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#6 聖なるヒ―ラ―。コ―デリアですわっ!

俺は《カロン》という森を観察した。


ざわ、ざわと揺れるように動く樹きがそこら中にある。


空気感も、森に着く前とは違う気がした。




樹の周りには虫や、小動物たちがそこら中にいるようだ。


殆ど光は無く、森の中はとても薄暗い。




俺達は更に森の奥へと進んでいく。




「きゃあああああ!!」




――遠くから、叫び声が聞こえてきた。




「今、声が聞こえなかった?」




リシテアは声が聞こえた方向を向く。




「誰かが叫んでいるように聞こえますっ。あっちから聞こえてきましたっ」




レアは不安そうにしながら東の方向をを指差す。




「行こう!」




俺達は急いで声がした方向に向かった。





◆◇◆◇





森の奥は迷路みたいになっていて、


今どこを歩いているのかがわかりづらい。


叫び声の方向へ谷を下って歩き続け、十分ほどが過ぎた頃――、




そこに蜘蛛型のモンスタ―に襲われている少女がいた。


少女は俺達の装備ををみて叫ぶ。




「あなた達強そうですわね! 早く助けるのですわ!」




俺は少女を見て言う。




「待ってろ! 今助けるからな! リシテア、レア! あの娘を助けるぞ!」




「「はいっ!」」




俺達は武器を構え戦闘態勢を取る。


あの蜘蛛型モンスタ―の名前は《スパイダ―》。


スパイダ―のの数は八体。




レベルは7で、弱点は背中にある。


そこを狙えば大ダメ―ジを狙えるはずだ。


蜘蛛たちは俺達を取り囲む。




「弱点は背中だ! みんな背中を狙え!」


「わかったわ!」


「はいっ」




俺は背中を狙い1匹のスパイダ―を倒す。


ニ匹目のスパイダ―にはスキル:《三連撃》を叩き込み速攻で倒す。




「あと六体……いける!」




《ウィンドスピア》!と叫んだリシテアは槍に風属性を付加させ、


スパイダ―を仕留めていく。


続いてレアも魔法スキル:《スパ―ク》を発動させ、残りのスパイダ―を仕留める。




「ふぃ……これで倒しきったな」


「わたしは疲れました……」


「私もぉ〜」


「でも、これだけの蜘蛛を倒したのですからっ。蜘蛛の糸もいっぱいですっ!」


レアはそう言う。




「ああそうだな、あとで、村に蜘蛛の糸を届けに戻ろう」




すると、さっきモンスタ―から逃げていた少女がこっちへやってきた。


少女は俺達を興味津―というような顔で見て言った。




「貴方達、すごく強いのね! とても感激しましてよ」


「あなたはだれですかっ?」




レアは少女に問う。




「わたくしは《コ―デリア》ですわ! 貴方達の名前は?」




見つけたぞ! 三人目の美少女っ!


貴族のような服を着ていて髪と瞳の色は黄色だ。


いつもお嬢様口調で喋る設定である。




「私はリシテアというのよぉ。そして彼女が……」


「レアといいます。リシテアさんを姉のように慕っていますっ」




続けてレアは俺を見て言った。




「彼はハヤトさんといって、とても頼りになるお兄ちゃんなんですっ」




金髪の少女は俺を見て言った。




「助けてくれてありがとうですわ、ハヤト……様。と、リシテアさんとレアさん」




様付け?!




「で、でも別に感謝なんかしてなんだからねっ!」




で、出た―! ツンデレの定番セリフっ!




「ところで貴方達に相談がありましてよ?」


「おう。なんだ?」


「この森を西に少し進んで森を抜けた先に、


 あ・ち・こ・ち・が・マ・グ・マ・で・出・来・た・《ヴィ―ナス》と呼ばれる場所がありますの」




なるほどな……。




「そのエリアを上に登っていった先に炎の町がありまして」


「ふむふむ」


「その町のすぐ近くにとっても大きくて強い、凶暴な鉄の巨人がいますの」


「ほう?」


「それを倒していただけないかしら?」




それを聞いた俺は言った。




「ああ、もちろん行ってもいいぞ」


「行ってくれるのですね。感謝ですわ」 




コ―デリアは仁王立ちをして言った。




「もちろんっ! 貴方達だけじゃ心もとないでしょうから私も貴方達といってあげても――」


「ああ、じゃあ行って来る。リシテア、レア、行くぞ」


「向かいましょう!」


「炎の町へレッツゴ―! ですっ!」




俺達は西へ歩き出した。




「ちょちょちょちょちょっと! 私の話をちゃんと聞きなさいよ!」




俺達を遮るように、少女は走ってやってくる。




俺はとぼけた。




「どうしたんだ?」


「ど、どうしたじゃないわよ!」


「ん?」


「私もっ貴方達にっ同伴するって言っているのっですわっ!」




俺達は無視し、更に西へ歩き出した。




「――――—っ!」




少女は慌ててこう言った。




「どうか、私を、連れていってください! お願いしますですわ!」


「しょうがないなぁ。そこまで言うなら一緒に行ってあげようか?」


「一緒にいくのですわ……ハヤト様」




と、少女は俺に近づき……。




頬にキス、された。




「――――」




俺の視界は真っ白になった――。




「……フンっ! さっさと炎の町に行くわよ!」




視界が回復してきた頃。


俺達は炎の町に向かったのだった――。

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