EP.44 貝殻?真珠?拾いモノ?.1
────ジリリリリリリリリリリッ!!
「んぁっ! 何事!?」(ミシッ)
────ジリリリリリリリリリリッ!!
「うるさっ!? おいなんだコレっ!」
────ジリリリリリリリリリリッ!!
『おはよう御座います。皆様に、朝、六時を、お知らせ致します。今日も元気に健やかに、安全第一で、働きましょう』
ぐっすり寝てたのに、今の爆音で目が覚めちゃったよ。しかも、今のアナウンスの音声って、さっちゃんだよね。
「レオンちゃん、おはよぅ……」
「華ノ恵の奴……何してんだよ。耳が潰れるかと思ったわ」
「だよね。私なんか、ビックリして飛び起きたから、ベットが壊れそう……」
「まだ六時じゃんか…私はまだ寝るぞ」
レオンちゃん、昨日あれだけ歩いたから、疲れが取れて無いんだね。
こんな朝早くから爆音鳴らして、ここの施設の人達、大丈夫なのかな。
ザッザッザッザッ────
『きびきび走れっ、広場に整列だぞ』
ザッザッザッザッ────
『やべっ、紐結べてないじゃんっ』
ザッザッザッザッ────
『んなもん後で良いだろっ、走れって!』
「何か通路が騒がしい?」
ベットからゆっくり起きて、ドアを少し開けて、隙間から通路を確認。
「皆んな必死に走ってる……なぜに?」
ザッザッザッザッ────
『おいっ、あと一分だぞ!』
ザッザッザッザッ────
『間に合う間に合うっ、間に合えええっ!』
ザッザッザッザッ────
『腹痛いっ! 先にトイレ行きてえええっ』
「どこに行くんだろ……広場って、あのグラウンドっぽい場所だよね」
目が覚めちゃったし、気になるから、こっそり後をついて行こうかなぁ。
丁度また誰か、走って来るんだよ。
ザッザッザッザッ────
『俺ら最後じゃねっ!?』
ザッザッザッザッ────
『お前が中々起きないからだろ!』
ザッザッザッザッ────
『遅れたら連帯責任じゃんっ、ヤベーって!』
ザッザッザッザッ────
「ボソッ(お邪魔しまーす)」
しれっと最後尾に付きました。
皆んな急いでるからか、まったく私に気付いていないんだよ。
今から何するんだろ?
朝だから、ラジオ体操とかかな?
走ってる人の後をつけ、広場に到着したのは良いんだけど、これは何だろうか。
三十名もの若い人達が、等間隔で、綺麗に整列しているの。
「全員揃ったな。タイムは三分十一秒、十一秒オーバだ。その場で腕立て伏せの用意っ!!」
「「「いっち! にっ!」」」
んっ? 皆んなが急に伏せたんだけど、これは何をしているの?
「そこの貴様あああ──っ!」
「ひゃっひゃい!」
怒鳴られたから反応しちゃったよ!?
何で急に怒鳴るのさ!?
「腕立て伏せの用意だっ! 聞こえんかったのかあああ──っ!!」
「私も!? 何で私も!?」
「口答えするな──っ! また訓練所からやり直したいのか──っ!」
「訓練所って何さ!?」
取り敢えず怒鳴られたく無いので、腕立て伏せの姿勢をとります。
これが朝のラジオ体操?
どう見ても何かの訓練にしか見えないっ!
「今日は馬鹿も居るみたいだからな! 連帯責任に追加でっ、腕立て百回っ! 腹から声を出してやれっ! 始めっ!!」
「「「いーちっ、にーぃ、さーんっ」」」
馬鹿って私の事?
何か始まったんだけど、腕立て伏せ百回って、朝からするモノなの?
私は全然苦じゃ無いと言うか、この感じなら千回は余裕なんですけど……何なのこれ?
「「「さんじゅうにっ、さんじゅうさんっ」」」
周りを確認しながらっと……偉そうな人の、近くに居るのって、奏さん?
何か見ながら、偉そうな人とお話ししてる。
「何のお話ししてるのかなぁ」
腕立て伏せ中だから、声をかけれないし、この状況で一人だけ立つのは、物凄く勇気が要るんだよ。
「「「きゅうじゅうきゅうっ、ひゃくっ」」」
「良しっそこまでっ!!」
もう終わった?
皆んな結構辛そうにしてるけど、私はまだまだ元気だよ?
「総員起立っ! 奏地区長からの御言葉が有る! 心して聞くようにっ!」
────ザッ!!
今の何さ?
疲れてるのに、一瞬で立ち上がった?
この人達何者なの?
「『探索者』の皆さん、おはよう御座います」
「「「おはよう御座います」」」
「おっ、おはよう御座います?」
「本日より、新たな迷宮の調査を開始します。特殊なエリアと予想されますので、桜乃オーナーからの報告書に、『必ず』目を通す様、皆様にお願い致します。私からは以上で────」
あっ、目が合った。
これはアレかな……手を振れば良いのかな?
「何故そこに居るのですかっ!?」
奏さん。壇上からこっちに向けて、声を発しないで欲しいな。
そんな事されたら、皆んなの視線が一気に集まって、物凄く居心地が悪いの。
「っ、また貴様かこの馬鹿者っ!! お前は訓練所送り決定だ! 隊員番号を言えっ!!」
「待ちなさい所長っ、彼女は────」
「番号何て無いよ? 桐藤花乃歌と言います(ニコッ)」
「隊員番号が無いだとっとっ、ひぁっ!? 何だそのかっかが顔っ!?」
物凄く失礼な人なんだよ。
人のお顔見て、指をさして来るなんて。
「奏地区長お逃げ下さい! アレは不味いっ、アレはヤバい奴です!!」
「所長……彼女は、桜乃オーナーのお仲間です」
「警備隊は何をしておるっ! 誰か! 特殊装備一式で持ってっ、あの女をどうにかしろ!」
何か私……化物扱いされてない?
特殊装備って、前に見たロボットみたいなヤツなのかな?
出して来ても良いけど、壊しちゃうよ?
「おい貴様等! そこの女を捕らえよ! そいつは侵入者っ、そう侵入ぷっ!?」
え──っと、奏さん何やってるの?
偉そうな人の首を、良い感じで絞めて、一瞬で落としちゃった。
「ふぅ……皆様、失礼しました。朝食後、マルハチマルマルに、完全武装でここに集合して下さい。以上、解散」
「何だったの? 解散? それなら私も、お部屋に戻って二度寝だよぉ」
「桐藤さん……貴女はこちらに」
「……はい」
怒られるの?
私怒られちゃうのかなぁ?




