EP.44 貝殻?真珠?拾いモノ?.3
トゲトゲ貝さんから出て来た、丸い綺麗な石を、奏さんに確認してもらうの。
そう思って、話しかけたんだけど……タイミングをしくじりました。
「桐藤さん。あの様な勝手な行動をされては、こちらの調査に、支障をきたす恐れがあります」
「ぁぃ……ボソッ(怒られてるぅぅぅっ)」
「何より、桐藤さんの勝手な行動で。何か起きた場合、どうするのですか?」
「ぁぃ……ボソッ(ぐうの音も出ないっ!)」
「貴女ならば、余程の事が起きても、無傷で生還するのでしょうけど、我々は普通の人間です」
「ぁぃ? ボソッ(私も普通の女の子ですよぉ)」
「何かが起きて、隊員達が死んでからでは、遅いのですよ?」
「ぁぃ……ボソッ(眼が怖いいいいいいっ!?)」
「お願いですから、この調査が完了する迄の間だけでも、大人しくして頂けませんか?」
「ぁぃ……ボソッ(大人しくしてるんだけどなぁ)」
「……ちゃんと聞いてます?」
「聞いてるんだよ!? 勝手な行動はしません! 大人しくしてるんだよ!」
これで終わり?
これで、この手に光る、貝から出て来た真珠っぽい石を、確認して貰える?
「大体桐藤さんは、その場の思い付きで、行動している節があります」
「ぁぃ……ボソッ(まだ怒られるのぉ!?)」
「そんな事を続けていれば、いつか足元を掬われ、大怪我をする可能性だってあるのです」
「ぁぃ……ボソッ(レオンちゃん助けてえええっ! お説教が止まらないよおおお!)」
レオンちゃんはっ、何処に居るの!?
『ぷっくくっっっ……』
こっち見て笑ってるううう──っ!?
酷いよレオンちゃん!
私を見捨て無いでよおおおおおおっ!!
────三十分後
「私からは以上です。何卒、節度を持った行動を、お願い致します」
「ぁぃ……ボソッ(おっ…終わった……)」
「それで桐藤さん。私に見せたいモノとは、何なのですか?」
何だったけ?
何か見て貰おうと思って、話かけた筈なんだけど……あれぇ???
「花乃歌、その石見せるんだろ」
「そうだこの石!」
怒られ過ぎて、すっかり忘れてました。
アレだよね。
声を張り上げずに怒られると、物凄く怖く感じるよね。
奏さんは、八代ママと同じタイプなの。
静かに、淡々と怒る。
「あの浅瀬で見つけた、トゲトゲの貝に入ってたの。何か分かるかなぁ?」
「貝が有ったのですかっ!? しかもそれを割っっっ、今は良しとしましょうっ」(ギリッ)
歯を食いしばる程怒ってるっ!?
もうお説教は受けたからね?
もう怒らないでね?
今は良しとか言わないでえええっ!!
「この石、何か分かるのか?」
「私では何とも。ですが、桜乃オーナーに繋いで確認すれば、何か分かるかも知れません。少しお待ちを。通信機材の準備はどうか!!」
『ケーブル問題無し! 迷宮の穴で、断線している様子は有りません!』
『通信状況感度良し! 大丈夫です!』
「良しっ! 至急桜乃オーナーに繋いでくれ!」
この場所でインターネットを繋いだの?
黒い渦からケーブル出て来てるし、断線しないんだね。
小型モニターも置いてあるし、色んな物を持ち込んでるんだよ。
『それでは、繋ぎます!』
『────奏ですか。緊急用の回線を使うなんて、何か御座いまして?』
「凄い……本当にさっちゃんだぁ」
「海に囲まれてんのに、この状況って、何か変な感じだな」
『桐藤さんに野小沢さん、調査は順調かしら?』
順調かどうかと聞かれても、私とレオンちゃんは、ただ居るだけなんだよ。
「桜乃オーナー。桐藤さんが、このエリアで貝を拾い、それを割られたとの事。先に報告させて頂きます」
『はぁ……はぁっ!? あのエリア貝っ、迷宮内で、魔物意外に『生物』が居たのですか!? しかもそれを割っっっ────(プッ)』
「さっちゃんとの通信が切れた……」
「なるほどな。確かに、今まで迷宮に入った時は、魔物以外の生物なんて、見た事無いわ」
「そうなのレオンちゃん? 私は一度だけ、団子虫さんを見た事ある様な……無い様な?」
「どっちなんだよ。どちらにせよ、魔物以外の生物が居るのなら、大発見っぽいな」
ふーん。迷宮内って、魔物さん以外の生物が見つかって無いんだね。
『────ふぅ、失礼しましたわ。それで、他にも報告が有るのでしょう?』
「ボソッ(レオンちゃん。さっちゃんの後ろ、物がいっぱい壊れてるんだよっ)」
「ボソッ(華ノ恵の奴、ヒステリックになってるから、絶対刺激するなよ)」
「ボソッ(分かった)」
『何をしてますの? 早く用件を言いなさいな』
「うん。あのね、貝を割った時に、こんなの出て来たんだけど、さっちゃん見た事ある?」
『いや見えませんわ。カメラの位置を考えて下さいまし』
カメラの位置?
このモニターのカメラは、ここかな?
『近過ぎますわ。ゆっくり引いて、そうそう、そこです……んーっ……んーっ、んっ?』
さっちゃんが面白いお顔になってる。
真珠ぽいものを、カメラ越しに見てるんだけど、お顔が凄い寄ってるの。
「さっちゃん?」
「おーい華ノ恵。顔がどあっぷになってるぞー」
「桜乃オーナーがこの様な姿に成るなど、余程その石が珍しいのでしょう」
そうかな?
緑の石とか、赤い石とか、さっちゃん結構、このお顔になってると思うんだけど。
「桐藤さん、野小沢さん、良くお聞きなさい」
「どうしたの?」
「何だ改まって?」
「それは、『女神の心珠』。魔石に宿る力を、増幅させる事が出来る宝石ですわ。絶っっっ対に! その宝石はお売り頂きますわよ!! 無くしたりしたら……」
「無くさないよ!」
「魔石の力を増幅? ああっ、そう言う事か!」
「どう言う事???」
「それぐらい気付けよ花乃歌。アレだ、戸ノ浄市の電気って、あの石ころだろ?」
「奏っ! その一帯の浅瀬を調べて、何としても複数それを見つけ出すのよ!」
「了解致しました桜乃オーナー!」
ねぇ、さっちゃん、レオンちゃん。
どう言う事???
お話がポンポン進んで、頭が追いつが無いんだけど?




