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#7 “ゲ―ムオ―バ―”

俺達四人は、森から西へ抜けていった。


抜けた先には確かに炎の世界が広がっていた。

地面が石でできており、ところどころにヒビが割れている。

()っしられた岩があり、いかにも熱そうだ。

視界の端には、踏んだら即死しそうなマグマが流れていて――――!?


俺は目を疑い息を()む。


「なんだよ、これ……」


俺は信じられない光景を目にした――、


さっきのカロンに生えてあったような、“()”が生えていた。

しかも、そこら中にだ。

更には、マグマの下から生えている樹まである。


……マグマの中を泳ぐワニや樹を登るサルやリス、枝に巻き付いているヘビなど、

とてもカオスな状況になっていた――。


意味がわからない、なんなんだこの状況は?

バグだとでもいうのか? それとも俺の設定ミスだとでも?

マグマの下から生えている()は燃えもせず、普通に立っていた。


「ちょっとここ暑すぎるですわ! あついあつい! 熱い暑いですわ――ッ!」


俺は訳のわからないまま歩き続け、炎の町に向かっている途中――


「ちょっとっ! どうして無視するのですのよ―!」


コ―デリアは暑いのが苦手らしい。


「……ハヤト様、あそこに魔物がいますわ!」


リシテアとレアはそれに反応し言った。


「岩の形をした魔物ね!」

「さっさと片付けちゃいましょうっ!」


少し離れた場所に小さな巨人がいる。

岩の形をした小さな巨人――《ロックマン》は、レベル6だ

移動速度は遅いが、攻撃力、防御力共に優れたモンスタ―だ。


遠距離にいると地面から拾った岩を投げてきて攻撃してくる。

近づくと重そうな岩の腕を振り下ろしてくる。


腕を暫く攻撃すると部位破壊――が発生し、大ダメ―ジが発生し、

レベル6の俺達の火力なら一撃で仕留めることができるだろう。

しかし、腕以外には殆どダメ―ジが入らない厄介なモンスタ―で、数は五体いるようだ。


◇◆◇◆


コ―デリアのステ―タスはこうだ。

 

コ―デリア:レベル6


クラス:ヒ―ラ―


HP:570


MP:800


属性:光


得意武器:杖


スキル:《ライトヒ―ル》

【効果】対象者一体に対し、HP500の回復効果を与える。

     HP回復:小

【コスト】MP400消費


「あの岩型の魔物の弱点は腕だ、腕を切り落とすぞ。 みんな準備はいいか?」

「いつでもいけるわよ!」

「わたしも、いけますっ」

「準備完了ですわ!」


◇◆◇◆


俺達は武器を構え――ロックマンに突撃した。

ロックマンは、前衛の俺とリシテアに向かって、岩を放り投げてくる。

ものすごい速さで岩が飛んできた――。


俺とリシテアは装備している武器で、岩の攻撃を防ぐ――。

だが、ロックマンの岩投げ攻撃は強く、防御態勢をとってもジリジリと、HPが削られる。

さらにロックマンは地面から岩を取り出し、ニ投目を投げてくる。


それを俺とリシテアは武器で防ぐが、少しずつ、HPが削られる。

これだとキリがないので俺はリシテアに言った。


「リシテア、奴の攻撃が止んだスキにニ人で突っ込むんだ!」

「わかったわ!」


ロックマンは三投目を投げてきた。

俺とリシテアはそれぞれの武器でガ―ドする。

だが、さらにHPが減ってゆく……。

残り七割か……まだいけるな。


俺はリシテアの方をチラッとみて言った。


「今だ! 突っ込め!」

「了解! りゃぁああああ!」


リシテアはロックマンに向かって突っ込んでいった。

俺は後ろにいるニ人に向かって言った。


「俺はリシテアの後を追う! レアとコ―デリアは後方から援護を頼む!」

「わかりましたお兄ちゃん!」

「援護は任せるのですわ!」


俺は、リシテアの後を追うように突っ込んでいった。


リシテアはスキル《ウィンドスピア》を発動し一体のロックマンの腕を狙い、腕が外れ――

一体のロックマンが倒れた。

すぐさまニ体目のロックマンの腕に攻撃を仕込もうとするが――、

ロックマンがリシテアに向かって腕を振り下ろす。


「リシテア! ()けろ!」


リシテアは回避運動を取ろうとするが、間に合わず――


「きゃああああ」


リシテアはダメ―ジを受け、その場で倒れた。

リシテアのHPが残り3割になったのを見て俺は言う。


「しまったっ!」


「《ライトヒ―ル》!」後ろから呪文を唱えるコ―デリアの声が聞こえる。


リシテアのHPが大きく回復する。


――でかしたっ!


「ナイス回復だ、コ―デリア!」

「コ―デリアちゃん、助かったわ!」

「こんなの当然ですわ!」


起き上がったリシテアはすぐさまロックマンの腕に対し槍で突く。

ロックマンは倒れ、ドスンと大きな音が鳴り響く。


俺は言った。


「残り三体――!」


俺もロックマンに向かって突っ込み、腕に向かってスキル《三連撃》を叩き込んだ。


残り二体――!


二体のロックマンがじり、じりと俺の方に近づいてくる。


左に一体、右に一体。


俺は最初に左の一体を片付けようとして、突っ込んだ。


だが――、


後ろにいたもう一体のロックマンに殴られた。

――俺のHPがみるみる減っていく。

そして、今まさにロックマンの第二撃が俺に向かって振り下ろされた時――


これはまずい。


やられる。


やられたらどうなるんだっけ?


そうだ、()()()()()()()状態になって……。


――どうなるように設定したんだっけ?!


俺は何か大切なことを思い出したような気がしていた。


いろいろと考えてたとき、レアの声が聞こえた。


「《スパ―ク》!」


レアは攻撃魔法を唱えた。

レアのスキルによりロックマンの腕が落ち、ズドンと倒れる。


その直後、コ―デリアのスキル《ライトヒ―ル》が発動し、俺は回復した。


「大丈夫ですか? お兄ちゃん!」

「ハヤト様、大丈夫ですの?」


とことこと、俺のほうに駆けつけてくるレアとコ―デリア。


「さんきゅ―。レア、コ―デリア!」

「大丈夫ですかっ?」

「フ、フン、当然のことをしたまでよ!」


そうこうしているうちにリシテアが最後の一体を片付けてくれたようだ。


リシテアは俺のほうにやってくる。


「なんとか倒せたみたいね」

「とても手ごわかったですっ」


コ―デリアはロックマンの残骸を見て言う。


「あの魔物、なかなかやるじゃない。まっ、私たちよりは弱いみたいですけど」

「あの岩の魔物は俺達の連携には及ばなかったようだな」

「そうですねっ」


リシテアはみんなを見て言う。


「さあ、岩の魔物も片付けたことだし、炎の町《マ―キュリ―》

 までいきましょう!」


「「お―!」」


UIを見てみると、レベルアップ! と表示されていた。

どうやら、さっきの戦闘でレベルが4人とも1上がったらしい――

更にUIを見ると、四人ともスキルを新たに獲得しているようだ。


内容は……。


ハヤト

スキル:《ジャンプアタック》

【効果】高く飛び上がり、そのまま落下攻撃をする。

     ダメ―ジ“小”

【コスト】MP:500消費。


リシテア

スキル:《ウィンドダッシュ》

【効果】体に風をまとい、30秒間移動速度上昇効果“小”

【コスト】MP500消費。


レア

スキル:《ライトニング》

【効果】杖から大量の雷を放ち、前面にいるモンスタ―全体にダメ―ジを与える。    

    ダメ―ジ“極小”          

【コスト】MP620消費。


コ―デリア

スキル:《ライトフォ―ス》

【効果】敵一体に対し、杖から光のエネルギ―を放つ。

    ダメ―ジ“小”

【コスト】MP650消費。

  


スキルを一通り確認し、メニュ―を閉じる。

そして俺達は《マ―キュリ―》に向かった。

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