表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

EP.24 リアルおままごと.1




 迷宮の出入口となる場所は、確認されているだけでも二十箇所あり、年に一回魔物さんが押し寄せて来るのはその内の五箇所らしい。

 さっちゃんが担当しているのは、華ノ恵百貨店の地下であり、他の出入口より黒い渦が大きいから、さっちゃんが居ないと持ち堪えれないそうだ。

 なら、他の地区はどうだろうか。

 今まさに、那邪道地区の迷宮の出入口に向かってるのだけど、何だろう……違和感しか無い。


「さっちゃん、本当にこの場所なの?」

「ええ、この場所ですわ」

「……唐揚げ食いたいな」


 そうだねレオンちゃん。

 日本全国何処にでも在って、終末の刻が起きた時でさえ営業を続けていた、無くてはならない便利なお店。


「桜乃オーナー! 此方は周囲を固めておきます! 連絡を頂けましたら鉄塊を動かしますので、後はお願い致します!」


「分かったわ。桐藤さんと野小沢さんが居れば、何とかなるでしょう」


「どうだかなぁ……」

「レオンちゃん! きっと大丈夫だよ!」


 何か有れば私が盾になるもん!

 さっちゃんとレオンちゃんには、指一本触れさせません!

 一番最初にモフるのは私だからね!

 それじゃあ突入なんだよ! 『コンビニ』に!



 ウィィィィン────(ピロピロピロピロ)



「違和感が凄いっ、普通に買物しに来た気分になるんだよ!?」

「唐揚げあるじゃん、しかも揚げたてだし」


 あれっ? 営業してないよね? 

 何で揚げたての唐揚げがあるの?

 しかもちゃんと、専用の入れ物用意されてるし、美味しそうな匂いしてる。


「……どう言う事…ここは封鎖してた筈……桐藤さん、野小沢さん、気を付けて下さいまし」

「何をどう気を付けんだよ」

「唐揚げに、お惣菜も有るんだよ……帰りに買うから、レジに置いて『いらっしゃいませ!』っ!?」


 いつの間にっ、レジ下にしゃがんでいた!?

 それよりもこの子っ、あの女の子に似てるけど違う! それよりも小さいモフモフ幼女だぁあああっ!?


「花乃歌! 下がれっ!」

「桐藤さん! 今直ぐ離れなさい!」

「待ってさっちゃん!レオンちゃん!」


 下手に刺激したら駄目なんだよ!

 だって……『(ピッ)三百円が一点、(ピッ)二百五十八円が一点──袋は要りますか?』普通にレジ打ちしてて可愛いもん!!

 背が小さいからか、台に乗ってやり易い様にしているし、頭が良いんだよ!


「袋は要らないよ」


 ぶかぶかの制服着てて、名札に『那邪道』って書いてるから、そのバーコードを使って、レジを使える様にしたんだね!!


「ポイントアプリはありますか?」

「あっ、有るんだよぉ、はいこれだね(ピッ)」


 凄い自然にこなしてる……何だろう、モフモフ幼女ちゃんはコンビニ経験者なのかな?


「有り難う御座います! 合計五百五十八円になります!」

「丁度だすね、はい(チャリッ)」

「丁度頂きます! レシートどうぞ!」

「はいどうも。さっちゃん、レオンちゃん、外で唐揚げ食べるんだよぉ」


「えっ!? 花乃歌っ、ちょい待てって!」

「桐藤さんお待ちなさい!」


「有難う御座いましたなの!」



 ウィィィィン────(ピロピロピロピロ)



「お待ちなさい桐藤さん! 何をしてますの!」

「待て華ノ恵! 花乃歌……言ってた奴ってあの子供か?」

「違うんだよ…ムグムグ、レオンちゃんも食べる? ちゃんと揚げられてて熱々だよ」

「……貰うけど、あひゅっはふふ……旨いな」

「二人共っ!」


 さっちゃんがちょい怒です。

 だって、もう鉄塊通過してて、まさかコンビニで勝手に働いてるとは思わないんだよ。

 しかも、迷宮で逢った女の子じゃ無かったし、一度退がった方が良いと思ったもん。


「さっちゃん、あの女の子ね……レジを打ちながら、私達を観察してたんだよ。変な動きをすれば、襲われてたと思います……」

「あぁ……言葉喋ってたし、確かに視線はヤバかったな」

「それはっ、そうですわね……っ、では時間を置いて、もう一度行きますわよ!」


 そんな!? 

 時間置いたら、あの子が帰っちゃうかも知れないじゃん! 言葉が通じるなら、せめて一モフさせて欲しいんだよ!

 あと飲み物買うの忘れてました!


「さっちゃん、レオンちゃん、飲み物買って来るけど何が良い?」

「何だよ唐突に……花乃歌まさか……じゃあコーヒー頼むわ」

「野小沢さん普通止めるでしょうっ!?」


「桜乃オーナー! 良かった、戻っておられたのですね。突如鉄塊からの反応が無くなったので、突破されたものとばかり……唐揚げ? 何処でそれを……?」


 普通に売ってました。

 目の前に有るコンビニで売ってました。

 そして今から! 飲み物買うついでに! 耳か尻尾をモフモフして来ます!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ