表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/68

EP.28 ちょっとした異変.2



 児童養護施設愛情会────

 表向きは何某らの理由で親と暮らせなくなった、又は親を失った子供達の保護施設。しかしその実態は、常人とはかけ離れた思考や異質な子供達を集め、異能の力を発現させる為の特殊機関である。


「はいはい皆さぁん、倒れたままだとぉ、踏み潰しまーすよぉ?」


 道着を纏い、優しげな声色を発しながらも、倒れる子供を容赦無く掴み上げ──投げ飛ばす。

 愛情会職員、十島重八代。

 終末の刻により両親を失い、とある理由から裏の機関に身を置く、施設の指導員の一人。

 施設の子供達から八代ママと言われ慕われるも、この手合わせの時間だけは、皆が恐れる化物へと姿を変える。


「ほらぁ、白瓦ちゃんもぉ、ちゃんとしないとぉ、また絞めて寝かせますよぉ?」


「ぐぅ、なぜ私だけ…こんな目に……ゼグだけゲーム三昧してるのに……不公平でしゅっ」

「白瓦ちゃん、早く立たないと。痛っ、八代ママは本当に踏んでくるからね」

「八代ママはこん時だけ怖いんだよなぁ。花乃歌姉ちゃんが居た時は、施設壊れるかと思うぐらい二人で暴れてたし」


 あらあらぁ、やっぱり白瓦ちゃんは起きれないのかしらねぇ。他の子達はちゃんと起きてるのに、やっぱりまだ早かったんじゃぁ無いかしらぁ。


「でもぉ、スキルは封印してるのでぇ、少しでも身体の使い方を覚えないとねぇ」


 緩やかに歩き、倒れて居るままの白瓦の頭を狙い、軽く──『ほぁ?』全体重を乗せて踏み込む!!


       ────ドンッッッ────


「あらぁ? ちゃんと起き上がれましたねぇ、偉い偉い」


「おまっまままマジで殺す気でしゅか!? 床っ床に穴が空いてるでしゅよ!?」

「あっぶね……八代ママ、何か日に日に強くなってるよなぁ」

「夜に地下で訓練してるみたいだよ。私達には絶対見せてくれないけど、熊や虎と組手でもしてるのかな……」


「ふふふっ、熊さんや虎さんとならぁ、私が小さい頃に良く遊びましたよぉ」


 懐かしいですねぇ……熊さんに抱き付いて腰を圧し折ったり、動物園の虎さん達の餌を奪ってからぁ、良く鬼ごっこしてましたからねぇ。

 今度動物園に遊びに行こうかしらぁ。


「熊や虎と遊ぶって何でしゅか!?」

「八代ママ冗談だよね!?」

「俺、冗談のつもりで言ったんだけど!?」


 あらあらぁ、熊さんや虎さんぐらい倒せないとぉ、私には一生、敵いませんよぉ。今度は熊さんとぉ、組手させようかしらぁ?


「はいはい、休憩は終わりですよぉ。それじゃあ続きですねぇ──あらぁ、地震?」


 施設が少しだけ揺れている。

 ほんの少し──それこそ、水面に木の葉が落ち、緩やかな波紋を描く様な、ほんの少しの揺れ。


「……気味が悪いですねぇ」

「隙ありだ八代ママ! (パシッ)うげぇっ、これも駄目かよ!」


 御堂君が拳を突き出して来たけどぉ。まだまだですよぉ。お腹を狙うのならぁ、ちゃんと腰を入れないとぉ。


 掴んだ腕をそのまま引き付け『うわっ!?』腰を低くして、肩を御堂君の腹に添えて、勢いをつけ──投げて床に叩き付ける。


 べキィッ──「ぐへぇっ!?」


「うひっ、あいつ死んだでしゅ!?」

「白瓦ちゃん、あれぐらいじゃ死なないよ」


 そうですよぉ。

 ちゃんと頭を打ち付けない様に投げましたから、『ぐぅぅぅ背中がぁぁぁっ』痛みでのたうち回る程度ですぅ。


「それじゃぁ今日はここまでぇ。あとは各自に自習ですねぇ」


「おっ、終わったでしゅ! ゲームの時間でしゅ!」

「白瓦ちゃん! 自習だからね!」

「ふっふふたりともぉぉぉ、助けてっっっ」


 さてぇ、さっきの地震……少しだけ調べてみようかしらぁ。




「えっとぉ、震源地はどこかしらぁ、ぽちぽち」


 今だに機械を触るのは慣れないわぁ、下手に触ると直ぐ壊れるしぃ。何回も壊しているからぁ、総務の人に怒られるものぉ。

 震源地は……あらあらぁ、日本だけじゃ無くてぇ、世界で同時刻に起きたみたいねぇ。


「予兆かしらぁ……まぁ、分散してくれた方がぁ、あの時の様な事にはならないからぁ、助かるんだけどぉ」


 またぁ、終末の刻の様な大災害となればぁ、今度こそこの国は沈むものねぇ。


「それでもぉ、何処かで湧き出たらぁ、大惨事になるわぁ……」


 特に不味いのはぁ、『知性』有る魔物よねぇ。

 一匹だけでもぉ、機動隊だけじゃぁ潰されちゃうものぉ。

 少しだけぇ、見回りを強化しなくちゃねぇ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ