小話12 姫達の会話(リオside)
こんにちは。ルナベルク王国第5姫のリオです。ちなみに私の兄妹は今のところ、3人のお兄様と4人のお姉様と3人の弟と4人の妹がいます。お父様が意地張って側妃を増やしまくった結果なの。15人兄妹です。
上からお兄様(16)、ドルガお兄様(14)、ミーヤお姉様(12)、アルナお姉様とユウアお姉様(双子で11歳)、サーラお姉様とキイチお兄様(10)、私(8)、ユキ(女、7歳)、エルサーナ(女)とミヅキ(男、6歳)、イオ(男、5歳)、セレナード(女、3歳)、ガントレット(男、2歳)、フィリネ(女、0歳)。
普通なら色々権力争いとか大変って聞くけど、お母様のおかげで此処は平和なんだって周りの侍女達も皆言ってた。私達は皆仲良しだけど他の国の後宮ってドロドロしてるらしいから。本当お母様って凄いと思う。
で、私が今何をしているかと言うと、
「ミーヤお姉様、アルナお姉様、ユウアお姉様、お話しましょう」
ミーヤお姉様とアルナお姉様とユウアお姉様と交流中。ミーヤお姉様の所に遊びにいったらアルナお姉様とユウアお姉様も居たの。
ミーヤお姉様はヒナサ様の娘で、ヒナサ様譲りの銀色の髪を持っている。
あ、ちなみに私はお母様譲りの金髪で、碧眼だ。お兄様が、髪と目の色が両方お母様譲りなのが羨ましいと嘆いてきてちょっとうっとおしいです。お兄様は目はお父様譲りの色ですから。
アルナお姉様とユウアお姉様はお母様と仲良しの側妃のミルフィーナ様の産み落とした双子で凄くそっくり。違いは目の色だけって思う。まぁ、性格は違うんだけど一見しただけではそっくりなの。髪は茶髪で、ふんわりとした髪型なんだ。
「ええ、話しましょうか」
「リオは可愛いねー」
「少し背伸びたねー」
上からミーヤお姉様、アルナお姉様、ユウアお姉様だ。ちなみになんか双子のお姉様はよく私の事可愛がってくれる。シスコンって奴みたい。他の妹達の事も二人は可愛がっている。弟より妹の方が可愛くて仕方ないらしい。
私の外見はお母様に似ていて、叔父様曰く子供の頃のお母様のそのまんまみたいなんだって。
「そういえばミーヤお姉様、婚約者が決まったんですってね? おめでとうございます」
私は思い出したかのようにそう告げた。ミーヤお姉様はこのたび、少し離れた島国の王子様に求婚されたんだって。それでその国って決まった国としか貿易をしなくて、うちの国とはやってなかったんだけど、この縁談が決まってから貿易するようになるんですって。ミーヤお姉様もその方の事気にいったみたいだし、うまくやるって言ってたわ。でも12歳で決まるのは割と速いのよね。向こうも13歳らしいし。
私達は王族だから、何れ国の事も考えて結婚もすべきよね。まぁ、流石に一緒に居て疲れるような方とか結婚なんてしたくないけど。でもドルガお兄様みたいな一途に恋して婚約者にするってのもいいと思うわ。
本人が納得する縁談ならとりあえずいいわよね。お母様も無理やりの縁談は嫌らしいから、お父様になるべく本人の意思も尊重してもらえるように言うって言っていたもの。お父様はお母様が大好きだから、断りきれないって時以外は意思を尊重してくれるはずだわ。
「ふふ、ありがとう」
ミーヤお姉様は柔らかく笑う。妹の私から見ても可愛らしい人だ。
大体、お父様の妃ってお母様も含めて可愛らしい方や美しい方しか居ないから結果として王子や姫は皆見目美しい方になるのよね。特にお母様なんて他国でも有名なのよ。王妃として式典とかに出席してる中でも目立つらしいの。流石お母様よね。
「姉様、幸せそうだね」
「私にも王子様現れてほしいなぁ」
「アルナお姉様とユウアお姉様にもきっと現れるよ」
羨ましそうに呟いた二人に私は笑っていった。
大切で、大好きなお姉様達だから、私も幸せになってもらいたい。王族って身分があるから色々大変だろうけど、それでも笑って過ごしてほしい。だから心からお姉様達にいい相手が出来て欲しいと思う。
「あ、でもお兄様みたいな方とは結婚したくないなぁ」
「「あ、それわかる」」
私の呟きにアルナお姉様とユウアお姉様が呟き、ミーヤお姉様も同意するように頷いた。
「ルシアお兄様は…何て言えばいいんですの。リナーシャ様以外には興味がないですし、後宮出来ても放置しそうですわねぇ」
「想像出来るね。ルシアお兄様だし……」
「リナーシャ様みたいな人なんて滅多に居ないっていうのにねぇ…」
「お兄様はお母様みたいな人以外好きにならないって断言してましたからね。本当、社交界でお兄様に憧れている方々に教えてさしあげたくもなります」
皆してそんな評価である。お兄様が残念な美形だと兄妹は皆知っている。お父様とかカイン様にマザコン発言を控えるように言われているし、時と場合を考える頭はお兄様にあるので、お兄様は基本的に兄妹や従姉妹のメイアお姉様とか身内にしかマザコンっぷりは話さない。
だからって、社交界の憧れって。あのお兄様が…。
「そもそもルシアお兄様って、恋愛感情なんて持ち合わせているのですの?」
「……いや、持ち合わせてない気がするかも」
「だね…。ルシアお兄様って恋愛感情そっちのけでリナーシャ様にしか思いが向いていないし…」
「残念な美形とはちょっと嫌ですわよね…。中身がまともな方ではないと…」
酷い評価だけど、本心であった。流石に私も他国に嫁いでいって相手がマザコンすぎて相手にしてくれないというのは何とも言えない複雑感や嫌な気分が想像しただけでわいてくる。
「…まぁ、お兄様の話は置いときましょう。未来のこの国の妃達には同情しますが」
「そうね。あ、それより噂で聞いたんだけど侍女のオスカが恋してるって。相手誰なのかしら」
「え、オスカが? 騎士の中の誰かかな?」
それからは恋愛話に華を咲かせた。私は恋愛話を聞くのが好きだ。他人の恋愛話って面白いと思う。
――――姫達の会話。
(王女達は仲良く、恋愛話に弾ませます)