EP.32 緊急事態.6
何だろう。
ゴブさんが普通に地上に現れて、そこそこの数が襲って来てるのに、全く出番が無いんだよ。
八代ママが私の横をすり抜けて、片っ端からゴブさんのお腹に穴を開けて行ってるし、ミオンちゃんもそれに負けないぐらい、ゴブさんをお片付けしている。
しかも、手に入れた牛さんと兎さんを服の中に詰め込んで、片手に水風船を持ちながら……可愛い。
「私達の出番無いな……あの二人強えぇ……」
レオンちゃんが驚いてる。
八代ママの事、強い強いとは思っていたけど、まさか魔物さん達を蹂躙出来る程強いだなんて、私も驚きました。
「なかなかゴブさん減らないね……何処から来てるのかな」
「それな。魔物って、前に華ノ恵が言ってたイベント時にしか、上がって来ないんじゃ無いのかよ。普通に来てんじゃん……」
そうだよねぇ、何かあったのかな?
緊急イベント開催的な?
この辺りは人が居ないから良いけど、祭りの方へ向かわれたら結構な事件だよね。
「こらこらぁ、二人も戦いなさぁい」
「緊張感が無い声だな……」
「それが八代ママの怖い所なんだぁ」
喜怒哀楽の怒哀がハッキリしないから、八代ママの声色をしっかり聞いておかないと、後が怖いんだよ。
因みに今の声色は、困った子ねぇぐらいの感じだから、大丈夫です。
「ゴブ潰すの! お肉にならないゴブ潰すの!」
ミオンちゃんも強いなぁ。
可愛い女の子パンチなのに、威力が可笑しいんだよ。ちっちゃく握ったお手手が、恐ろしい凶器に見えます。だって振り下ろした拳が、ゴブさんの頭に当たると、そこを抉り取ってミンチに変えてるの。
「うわぁ、アレくらいたく無いな」
「同感です。私でも耐えられそうに無いんだよ」
そろそろ私も戦わないと、八代ママに怒られちゃうかなぁ。
んっ? アレは──ヘリコプター?
何と無く空を見たら、音も無くヘリコプターが飛んでいて、何かを落とした。
「花乃歌どうした?」
「おっと、今は目の前のゴブさんだね。レオンちゃん! 私達も戦うんだよ!」
「急にヤル気だな……良いけどさ、私ら行ったら邪魔にならないか?」
「大丈夫! 逆に行かないと、八代ママが怒になるからね!」
それだけは勘弁です!
八代ママの説教を受けるぐらいなら、中層に居た小山猪ちゃんと、追いかけっこした方がマシですから!
「突っ込むんだよ!」
「へいへい、お供しますよ」
八代ママとミオンちゃんの間をすり抜け──変わったお色のゴブさん目掛けて、『下段突き』を撃ち込む。
うん……忘れてたよ。
小指一本で大丈夫って、さっちゃんに言われてた事をね。
撃ち込まれたゴブさんがボンッ──と弾け、辺り一面に肉片を撒き散らしながら、消えちゃいました。
『ゴギャ!? ギギィギャ!?』
『ゴギャアアアッ!?』
ゴブさん達も流石にビックリしちゃってる。
でも、動き止めたら駄目だよね。
「全員耳を塞げっ! すうぅぅぅっ、ラーメン一丁毎度ぉおおおおおお────っ!!」
レオンちゃんのスキルの餌食になるもん……レオンちゃん、何故にラーメン?
「煩いのレオ! ラーメンは頼んで無いの!」
「これはぁ、中々良いスキルですねぇ」
ミオンちゃん普通に耐えてる……八代ママはちゃんと、耳を塞いでいるのに。
ゴブさん達は──全員白目で泡吹いてるね。
今なら簡単に殲滅出来ちゃうよ。
「あらあらぁ、これなら簡単ねぇ。どうやら打ち止めの様ですしぃ、サクッと終わらせましょぉ」
「ゴブは殲滅なの!」
「取り敢えずここ終わらせて、コイツらが来た方へ向かおうぜ」
「そうだねレオンちゃん。もしかしたらまだ居るかもだし、逃しちゃったら大変だもん」
何処からこのゴブさんが来たのか気になるし、まだ居るのなら倒さないとね。
「先へ進むんだよ!」
目に見える範囲のゴブさんを殲滅して、ゴブさんが来ていた道を辿る。
ゴブさんが来た道は街灯が少なく、薄暗い闇がそこかしこに有り、どうやらゴブさんは、この闇に溶け込んで移動していた様だ。
進んでいると、数体ほど闇から現れて襲って来たけど、そこはケモ耳ミオンちゃん。一瞬でそのゴブさん達を、返り討ちにしちゃいました。
「ミオンからしたら明るいの! 気配は読み辛いけど、殺意は消せないお馬鹿なゴブなの!」
殺意って……やっぱりミオンちゃんは凄い! 可愛くて凄い癒し系ケモ耳ちゃんだよね!
このまま地上に居て欲しい……なんなら私と一緒に暮らして欲しい。
学校から帰ったら、笑顔で『お肉!』って迎えて欲しいんだよ!!
「カノのお顔が怖いの……どうしたの?」
「……気にしてやるなミオン、直ぐ戻るから」
「可愛いモノ好きわぁ、変わりませんねぇ」
ちゃんと聞こえてるんだよ。
お顔うにうに……戻った? 怖く無いよね?
ミオンちゃんに嫌われたら、間違い無く寝込むんだよ。
「花乃歌ちゃんストップよぉ」
「──っ、どうしたの八代ママ?」
「あそこぉ、誰か居るわねぇ」
八代ママが指さす先に──何かゴツい板の様なモノを付けた、変な姿の人? が、空き地で何かしてるんだよ。
「あれ何だろ……ロボット?」
「何か作業してんな。空き地で何して──地面に亀裂走ってるけど、若干光って無いか?」
「あぁ、なるほどぉ。あそこから魔物が来てたのねぇ……」
ゴブさんが止まったのは、あのロボットが何かしたからかなぁ。
あれっ、ミオンちゃんが──居ない?
「(コンコンッ)あなただあれ?」
えっ……いつの間にかロボットの背後に!?
しかも普通に触ってる!?
『おやっ、誰だい君は……犬耳?』
あぁっ、気付かれた!?
不味いっ、あれはロボットじゃ無いんだよ!
ミオンがロボ?をノックした。
「あなたはだあれ?」
ロボットじゃ無かった。
花乃歌は慌てて居る。
犬耳幼女がノックしたモノとは!
分かりますよねっ?
感想評価等、是非お待ちしております!




