表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/68

EP.32 緊急事態.3



 終末の刻研究所────

 耳障りな緊急アラートが鳴り響く中、波夏草楽羅蘭は懸命に、働いていた。

 華ノ恵所有の衛星から、リアルタイムで送られて来る画像を解析して、異常なモノ──迷宮への出入口を特定する為に。


「範囲が広すぎで御座ろうっ、流石に某だけでは時間が足りぬで御座るよ!」


 ディスプレイを操作しながら、画像を解析。

 町に取り付けられたセンサー類のデータも含め、手当たり次第に確認していく。


 奏地地区は平地が多い故、見つけるのにさほど手間はかからぬが、那邪道地区は住宅が多い故に、特定に時間がかかってしまうで御座る。


「桜乃氏だけでは探しきれまいて……部隊を投入っ、人通りが多過ぎるで御座る!」


 那邪道地区には、コンビニに数名人員を配置しているが……彼奴らにも任務があるで御座るからな。


 プシュ──『楽羅蘭、お茶です』

 誰かはいってああああああっ!?

 面倒な人がこんな時に来たで御座るよ!?


「母上っ、今はそれどころでは無いで御座る!」


 某にぶっ飛んだ名前を付けた張本人!

 空気が読めない!

 余計な事をして来る!

 人の話を聞かない!

 こんなんで研究所内の監査役で御座るから、誰しもが近付かないぼっち母上っ!!


「楽羅蘭、ちゃんと八女母上と呼びなさい。若しくは、八女ちゃんでも良い」

「今話しかけないで欲しいで御座るっ! 忙しいのを、見て分からぬか母上!?」


 奏地区の力場は──見つけた!

「(ピピッ)こちら楽羅蘭! 奏氏! 奏地区の力場発生地点は──農業プラントの広場に御座る!」

『了解! 直ぐに対処致します!』


 ふぅ……あとは那邪道地区のみっ!


「楽羅蘭、お茶が冷えちゃう。最近は葛尾も冷たくなったし……楽羅蘭だけが私の味方」


 だから今忙しいっっっ、殴りたくなってくる母上で御座る!!

 今は無視! 無視して解析に専念で御座る!


「昨日だって、葛尾ったらまた変な人形を買って来て……今の推しはコレだとか見せて来た。これは浮気だと思うの」


 ただの人形に嫉妬!?

 我が母上ながら、何処かネジがぶっ飛んでおらぬで御座るか!?

 一昨日は研究所内でラブラブしてたで御座るが、某は幻を見たので御座るか!?


「だから今さっきね、その人形を削岩機で潰して来たの」


 えっ……怖っ、なぜ削岩機で……意味が分からぬで御座るよ。

 じゃなくて! 解析をせねば!


「これがその人形の生首です」


 持って来てたぁあああっ!?

 何故人形の首だけっ、他のパーツを何処にやったので御座るか!?

 しかも──その人形父上のでは無くてっ、弟の人形で御座るよぉおおおっ!?

 昨日弟が、某に自慢して来た限定フィギュアに御座る!!


「なーんて……これは、私が精巧に作ったラムネ菓子でした(ゴリゴリッ)」


 今食べるので御座るか!?

 まぁ……何も壊してないようで何よりで御座るが、早く出て行って欲しいで御座る。


「本物は、こんがりと焼き尽くしたから大丈夫。浮気者には鉄槌を」

「だからそれ弟ので御座るよ!?」


 突っ込みを入れてしまったで御座るぅ!?

 あぁ……反応しちゃったから、母上が目をキラキラさせて……無視するが吉で御座るな。


「楽羅蘭……那邪道駅の改札を出て、右へ五十メートル進んだ先の空地」


「何がで御座るか!?」


 急に何を──『データから算出した』

 なんとっ!?

 そんな来て直ぐに分かる筈が……小さな裂目が有るで御座る!?


「(ピピッ)桜乃氏! 力場の発生場所は──駅改札から五十メートル先の空地で御座る!」


 ぬっ……桜乃氏から応答が無い?

 何かあったので御座ろうか……いやいや、桜乃氏はスキル持ちであるからして、余程の事が無い限り大丈夫で御座ろうて。


「楽羅蘭、今直ぐ部隊を送りなさい」

「……母上?」

「早く……そこそこ出て来てる」


 ははっ、母上がマジな顔になってる……これは不味い状況で御座るな。直ぐに向かえる部隊となれば……奏氏は動けぬし、那邪道氏は療養中……やむなしで御座るっ!


「(ピッ)南雲氏の謹慎を一時解除! 至急部隊を編成し、那邪道地区の力場へ向かうで御座る!」


 桜乃氏に……怒られるで御座るかなぁ。


「楽羅蘭……お茶冷めた」

「良いで御座るよ母上、ずずっ……ふぅ、南雲氏に連絡するで御座るか」


 母上のお陰で、結構な時短になったで御座るが……はてさて、間に合うで御座ろうか。




 愉快な波夏草一家


 父 波夏草葛尾 (はかそう くずお)

 母 波夏草八女 (はかそう やつめ)

 娘 波夏草楽羅蘭 (はかそう らららん)

息子 波夏草奈具留 (はかそう なぐる)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ