、そろそろ授業始まるよ?」
三人がこんなにもおかしくて何か変な行動に言動がおかしくなったのは……
「うん、わかったからとりあえず、教室に入ろうっか。遊びに行く話はまた今度。ね。」
取りあえず姫は天然に過ごそうと話題を変える。
「「「はい・うん!!」」」
三人を従える。時々人は姫を<悪女>と呼ぶが、
あぁ、早く俺・僕の物にならないかな?
<悪魔>と呼べるのは彼らの方だ。
病みはじめたのは 大昔で女神はそのことを知らない。
知るはずもなかった。