第1話・君との出会い
ミステリー恋愛系小説です!
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キラキラと輝く紅い空。落ち着いた風が、静かに頬を撫でていた。
その中で、君は笑っていた。
「この世界ってね、嘘でできてるの」
唐突に、そんなことを言う。
「私も嘘でできてるんだよ〜」
ふざけたような口調。でも、その目だけは笑っていなかった。
「でもね――」
一歩、こちらに近づいてくる。
「君にだけは、嘘つかない」
その言葉の意味を、俺は理解できなかった。
――翌日。
彼女は、公園のトイレのロッカーの中で発見された。
遺体として。
「……は?」
頭が追いつかない。
昨日まで、普通に話していたはずなのに。
あの言葉は、なんだったんだ。
「ふふーん」
耳元で、声がした気がした。
「なんでか分かる?」
いるはずのない声。
「教えないよーん」
背筋が、ぞくりとする。
「でもね――私は、ずっと君のこと見てるからね」
静寂だけが残る。
……絶対に。
犯人は、俺が暴く。そして――復讐する。
葬式も終わり、俺は彼女との別れを告げた。
人の気配が少しずつ消えていく中、外に出ようとしたその時――
「優希くん!」
呼び止められる。
振り返ると、そこにいたのは百合子さんだった。
「あ……百合子さん」
少し息を整えながら、彼女は何かを差し出してくる。
「これ……あの子から預かってたの」
「え?」
「もし自分が死んだら、優希くんに渡してほしいって」
一瞬、思考が止まる。
「……は?」
まるで、最初から分かっていたみたいじゃないか。
手渡されたのは、一冊のノートだった。
古くも新しくもない、どこにでもありそうなもの。
パラ、とめくる。
「……なんだこれ」
中身は、ほとんど白紙。
何も書かれていない。
だが――
「……ここだけ」
一ページだけ、不自然に破れている。
引きちぎられたような跡。
誰かが、無理やり持っていったような。
「……なんで、これだけ破れてる」
カァーカァー、とカラスの鳴き声が響く。
気づけば、空はすっかり暗くなっていた。
「……ありがとうございました」
百合子さんに頭を下げ、その場を後にする。
ノートをもう一度見る。
何も書かれていない。
……はずなのに。
どこか引っかかる。
――ガチャ。
家の扉を開けた瞬間。
「……は?」
見知らぬ子供が、当たり前みたいに立っていた。
「うぁぁー……お前、誰だよ」
「こんにちは!」
満面の笑み。
「私は花那!今日からよろしくね!」
「……は?」
意味がわからない。
「いや、待て。なんでここにいんだよ」
「んー?来たから?」
軽すぎる。
「児相は?」
「行ったよー。でもさ、気味悪がられちゃって」
笑いながら言う。
「どこも無理って言われた!」
……普通、そんなことあるか?
優希は無言で花那を見る。
妙に落ち着いている。子供のくせに。
「……なぁ」
「なにー?」
「なんで俺の家、知ってんだよ」
一瞬。
花那の笑顔が、ほんの少しだけ止まる。
「……秘密」
優希は眉をひそめる。
その違和感を、言葉にできない。
ただ一つ、確かなのは――
こいつは、普通じゃない。
「だって――」
花那は、小さく笑った。
「また会えたね、優希くん」
「……は?」
その一言で、背筋が凍る




