EP.46 あのー木何の木危ない木?.3
ザザッ────「一班の人達は何処っ!?」
銃声が聞こえてきてた場所って、この辺りの筈なのに、見当たらないんだよっ!
「花乃歌! あっちから声が聞こえるぞ!」
「あの大きな木の方向だねっ!」
『ギギャアアアアッ!』
『ゴガアアアアッ!』
「プゴッ!?」
「っ、『退きやがれえええ──っ!』」
凄いんだよ。
沢山魔物さんが迫って来るのに、レオンちゃんが叫んだら、面白いぐらい倒れていく。
「これならっ、走る事に集中出来るよ!」
「花乃歌に私のスキルは、効かないからな。気兼ね無く叫べるぜ」
「プギッ、プギッ」
「ウリ坊ちゃんも、大丈夫そうだね」
所々海水が残ってて、足が沈んで走り辛いけどっ、何とか前に進むんだよ!
木々の隙間を交互に走って、向かって来る魔物さん達の動きを惑わせ、その隙に、レオンちゃんのスキルで昏倒させる。
私の脚と、レオンちゃんの喉の、コンビネーションアタックなのさ。
本当なら、私も戦いたい。でも、私の両手は、レオンちゃんの太腿を支えているので、パンチしたくても出来ないの。
「レオンちゃんの太腿……もちもちだぁ」
「プゴォ?」
「今それどころじゃ無いからなっ!?」
「もちもちなんだもん!」
「だもんじゃっ、『ないわあああ──っ!?』」
『ノギャアアア──ッ!?』
突っ込みで魔物さん倒したっ!
御免なさい魔物さん。
本当なら、魔石を取りたいんだけど、今はそんな悠長にしてられないのさ。
『来るなっ! 来るなあああっ!!』
『おい起きろっ、班長っ!』
『何で武器を……くそっ、死んでたまるかっ!』
左奥から声。
三人発見したのさ!
「居たぞっ! 囲まれてやがるっ、花乃歌!」
走るスピードを落として、レオンちゃんが飛び降りたらっ、すかざず全力疾走だよっ!!
ズシャッ────「どわっとっ、良いぞっ!」
「行きますっ!」────ズゴォンッ!!
地面が抉れたけどっ、気にしない!
一班の人達が居る場所までっ、後少しっ!!
間に合ええええええっ!!
そう思って、飛び込んだ。
飛び込んだんだよ。
だって、今にも魔物さん達が、一班の人達を、もぐもぐしそうだったから。
ただね……少しだけ、位置がズレちゃった。
メゴォ────『ぐふっ!?』
班長さんと、思しき人の横顔に、飛び込んだ私の手がぶつかって、そのまま横回転して、気絶しちゃった。
『班長おおおおおお──っ!?』
『えっ、一体何が!?』
『新手の魔物か!?』
「魔物じゃ無いよ? 私だよ? (ニコッ)」
『化物だああああああ──っ!?』
『落ち着け野口っ! あいつの顔を見るな!!』
『俺……生きて帰ったら、結婚するんだ……』
駄目だ、混乱しちゃってる。
見た感じ、班長さん含め、三人負傷。
混乱してる三人は、所々傷は有るけど、何とか動けるっぽいね。
「魔物さんが、襲って来ない?」
『ギッ……ギギャ』
『ガルゥッ、ガウッ』
『ギギギッ、ギギャ』
『グルルッ』
何で私を見て、後退りするのさ。
まるで、意味の分からない生物を、見たような反応で、少し失礼だよ。
「取り敢えず、魔物さんを倒さないと、一班の人達を安全に運べない……(ニコッ)」
あの赤と緑のオーラを意識して、魔物さん達に向けて、笑顔を向けた。
すると、魔物さん達が一斉に、泣きそうな顔で、私を見て来た。
酷いよね。私はこんなにも、笑顔なのに。
ゴブさんにはデコピン────『ギュプ!?』
狼さんには抱き付き────『キャウン!?』
お猿さんには拳骨────『キキュッ!?』
蜘蛛さんには石投げ────ボシュッ!!
私を見たまま固まって居たから、物凄く簡単に、ぷちぷち出来ました。
「……どっちが襲ってんのか、分かん無いぞ?」
「レオンちゃん!」
「プゴプゴ」
レオンちゃんが追いついて来た。
けど、何か酷い事を言ってる様な気がする。
私は襲ってないよ?
「おっさん達、生きてるか?」
『……はい』
『嫌だ嫌だっ、死にたく無いっ』
『ははっ、一昨日別れたって……』
「……大丈夫そうだな」
「混乱してるみたいだね」
「プゴォ」
早く送り届けないとね。
このままここに居たら、また魔物さん達が来るかも知れないし、危ないんだよ。
「そんじゃ、コイツら連れて避難するか」
「私が二人担ぐんだよ!」
「プゴプゴッ」
ウリ坊ちゃんもヤル気だけど、体が小さいから、乗せることは出来ないよぉ。




