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EP.37 地区長会議.3




「さて、私からは以上ですが、皆様から何か報告等は御座いますか」


『華ノ恵、壊れた僕の装備はどうするんだい。あんなモノ、修理出来るのかな』


「修理するにも粉々で、正直言って無理ですわね。アシストスーツは予備が御座いますけど、盾は一から作り直しですわ」


『出来れば、退院する迄に欲しいね』


「貴女が退院される迄には、何某ら作っておきます。しっかりと一月、身体を休めなさいな」


 良くもまあ、全治一月で済みましたわね。

 盾とアシストスーツで防いだとは言え、普通なら全治半年以上の大怪我ですのよ。


「これでスキルを持っていないなんて……」


『何か言ったかい華ノ恵?』


「何でも御座いませんわ」


「桜乃オーナー、私もお伺いしたい事……と言いますか、今回の迷宮への出入口を塞ぐ為、何を建てれば良いかのご相談を。管理をするにしても、私の地区は農業地帯ですので、どういたしたものかと……」


 そうでしたわね。

 農業プラントの広場でしたか。何とも、面倒な場所に現れたものですわ。


「そうね……プラントで働く従業員達の、憩いの場だったかしら」


「左様で御座います。御年配者も多く、あの場所をビルで囲うのに、反対する者も居るかと思われます」

 

「どうしたものかしら……」


 奏地区は、機械化された農業プラントが点在する、戸ノ浄市の食糧庫であり、プラント外も勿論畑で、遊ぶ場所が殆ど無い所ですわ。

 だからこそ、広場は貴重なのですけど、難しいですわね。


「ビルが駄目ならコンビニ……農業プラント横だと、違和感の塊ですわね」


『無理に大きい建物じゃ無くても、集会所とか倉庫で良いんじゃ無いか?』


「集会所は既にありますね。倉庫も至る所に有りますし、広場だと悪目立ちしそうです」


 そうね……無理に建物で塞ぐよりも、違和感の無いモノ……広場に設置するならアレかしら。


「奏、広場に噴水は設置出来まして?」


「流石桜乃オーナー! 水ならプラントに引いてますし、広場に設置は可能です!」


「なら、次の奏地区の予算を上げますわ。急ぎ専門業者に依頼をして、大きめの噴水で、迷宮の出入口を封鎖して頂戴」


「了解致しました! 直ぐに行動致します!」


 ふぅ……こんなところかしら。

 後は、どうにかしてあの女を、こちら側へ引き込むかよね。


────『緊急警報、緊急警報、保護対象が脱走しました。緊急警報、緊急警報、保護対象が脱走しました。至急確保されたし、至急確保されたし。緊急警報、緊急警報』────


「っ、どうやって部屋から出たの!?」


「桜乃オーナーこれは一体……」


「話は後よ! (ピッ)楽羅蘭っ、急ぎ確保して頂戴! 決して逃しては駄目よ!」


 あんな貴重な人材っ、逃してなるものですか!


           ◇ ◆ ◇ ◆


 そろぉ……っと顔を出し、通路を覗く。


『居たか!』

『保管庫には居なかった! ったく、保安部の奴等何してんだ!』

『取り敢えず片っ端から探すぞ! この近くに居る事は間違いないんだ!』


 うひっ、こっち来た!?

 即座に物陰に身を隠して、黒服姿の人達をやり過ごす。


「……ぶはっ、何なのよこの施設、監視カメラの数可笑しいわよっ」


 部屋から脱出したのは良いものの、セキュリティに引っ掛かり、逃げては隠れ、逃げては隠れを繰り返して早三十分。

 いつ天井に取り付けられた自動小銃が、こちらを狙うのかとハラハラしっぱなしで、生きた心地が全くしない。

 

「殺すつもりは無いのでしょうけど、実験動物だからかしらね……」

 

 じゃないと既に、鉛玉で蜂の巣だ。


「……出口を探さなきゃ」


「お姉ちゃんこんな場所で何してるの?」


「っっっひゃあっ!? 誰!? 何!?」


 後は壁だった筈なのに誰っ!?

 直様振り向き確認しても──コンクリートの壁しか御座いません!


「上だようぇーい」


「上……えぇっと、何でそんな所に?」


 通気口に女の子がはまっている。

 それはもう見事にはまっている。

 どうやってはまったのか分からないけど、こっちをキラキラした目で見てくる。


「ちょっと、見てないで助けてよー」


「いやぁ……私には時間が……」

 

 正直関わり合いになりたく無いです。

 手はこっちに出てるから、服を握らせて引っ張ったら抜けそうだけど、こんな何処とも知れない場所で少女って……怪し過ぎる。


「それじゃあ私は行きますねーあはは」


「私出口知ってるよー。お姉ちゃんここの人じゃ無さそうだし、私案内出来るよー」

 

 前言撤回上着を脱いで捻じって投げます!


「服が皺くちゃだー、ちゃんと弁償するねー」


「それは良いから握った? 引っ張っても良い?」


「いいよー」


「よっしゃ、ふんっ『おおっ、ふぎゅっ!?』」


 スポッと抜けて、バキッと顔面から落ちましたね。これは私の所為じゃないぞ。


「いたーい……鼻打ったー(コキッ)」


 んっ、今自分で折れた鼻治した?

 私の見間違いか?


『姓名・縫郷 関(ほうごう せき)

性別・(ロリババア)

年齢・七十八歳

誕生日・四月四日四時四十四分四十四秒

血液型・O型

職業・地区長 自由人

スキル・該当スキル無し

   ・該当スキル無し

   ・該当スキル無し

   

攻・猫 守・猫 精・龍

体・龍 運・年相応

備考・永遠の十歳の為、年齢を言うと……』


 また何か見えるわね。何々、ふーん。

 七十八歳ねぇ……七十八歳?


「えっ、嘘でしょ?」


「何が嘘なのさー、サンキューなー」


 この映像絶対可笑しいって。

 だってこの女の子、お肌も卵肌で艶々してて、黒髪おかっぱの、可愛い女の子にしか見えなし、これで七十八歳って有り得ないでしょ。


「っとそうだっ、出口って何処にあるのっ」


「おー、そうだった。助けてくれた御礼だー、案内するぞー。こっちだよー」


 よっしゃーっ! これで助かるわ!




 これで地区長全員揃い踏み踏み……

 那邪道の後釜がまだでしたね!

 

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