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EP.30 迷子の迷子の.5



「遅いぞ花乃歌、何処行ってたんだ……あぁ、何と無く分かったわ」


 ラーメン屋さん閉めるの早かったんだね。待たせ過ぎて、レオンちゃんが若干不機嫌なんだよ。


「御免レオンちゃんっ、ミオンちゃんとお店を回ってたの」

「もふもふっ、ラーメン屋さん! 出汁の配合教えて下さいな!」


 ミオンちゃんストレート過ぎる……そんなに目をキラキラさせて、物凄くラーメンが好きなんだね。


「それで、何でコンビニに居た犬耳と花乃歌が、一緒に祭りを楽しんでるんだ?」

「レオンちゃん。立ち話も何だし、あそこのベンチで話すんだよ」

「ラーメン屋さん! 出汁の配合教えて下さいな!」


 ベンチに移動して、レオンちゃんにこれまでの経緯を説明。

 串焼き屋台の前で丸まってる姿は、ミオンちゃんには悪いけど、物凄く可愛かったの。


「……お爺ちゃんねぇ。花乃歌は人が良いと言うか、考え無しと言うか、迷子なら管理事務所に連れて行きゃ良いのに」


 そんな事したらさっちゃんと鉢合わせて、ミオンちゃん暴れちゃうと思うのさ。

 私的には、こんな可愛いケモ耳ちゃんに、怖い思いをして欲しく無いんだよ。


「ラーメン屋さん! 出汁の配合教えて下さいな!」


「なあ花乃歌……さっきからこの犬耳さ、何で出汁出汁聞いてくんだよ。目がマジだし、私の顔ガン見して来るんだけど……」


「ミオンちゃんは食通っぽいの。良かったら、配合比率教えてあげられないかな?」


 さっきから、機械みたいに出汁の比率を聞いているけど、どんどん頬っぺたが膨らんできてて可愛いんだよ!!


「あーすまんけど、配合比率は親父しか知らないんだ。私はただ、決められたお玉を使ってるだけだから、それなら見せられるぞ」


「お玉見るの! ラーメン屋さん優しいの!」


 何か、このままだとレオンちゃんの呼び方が、ラーメン屋さんで定着しそうだよね。


「ミオンちゃん。そのお姉ちゃんはラーメン屋さんじゃ無くて、レオンちゃんだよ」

「そういや名前言ってないな。野小沢麗音だ、宜しくな犬耳」

「犬耳違うミオンなの! ラーメン屋さんはレオン? 呼び辛いの……レオ!!」


 レオンちゃんはレオなんだね。

 私はカノ呼びだし、ミオンちゃんはお名前覚えるの苦手なのかな?


「んで、そのお爺ちゃんってのは何処に居るんだ? 周りを見た感じ、子供探してるっぽい爺は居なさそうだけど」


「そうなんだよねぇ……最終手段はあのコンビニに行って、迷宮へダイレクトインなんだけど、研究所の人達居るだろうし……見つかったら大騒ぎになっちゃうよ」


 本当に……こんな可愛いミオンちゃんを置いて、お爺ちゃんとやらは何をしてるのさ。

 私なら、何をしてでも探し出して、フルパワーで甘やかすのに。


 んっ? 今なんか……そうだ、私自身がさっき言った言葉。


 コンビニの迷宮は、研究所の人達に監視されてるのに、ミオンちゃんはどうやってここまで来たの?

 

「なぁ花乃歌……」

「うん、分かってるんだよレオンちゃん」


 これは……とても不味い状況でわ?


「ミオンちゃん。ミオンちゃんが、串焼き屋台まで来た道って、覚えてる?」


「覚えてるの! お爺ちゃんと逸れた場所!」


 覚えてたんだね……ここどこか聞いて来たから、迷子かと思ってたよ。もしかしたら、そこでお爺ちゃんが待ってるかもだね。


「花乃歌……」

「うぅっ、分かってるよレオンちゃん! ちゃんと聞いてなかった私が悪いんだよ!」


 はい……欲望に負けて、深く考えませんでした。でもね、ケモ耳モフモフの、可愛いミオンちゃんと一緒にお祭りを楽しめて、最高だったんだぁ。


「それじゃあミオンちゃん、お爺ちゃんと逸れた場所に行ってみようか」


「その前にお玉見せて下さいな!」


「そうだったな、ちょっと待っててくれ」


 レオンちゃん、閉めた屋台に走って行ったんだけど、若干楽しそう? 

 ミオンちゃんの可愛さに、心を鷲掴みされたんじゃあないだろうか。


「お玉ーお玉ーこーだわーりラーメン!」


 ミオンちゃんのラーメンに対する姿勢が凄い……ぬいぐるみソングから、ラーメンソングに変わってるんだよ。


「お待たせ、これが出汁を掬うお玉だな。豚骨用、鶏ガラ用、魚介用で大きさが違うんだ」


「三種の神器なのぉおおお! これが有れば! 自宅で拘りラーメンが試せるの!!」


 ミオンちゃんのテンションが今日一番っ!?

 少しショックなんですけど!?


「ははっ、変な奴だな。まるで花乃歌みたいだ」


「私はラーメンに、ここまでの熱意は無いよ?」


「ラーメンの話じゃ無いぞ。何かこう……性格と言うか、雰囲気と言うか、変に真っ直ぐなところが似てる……のか?」


 何故に最後が疑問系?

 こんな可愛いミオンちゃんと、無愛想な私が似ている……嬉しいなぁ。


「お玉…大きさ…向こうで作……材…難しいの」


「凄い集中力だな。そんなモンで良けりゃ、持って帰って良いぞ?」


「っ!? レオ! これくれるの!?」


「替えが有るし、ラーメン作りたいんだろ? 親父ならそこらへん気にしないし、別に良いぞ」


「──レオ有難うなの! 帰ったら早速、ラーメンを作ってみるの! カノもレオも優しいの! お爺ちゃんより大好き!!」


「ぶふっ」……鼻血が噴き出しちゃった。

 レオンちゃんも若干お顔赤いし、ミオンちゃんの『大好き』は破壊力抜群なんだよ。


「レオンちゃん、ミオンちゃん可愛いでしょ?」

「……コンビニで見た時は、危ない奴かと思ってたけど、やっぱりこの子、花乃歌に似てるわ」

 

 そんのに似てるのかなぁ?


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