黒の星 ディレイ
「……ジッジジ…ライラ、聞こえるか?」
「はいよ」
「今回は 惑星A-7.4 ディレイ を6年前の姿に戻すことだ。瓦礫、肉塊に血の跡。特に大気汚染が酷い…」
「それで」
「支給品は…次元炉に、時空管理局から借り受けた投影機、旧神信仰の信者共から奪い取ったザインの右腕に…あぁいつもの歩を3000体ほどだな。」
「簡単に説明しろ」
「………無限に使えるゴミ箱と過去が見えるメガネ、意のままに扱えるデカイ腕、それといつものゴーレムを大量にだ。」
「それで、何時までに?」
「…言いにくいんだが…」
「早く」
「2ヶ月だ。」
「わかった」
「…君にはほんと、頭が上がらないよ。」
「切るぞ」
「あぁ…それじゃあ
其の旅に実りがありますよう。
得るものがありますよう。
暗き記憶に夜明けがありますよう。」
いつもと変わらない言葉を境にトランシーバーから声が途絶える。
独特な匂いを放つ古びたポットに慣れた頃、視界が黒い海から火の赤に変わっていく。
心臓ごと揺れるほどの爆音と衝撃が俺を眠気ごと仕事場に連れてくる。
ポットから外に出るとほんの一瞬、瞬きをするのを忘れるほどの火と焼き爛れた肉の匂いが脳を突き抜ける。
どれほど惨劇な出来事が起きたか容易に想像出来る。
現在時刻16時
仕事を始める。