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EP.25 恐怖の一日.2



 流石日曜だね、特価品目当ての家族連れがいっぱい来てるんだよ。

 チラシは無いけど、入り口にデカデカと看板が立っていて、そこに限定お一人様一パックまでシリーズが載っている……こんなの初めて見ました。


「えっと、卵一パック五十五円……鶏胸肉が百グラム百円……豚肉が百グラム百五十円……このご時世に安過ぎじゃなかろうか。小々波さんの影が見える気がする……」


 安いから買うけどさ、一体何の卵なのかな。

 店に入って特売品コーナーを見ると、流石朝一に来ただけあって、お安い品々の奪い合いが勃発している。

 ぬふふ、今の私ならそんなの軽いもんですよ。人の波を掻き分けてっ、『じゃまよ!』力を込めすぎない様にっ、『その卵寄越せ!』特売品を掴むのさ!!


「むぅうううっ、先へ進めない!?」


 前のおばちゃん三人がブロックしてて、特売品コーナーに手を出せないんだよ……結構な力込めたのに、びくともしない。

 なら、回り込んでっ、すんなり取れました!

 あのおばちゃん達何者なのさ。

 まだ商品の目利きしてるし、恐るべしおばちゃんパワーなんだよ。


「これで、卵と鶏胸、豚肉を安く買えるから、あとは贅沢納豆と、パプリカ、マッシュルーム、トマトとキャベツ……これで良いかな」


 買ったら一度家に戻って、少ししたらコスプレ喫茶に出陣です。

 ついでにお昼も、そのお店で食べます。

 外食なんて久々過ぎて、少しお値段が怖いけども、物凄く楽しみなのさ。




「そして、到着しました南雲町!」


 電車内で、ぼーっとしてたら思い出したの。

 あれだよね、戸ノ浄市の町って、終末の刻研究所所属の地区長の名前が付けられてるよね。

 確か、華ノ恵町を中心に奏地区、縫郷地区、南雲地区、那邪道地区に分かれてて、ここは南雲地区の南雲町だ。


「と言う事は、ここにも迷宮に繋がる場所が有るって事だよね。今日はお休みなので、どうか何もおきませんようにぃっ!」

 

 祈るだけ祈っておこう。

 効くかどうかは分からないけど、私にどうか、癒しのモフモフを下さいな。


「時間は……まだ十時半だから、少しお散歩しよう。知らない町だし、のんびりするんだよぅ」


 むぅ、何かごちゃごちゃした町だよね。

 お店はいっぱい有るんだけど、何かの部品だったり、中古のパソコンやスマホ、小さなチップみたいな物ばっかり売ってるの。

 人も多くて、手には紙袋をいっぱい持ってるし、教科書に載っていた、一昔前に有ったって言う電気街って、こんな感じだったのかなぁ。

 散歩をしながらお店を見るけど、機械音痴の私にはさっぱり分かりません。

 

「授業用のタブレットか、スマホが限界だよ」


 丸める超薄型高画質モニターって、なんでお値段が百二十万なのさ。意味が分からないよ。

 丸めて持ち運びは楽だけど、誰がこんなの買うのかなぁ

 むぅ、それにしてもさっきから……視線を感じる。


「誰だろ、私を見ても面白く無いんだよ(ニコッ)」


 笑顔を作ったら、『ひっ!?』前から来た人が逃げる様に道を譲ってくれたり、『おい見ろよあれ』若い子達が私を指差して何かカメラ向けて来るぐらいです。


「写真撮ったら追いかけてスマホ壊します(ニタァ)」

『おいアイツやばいって』

『あっああ行こうぜ』

『能面かよっ』


 あの男の子、能面って言った……お顔うにうに、大丈夫! 慣れてますからね!

 

「……やっぱり視線を感じるなぁ、何だろ?」


 


 町をぶらぶらしてたら時間になりました!

 少し早めに行くと、コスプレ喫茶『ケモ娘の宝箱』の前には、凄い格好のお兄さんお姉さんがそわそわしながら並んでいます。

 バンダナにサングラス……小々波さんみたいな人が居る。しかも、一番目に並んでる。

 私は十九番目だから距離があるし、声を掛けるのやめとこうかな。

 二番目の人は、露出度高めの黒髪美人さんだし、小々波さんと仲良さそうにお話してる?


「誰だろ……小々波さんの彼女? あの小々波さんに彼女? それは無いかなぁ」

「……花乃歌?」


 んっ、誰が私の名前呼んだ?

 左右確認……誰も居ない。

 なら後ろ?


「……誰?」


「やっぱり花乃歌じゃないか、久しぶりだね! 元気にしてたかい!」


 えっ……本当に誰なの?


「えっとぉ、誰?」


「酷いなぁ、僕の事を忘れたのかい。幼稚園と小学校で同じクラスだったじゃないか」


 ぬぅ、背が高くて見上げちゃうけど、こんなイケメン(死語)さんなんて知らないんだよ。

 幼稚園と小学校で同じクラス……あの子?


「玉を潰して病院送りにした、健太君?」


「ははっ、懐かしい名前だけど違うよ。それに健太は男だろう。僕とは性別が違うさ」


 健太君じゃ無い……性別が違うって事は、そのイケメン(死語)高身長で女の子なんだぁ。

 どう見たって百七十後半の身長だし、七三カットの綺麗な茶髪に、若干タレ目気味の優しそうな瞳で……どこぞの王族ですか?


「まさかこんな場所で花乃歌に逢えるなんて、偶には散策してみるのも良いモノだね」


「はぁ……」


 私の疑問が解消されて無いよ、誰なのさ?


「ずっと心配してたんだ……急に転校したからさ。色々探し回って、何とか『施設』に居る事を突き止めたんだけど、邪魔が入ってね」


 施設? あぁ『愛情会』だね……突き止めた?

 確か愛情会って、一般では情報公開されていなかったよね。


「この髪の色も、花乃歌に合わせて染めてみたんだけど、やっぱり、花乃歌の茶髪癖っ毛の方が愛らしいね」


「……本当に誰なのさ?」


 少し怖くなってきた……私に合わせて髪を染めた? 私、幼稚園の時も、小学生の時も、誰とも遊んだ記憶が無いんだよ。


「本当に忘れたのかい!? 南雲だよ! 南雲智人! いつも同じクラスだったじゃないか!」


 存じ上げません!

「存じ上げません!」


 しまった、心の声が口に出ちゃった。

 あぁ……何か知らない人が、泣きそうなお顔してるんだけど、本当に知らない人なんです!


「……南雲? 南雲って、ここの地区長?」


「──花乃歌、何処でそれをき『只今より、オープン致しまーす! どうぞ順番にお入り下さーい!』っ、僕も一緒に入って良いかい?」


 えっ、何か嫌です。

「えっ、何か嫌です」


「っ、花乃歌は昔から変わらないね、真っ直ぐにモノを言うのだから。なら、僕一人で入るよ」


 私の後ろにピッタリとくっ付いて、一人で入るなんて嘘なんだよ……この人が南雲地区長なんだね。

 幼稚園……小学校……やっぱり南雲って言う人、記憶に無いんだよ!!


「はぁ…はぁ…花乃歌……」


 鼻息が頭に当たってる……やっぱり何か怖いんだよこの人!?



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