EP.30 迷子の迷子の.4
さぁミオンちゃん! 射的のお時間だよ!
「すみませーん、一回お願いします(ピッ)」
「お前の玉を、狙い撃ち!」
『ひぇっ、どっどどうぞっ』
ミオンちゃん、お店の人に指差して言ったら駄目だよ。股間押さえて怯えちゃってるし、ミオンちゃんのお目々が獲物を狙う目なんだよ。
「さぁミオンちゃん、弾は三発あるからね。どれから狙い撃ちするの?」
「あのおっきな兎! 必ず仕留めるの……っ」
────パンッパンッパンッ────
んっ? 今ミオンちゃん何したの?
単発の空気砲なのに、ミオンちゃんが分裂して、弾込め、発射、水分補給して連射撃ちみたいになったんだよ!?
「兎さんは──尻尾が金具で固定されてる!?」
『げぇえええっ!? 糞っ、どうやって!』
「ミオンをカモろうなんて五年早いの! ヘッドショットを同じ箇所に喰らわせて、ひっくり返してやったの!!」
このお店はアウトな奴だ!
ここは大声で言うが吉だよ!
「すうぅぅぅっ、あっれぇえええ! 何でこのお店の景品わぁあああ! 金具で固定されてるのかなぁあああ!」
『ちょっ黙れ餓鬼っ! 痛い目に合わせるぞ!』
歩く人達がこっちを気にし始めたのに、頭が悪いお兄さんだよ。そっちがその気なら、こっちにも考えが有るのさ!
「ミオンちゃん、弾込め用意!」
「お前の玉を、狙い撃ち!」
「撃て──っ!!」
パンッパンッパンッ────『のひゅっ!?』
ふふふ、この台の上にはまだまだ弾がいっぱい有るし、玉を守っても狙える急所は、山程あるのさ!!
パンッパンッパンッ────『ぎゃあっ!?』
「ミオンちゃん、あの兎貰って行こう」
「悪は滅びたの……」
『股かっ…目がっ…ぐぞぉおおおっ……』
ちゃんとお兄さんの目の前で、付いていた金具を握り潰して、『ひゃぁっ!?』お兄さん自身に釘を刺しておいたんだよぉ。
「カノは力強いの、お姉ちゃん並みでびっくり」
「そんなに強いかな? ミノンちゃんの方が強い気がするけど……兎さん良かったね」
「この兎は、ミノンお姉ちゃんにあげるの。きっとお土産を、楽しみにしてるの」
とっ……尊いんだよ。
ケモ耳の女の子がウサ耳をむぎゅってしてる理由が、大好きなお姉ちゃんのお土産にする為だなんて……なら、私のやる事は一つ!!
「なら次は、ミオンちゃん自身のお土産を、ゲットしなきゃだね」
「やっぱりカノ優しいの、ぬふふ」
尻尾が揺れてるぅうううっ、可愛い!
私は一人っ子だから、こんな可愛い妹が欲しかったんだよ!
これは是非とも、お土産をゲットしないとだね。
あれは──巨大輪投げ!
ぬいぐるみも沢山あるし、あれならイカサマの心配も無いと思う!
「ミオンちゃん、あの輪投げやる?」
「輪投げ! 捕獲するの!」
なら行くんだよ!
巨大輪投げで、ぬいぐるみをゲットだね!
「すみませーん、一回お願いします(ピッ)」
「お前の玉を、捕獲なの!」
『あいよぉ。輪っか軽いから、力出さないと奥まで行かないからねぇ』
確かに、凄い軽い輪っかなんだよ。
普通の人が投げたら、あの奥に鎮座しているぬいぐるみ達まで届かず、前のお菓子に落ちちゃうよね。
でも──『奥の牛さんを狙うの!!』
ミオンちゃんなら、普通に届くんだよ。
バヒュッ──『捕獲完了しました!』
ほらね、牛さん簡単捕獲だよ。
『ほぁー凄いなぁ。あと一回投げられるけど、どうするんだいお嬢ちゃん?』
「なら隣の──パイソンなのっ!!」
バヒュッ──『捕獲完了しました!』
二連ちゃん!?
凄いコントロールしてるんだよ。
『良い肩してるねぇ。はいよ、牛さんとパイソンね』
「有難うなの! 牛さんもふもふ! パイソンはカノにあげる!」
「えっ、私に? そんな、気を使わなくても良いんだよ?」
ケモ耳ミオンちゃんが、ぬいぐるみをモフってる姿を見るだけで、私は大満足なんですけど。
「今日の御礼なの! パイソン嫌い?」
「嫌いじゃ無いよっ、有難うミオンちゃん! 大切にするからね!」
立派なとぐろを巻いた、パイソンのぬいぐるみを頂きました!
紫の石の隣で、ちゃんと飾っておくんだよ!
「牛さーん兎さーんもーふもーふさん!」
「何その歌、ちょっと楽しそうだね」
そうだっ、今何時……二十一時前だから、そろそろレオンちゃんと合流かな。
「ミオンちゃん、さっきのラーメン屋の前まで戻ろうか」
「分かったの! あの出汁の配合比率を聞きたいの!」
それは……教えてくれるのかなぁ。




