第18話・未来の私と過去の私(3)
「私。死んだの?」
目の前に――
私の身体が、現れた。
血に染まった、自分自身。
「風花……」
自分に話しかけている。
気持ち悪い。
現実じゃないみたいなのに、全部がはっきり
している。
「あなたはこのままでいいの?」
私言った。
「お兄ちゃんを刺した人」
「お母さんを泣かせた犯人」
一歩、近づく。
「復讐したいと思わないの?」
心臓が、強く打つ。
「私……」
言葉が詰まる。
「お兄ちゃんを殺したやつ、許さない」
その瞬間。
もう一人の私は、ゆっくり頷いた。
「それでいいの」
そして。
私の口が、勝手に動く。
「……殺してやる」
低く、震えた声。
「私たちの人生を奪った犯人を」
「地獄の果てまで追い詰めてやる……」
その時。
「あ……」
視界の先に――
お兄ちゃんがいた。
「お兄ちゃん!!」
思わず走り出す、私。
でも。
その途中で、足が止まった。
反対側に、誰かがいる。
私ぐらいの男の人……
お兄ちゃんに、話しかけている。
「……風花」
背後から、私は話しかける
「あなたは行っちゃダメだよ」
風花は振り返る。
私は耳元で囁く
「復讐しないといけないんだから」
その言葉で。
風花は足が、動かなくなった。
―場面が、切り替わった、この病院
「オギャア、オギャア……!」
赤ん坊の泣き声。
(……これ)
分かる。
「花織……」
私が、生まれ変わった瞬間。
でも――
(この時は、まだ……)
前世の記憶は、ない。
小さな女の子。
5歳くらいの花織。
「花織ちゃん」
私が話しかける。
「忘れてるの?お兄ちゃんのこと」
「私と約束したでしょ、風花」
その瞬間。
花織の目が、変わる。
光が、消える。
そして――
殺意に染まる。
この教室
優希と話している、花織。
あれは――
死ぬ前。
「私ね」
花織が、静かに言う。
「この世界は残酷だなーって思うの」
(……何言ってるんだろう、私)
優希は気づいていない。
でも。
「殺されるような恨みを持って」
「この世に生まれてくる人もいる」
少しだけ、視線を落とす。
そして。
小さく、呟いた。
「……私だって、何もしてないのに」
「お兄ちゃんも、殺されたもん」
その声は、小さすぎて。
優希には、届いていなかった。
私は絶対にお兄ちゃんを見つけ出すそして、犯人を殺す




