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第一話『夜明けのシュルル』


 港町ブラックサンの朝は早いです。

 夜明けより少し早くに人々の営みが始まります。


 私のお店『アイ・ミート・ユー』は、そんな潮風と焼き立てのパンの香りが織り交ざる、パン焼き屋通りの一角に開きました。ぜひ、一度来てみて下さいね♪


 箒と塵取りを持って表通りに出ると、ご近所のパン焼き職人さんたちとお顔を合わせます。それが私の日課なんです。


「お早う、シュルルちゃん!」

「トーマスさん、お早うございます! 今日は良い天気になりそうですね!」


 建物の前には薪が積み上げられてて、皆さん、それを運び込んでいます。

 竈はぼんぼん焚かれて、屋上からにょきにょき生えた煙突から、黒い煙がもくもくとたなびいて、薄明るい空からお星さまを追い散らしてるみたい。


「おう! お早うさん!」

「お早うございます! カナックのお爺さん! お腰は大丈夫~?」

「がははは! お陰様で、今朝はぴんぴんじゃよ!」

「わあ~、良かったですね!」


 お隣の親方さん、荷車を引くお爺ちゃん。そんなみんなと元気良く挨拶を交わす明るい少女。

 シュルルは今日も元気です!



 明るいハニーゴールドの豊かな髪を後ろに軽く結び、青い瞳は宝石の様。柔らかな笑みを浮かべる唇は、バラの様にみずみずしい真紅。赤いワンピースのスカートを大きく風にたわませ、時折覗く白い脚はすらりと長く、その胸元はほっそりとした腰のくびれと好対照に、たっぷりたわわに実っている。


 開店準備をしながら、店先でくるりと一回転。


 うん! 今日も良い感じ♪


 でも、私、実は人間じゃ無いんです。

 ここだけの話。一般的にモンスターって言われる『ラミア』なんですよ。

 上半身は人間で、下半身は蛇の。

 え? 綺麗な脚が見えるって?

 ありがとうございます♪

 これって、実は幻覚魔法なんですね~。


 私、実は探索者上がりの、幻影魔法使いなんです、って言ったら信じます?


 あ、元々荒野で狩猟生活していたから、レンジャー&ハンター→シーフ&エクスプローラー→アルケミスト&ソーサラーって感じかな? そして、今はお肉屋さんです! 正確には、ちょっと違うけれど。


 話せば長くなる事ですから、これまでの事を、ちょちょいとはしょってお話しようと思います。

 宜しかったら、暫くの間、お付き合い願いますね♪



「カクヨム」投稿作品です。こちらには手直ししつつ、毎日一話ずつ更新して行こうと考えています。


どうぞよろしくお願い致します。

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