EP.41 明日から夏休み?.2
「えー明日から夏休みやけど、あまり羽目を外すなやー。先生のボーナスに響くからなー。んじゃ課題を送るから、タブレットで確認せーい」
待ってたんだよ先生。
タブレットをぽちぽち……っ、エグい量だよこれ!?
『せんせーい、課題多過ぎまーす』
『こんなん終わんねーよ』
『何これ、自由研究?』
『小学生かよ、先生これ何ですかー?』
「自由研究はオマケみたいなもんやー。高校生やからこそ、自由な研究をやなー。因みに、課題やってけえへん奴がおったらー、そいつの単位減らすから気を付けやー」
その心配は不要です。だって、帰ってすぐにやるからね。
明日一日で……この量の課題を終わらせる。
吐いちゃいそうです。
「それじゃあ校長先生の動画流れるから、しっかり見てやれなー」
校長先生……入学の時に一回だけ見たけど、印象が残らない人なんだよね。どんな人だったかなぁ。
『────(トントンッ)おやっ、もう映ってるのかのぅ。えーこほんっ……何じゃったけ?』
突っ込み満載なボケだよね。
入学の時も、こんな感じだったなぁ。
「はぁ…お祖父様、遊んでおりますわね」
「この爺さん、変わらねぇな」
「さっちゃんのお爺ちゃんなの? まぁ、華ノ恵学院ってお名前だから、そうかなぁとは思ってたけど」
普通のお爺ちゃんだよね。
髪が薄くて、顔の印象も薄くて、全体的に影が薄い……さっちゃんのお爺ちゃんに見えないし、さっちゃんのパパさんみたいに濃く無いから、印象に残らないの。
『あぁ…そうそう…えぇっ…と、夏休みだからと、遅い時間まで遊ばない様にのぅ。それと…桜乃やぁ…偶にはお爺ちゃんの相手を──(プッ)』
動画が消えた!?
誰が消したの! お爺ちゃんからさっちゃんへのメッセージ!
「お祖父様……ナイスですわ楽羅蘭っ」
「楽羅蘭さんが動画消したんだね。絶対笑顔で消したんだよ」
「失礼ですわよ桐藤さん。名前で遊ぶのはおやめなさい」
「うっ…御免なさい」
「何度聞いても慣れないけどな……楽羅蘭って」
さっちゃんのお爺ちゃんと違って、一回聞いたら忘れられないお名前だよね。
お爺ちゃんのお名前知らないし、パンフレットにも載ってなかったと思います。
「華ノ恵ー、お爺さんは大切になー。ほな今日はここまでで、部活の奴も程々にせーよー。それじゃあまた休み明けになー、解散やー。先生は解散出来へんけどなーはっはっはっは……」
先生……頑張って下さい。
私も今から、地獄に身を投じます。
「さて桐藤さん。先日のお話……覚えていますわよね?」
「あい…マム…」
「宜しい。終わり次第連絡下さいまし、迎えに行きますので。『必ず』、明日中に課題を終わらせて下さいまし」
「華ノ恵の目がマジだな……」
「ちゃんとやるんだよぅ。うぅっ、夏休み感が全くしない」
さっちゃんは華麗に車椅子を操作して、研究所へ行っちゃいました。
誰かを探してるらしいんだけど、見つからなくて、それで疲れてるみたいだね。
「はぁ…帰って課題かぁ…憂鬱になるよぅ」
「私も一緒なんだから、そう落ち込むなよ。二百ページなんて、あっという間だって」
「ページ数言わないでレオンちゃんっ、私には多過ぎる量なんだからっ」
だってあの量だよ?
一ページ百問が二百ページだよ?
電子だからって、一ページにどれだけ詰め込むのさ!
「二千問を一日半で…二千問を一日半で…」
「花乃歌。一問一分半で解けば、二十四時間で終わる問題だぞ」
「無茶が過ぎるぅぅぅっ……」
「……仕方無いなぁ。それじゃあ缶詰する前に、少し遊んでから帰るか」
「そうする! モチベーションを上げなきゃ、やる気が起きません!」
レオンちゃんとお出かけして、気分を高めるんだよ私っ!
「どこ行くのレオンちゃん?」
「そりゃぁ……行ってみてからの、お楽しみだな。絶対花乃歌は、気にいると思うぞ」
私が気にいる所?
尻丸君のお家かなぁ……でも今は、そんな気分じゃないんだよ。
「ほら、行くぞ花乃歌」
「あっ、待ってよレオンちゃんっ」
取り敢えず、レオンちゃんに付いて行かないとだね。




