EP.47 不味い状況?
一班の人達を連れて、脱出成功!
急いで引き渡して、一息吐こうとしたら、奏さんに捕まりました。
それはもう、凄いお顔でね。
「……勝手に飛び出して、何かあったらどうするつもりですか」
「ぁぃ……」
「チッ、煩さい奴だな」
「プゴ……」
はい。広場のテーブルに座りながら、奏さんに、怒られています。
しかも、綺麗なお顔に、血管をピクピクさせながら、静かに怒って来るの。
正直怖いです。
「自分の身勝手な行動が、誰かの命を奪う事だって有るのです」
「ぁぃ……」
「あんたと違って、助けたけどな」
「プゴッ」
レオンちゃんが強い。
全く動じず、脚を組んで椅子に座ってる。
「それは結果論でしょう。もし、貴方達が迷宮を刺激して、魔物の大群が出て来たら、どうするおつもりですか……」
「ぁぃ……」
「んなもん知るか。迷宮を刺激って、何をどうすれば刺激されるんだ? そう言うなら、最初にしっかり教えろっての」
「プゴッ!」
ウリ坊ちゃんも抗議してるの?
何を言ってるか分からないけど、お鼻が艶々で可愛いんだよぉ。
「っ、ああ言えばこう言う……」
「ぁぃ……」
「あんたもな。怒るより先に、私らに言う事あんだろ。ねちねちねちねち、煩い奴だな」
「プゴォォォッ」
レオンちゃんもプチ怒だ。
一触即発?
喧嘩は駄目だよ?
「……っ、良い加減に理解しなさい! 幾らスキルを持っていも、相手は迷宮なのですよ!」
「あん? 迷宮だからって、部下を見殺しにして良いのかよ。小は切り捨てるってか? お偉い事ですね、奏地区長様」
「──っ、このっ!!」
奏さんが手を振り上げた。
これはアレだね……このままだと、大振りビンタでレオンちゃんの紅葉顔。
少しばかり、イラッとした。
だから、少しだけテーブルをコンコンして、二人を冷静にしようと思うの。
────────バキィッッッ!!
「二人共、冷静にね?」
粉々に砕けました。
ですよねーっ、力を抑えて無いもん。
「……少し頭を、冷やして来ます」
あらら、奏さん行っちゃった。
「レオンちゃん。頭冷えた?」
「私は冷静だぞ。あのまま叩かれてたら、普通に殴り返してたし」
「落ち着こうね? 殴っちゃ駄目だよ?」
「プゴプゴ」
「やられたら、やり返す。特に、理不尽な理由で、向かって来る奴にはな」
レオンちゃん。殴って良いのは、犯罪者さんか、魔物さんだけなんだよ?
犯罪者さんも殴っちゃ駄目?
私が殴ったら、粉々になるもんね。
「にしても、あの木と言うか森と言うか。急に現れて迷惑だっつの」
「だよねぇ。海が森に成るって、塩水平気なのかな?」
「フゴフゴ」
「迷宮だから平気じゃね?」
「その一言で、片付いちゃう……さっちゃんに聞いてみようかな?」
「異常事態だし、アイツらが連絡してるだろ」
レオンちゃんがとうとう、奏さん達をアイツら呼びなのさ。
我儘通して、一班の人達を助けたけど、奏さんの言う事も、間違って無いからね。
レオンちゃんなら、理解してる筈なのに、奏さんに強く当たる理由……アレかな。
「御礼言われてないから、怒ってるの?」
「怒って無いって。ただ、仲間を助けられて、礼の一つも言えない奴の話なんて、聞く気は無いし、聞く必要も無い。だろ?」
「御礼が欲しくて、助けた訳じゃ無いよ?」
「礼儀の話だ。礼の後に説教してたなら、私も普通に、説教を聞いてたさ」
きっと奏さんも、予想外の事が起こって、混乱してたんだよ。
私だって、びっくりしたんだからね。
ニャーンッ────「メッセージだ。さっちゃんからだけど、何だろ?」
「フゴッ!? フゴッ?」
ウリ坊ちゃんが、着信音に驚いて、周りをきょろきょろしてる。
ここに猫ちゃんは、居ないからね。
お鼻がぴくぴく、可愛い過ぎる。
ピロピロピロ────「私にも来たな。華ノ恵から連絡なんて、珍しい……」
おっと、私も内容見ないとだね。
えっと、なになに……んっ?
『桐藤さん。野小沢さん。現在、旧那邪道地区、縫郷地区、南雲地区にて、異常な数の魔物が、迷宮の外へと出ようとしております。旧那邪道地区、縫郷地区を、お二人に任せますので、何としても、食い止めて』
「これは……不味い状況だよね」
「ああ。そうみたいだな……」




