EP.41 明日から夏休み?.5
はい。レオンちゃんに羽交締めにされて、何とか台から離れる事が出来ました。危うく沼に嵌る所だったんだよ。
「有難う御座いますレオンちゃん」
伏して御礼に、ドリンク一本献上します。
「(プシッ)んぐっ…ぷはっ、疲れた……花乃歌マジで、台に齧り付くから、びっくりしたわ」
「私も自分でびっくりしたよ。気付いたら、レオンちゃんに担がれてたもん。周りの人も驚いてたし、私どうしたんだろ……」
「んぐっ。若干赤い奴出てたし、集中し過ぎたんだろうな」
赤い色? 出てたのあのオーラ!? じゃあ何っ、背中から赤いオーラ出して、コインゲームに集中してたの私っ!?
「はっ…恥ずかしいんだよぅっ……」
「ネットに投稿したら、『怪奇! オーラを出しながらゲームに集中する学生!』ってな感じで、一躍世界の笑い者だったな」
「動画撮影してないよね!? お願いだからアップしないで下さい!!」
そんな事になったらっ、恥ずかしくてアパートから出られないし、八代ママからお叱りを受けてしまうよ!!
「動画なんて撮ってないぞ。そんな事したら、華ノ恵がブチ切れしそうで怖いし、友達売る様な真似はしたく無いからな」
「レオンちゃん……大好きだよっ!」
全力ハグッ────『待て花乃歌っ!』
レオンちゃんが手のひらを向けて来た。これはアレかな、手を重ねれば良いのかな。
「何レオンちゃん?(ワキワキ)」
「花乃歌の全力ハグは……骨が折れるから勘弁して下さい」
「……折れないよ?」
「折れるわっ! さっきドラゴンハグした奴の、ダメージ量を考えてくれっ!」
レオンちゃん、あれはゲームです。実際のダメージ量とは違うんだよ。
本物のドラゴンさんなら、ハグで倒せないんだからね。
「花乃歌っ、前にドラゴン……消してるだろ?」
「ハグじゃ無いもん。あれはパンチだもん」
「だもんじゃ無いっての。ほら、そろそろ帰って課題やらないと、間に合わなくなるぞ」
うっ…現実が襲って来るんだよぅ。
でも、課題終わらさないと、さっちゃんが鬼のお顔でやって来るぅ。
ゴゴッ────『のぎゃっ』
「ととっ、また地震かよ」
「ここ最近多いよね。またゴブさん来るのかなぁ」
スロットしてたおかっぱの女の子、揺れでバランス崩して倒れたけど、大丈夫かな?
「あーお尻痛いぞーっっ、何見てんだよー。女の子倒れてるんだから、助けろよー」
「レオンちゃん、あの子こっち見てるぅっ」
「絶対目を合わせるなよ。ああ言う手合いは、タチが悪いからな」
「無視かよー。最近の若い者は酷いなー(ずりずり)」
床這いずりながらこっち来てるっ、どうしたら良いのさ!?
「んあー? お前ら何処かで見た顔だなー」
「花乃歌、行くぞっ」
「うんっ、レオンちゃん」
走って逃げるんだよ!!
『逃げるなよー。起こしてくれよー』
逃げるに決まってます!
台を叩いてた子だし、と言うか何時間遊んでるのさ!
一階へ下りて、クレーンゲームコーナーを飛び出して、外へ──っ、出た!
「あー何か怖かった……」
「だなぁ。ああ言うのが偶に居るから、一人は危ないんだ」
「次来る時も、レオンちゃんお願いします」
「その方が良いな。花乃歌一人だったら、別の意味で危ないし」
それはどう言う危ないなのレオンちゃん?
物を壊すから?
それとも、誰かを殴りそうだから?
「帰ろ……」
「だな。何か最後に、ドッと疲れた」
と言う事で、帰って来ましたアパートに。
管理会社の人が待ってたみたいで、遊んでました御免なさい!
平謝りしたら、管理会社の人が怖がったの。
鍵を渡されて、走って行ったの。
私何もしてないよ!!
「なあ花乃歌。謝る時に、緑の奴出てたぞ」
「今度は緑っ……制御出来無いもどかしさだよ」
「赤は花乃歌のイメージに合うけど、緑は無いな。何か不思議な感じするし」
不思議な感じ? 私からしたら、赤も緑も不思議なんですけど。
「(カチャッ)さぁどうぞレオンちゃん、御上り下さいな」
「おじゃましまーす。うん、前と何も変わってないな。花乃歌の部屋だ」
何か変わってるとでも?
何も変わらないんだよ。記憶がハッキリしても、結局私は私だったしね。
「晩御飯用意するから、少しだけ待っててね」
「その間、課題の問題確認しとくわ」
「お願いします」
今日の晩御飯は、帰りに食料品店で買った、豚バラさんをつかって、生姜焼き定食にします。お手軽簡単の、生姜焼きのタレも買ってるし、今日は手抜きで済ますのさ。
豚バラにタレを絡めてもみもみします。
あとは玉葱と一緒に、胡麻油でさっと炒めて、ほら完成。
隠し味に、鷹の爪も入れてます。ピリッとしてて良いよね。
「お野菜はキムチが有るから、後はお味噌汁を用意してっと……」
赤だしお味噌汁一択なんだよぉ。
昨日のお豆腐の余りを入れて、完成!
「レオンちゃんお待たせー」
「良い匂いだな。テーブルテーブルっと、置いていいぜ」
テーブルの上に並べて、ご飯を小盛り盛り、小盛りじゃ無いよ、小盛り盛りだよぉ。
「それじゃ食べよ!」
「うしっ、頂きます」
「どうぞ召し上がれー。私も頂きます。ムグムグ…うん、流石生姜焼きのタレさん。良い仕事してますねぇ」
「ガッガッ…今の、何処かで聞いた台詞だな。何処だっけ?」
「どこだろ? ムグムグ…美味しーい!」
これを食べたら、お風呂入って、徹夜で課題をやらないとだね。
ぬぅ……遊んだ分は、頑張らないとっ。




