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第三章「黄金の太陽はまた昇る」 十九話



 意識の途絶えた彼は、いつの間にか電灯の消えかかった長い廊下を歩いていた。この廊下は仲間内(子供たち)の間で一番通りたくない場所だと誰もが言う。今からやることは、教育を受けていない彼にも悪しきことだと本能の部分で理解はしていたし、何より今から行われることが彼個人、嫌で嫌で仕方ないことだった。

 ――これは、青年の古い記憶であった。

「合図とともに銃を組み立てろ。組み立てたら引き金を引け」

 長い廊下の果てにあるのは少しだけ大きな円形の部屋だった。向かい合わせの机が二つ、照明も二つ、ばらされた銃も二つ、そして子供も二人。たった一つなのは、この場にいる大人だけだろう。その大人から二人の子供はそう言われる。組み立てろ、撃て、説明はそれだけだった。

 大人が子供たちに合図を送ると、二人の子供は必死に銃を組み立てる。何度もやらされた作業をいつもより真面目に手早く、途中焦って数回ほどミスもするが……それでも早く早くと人の命を奪う形を組み立てていく。

 そして、彼の銃が組み上がり、構える。一瞬だけ迷った。引き金を引くことに、でも“恐怖”から彼は奥歯を力強く噛みながら、引き金を引いた。思いの外、引き金は軽かった。


「あ……」


 無我夢中で引き金を引いてから、彼は気が付いてしまった。相手も迷っていた。自分より早く銃を組み立てて、自分より長く迷っていた。

 どさり、土を入れた袋でも倒れる音がする。中からは土ではなく赤い水が、中身には赤いぶよぶよが、細長い白い石が――それはついさっきまで、彼の友人だったもの。

 大人は怒った。彼が友人を射殺したことではない。殺した友人より銃の組み立てが遅かったことをだ。だが最後に、引き金を引く躊躇いがそれほど無かったことを、少しだけ褒めたのだった。


「……」


 彼の中で、後悔が膨れ上がる。死ぬべきは自分だった。なんで、友人は長く戸惑ったのに自分は戸惑えなかったのか、なんで、なんで、そんな疑問の言葉が心の中の赤い風船を膨らませる。

 そして、その頭の中にある赤い風船は破裂し、幼き日のアラムは溢れる様な血の涙を嗚咽交じりに流したのだった。



「ぁああああ!」


 背中にバネが付いていたかのように、彼は叫びながら飛び起きた。被せられていた薄い布団をはねのけてベッドから転がり落ちる。暴れて体をベッドを何度も叩きつけ、それでも先ほどの悪夢から逃げようとする。この苦しみから逃れる何かがないかと青年は必死に部屋の中を探す。

 でも目が上手く機能していなかった。いや、機能してないのは頭の方だろう。とりあえず水を飲みたかった。ふと、大きな入れ物が目に入る。あれには水が入っていると混乱している頭で理解する。

 すがるように箪笥の上にあったそれをつかみ取る。邪魔なものが落ちてきて顔に当たるが、青年はその水の入っていた入れ物からそれを引き抜き、やっと水を飲もうとし――。


「ぶぅ!」


 舌からの忠告を素直に従い、その水を噴き出した。どうやら青年が飲んだのは花瓶の水らしい。さきほど引き抜いたのはそれに入っていた花だったようだ。


「……おぉっ!」


 少し飲んだ水を吐き出す為に嘔吐を一度、それで落ち着いたのか、ぼぉーと青年は部屋を見渡していた。今は昼らしく明るい。窓を見れば白い雲の峰と蒼穹がある。少し汗は流すだろうが出かけたならば気持ちの良い散歩ができただろう。

 すると、誰かが慌てて部屋に入って来た。見覚えがある。彼は青年が助けた子供だった。だがいつも持っていた父の形見であるあの剣が無かった。

 まぁそれはいい、とにかく王子の前だ。しっかりしなければ、という意識だけで、青年は無理やり顔に平常心を張り付け、平静を装いこう言った。


「あ、おはようございますシャムス王子、あの剣はどうされたのですか?」


 そうアラムが口にするとシャムス王子が呆気にとられる。何か、自分は場違いなことを言ってしまったのだろうかと青年は悩み、そういえばこの部屋の惨状は誰が見ても驚くなと勝手に納得した。


「だ、誰か! 誰か!」


 シャムス王子は大声で人を呼びに行った。それをアラムは止めようとするが、うまく体と口がとっさに動かない。怠い、とにかく怠惰感で死にそうだとふらりと倒れかけて、そこでようやく青年は自分が寝たきりだったのだと悟ったのだった。





「うむ。錯乱していたと聞いたが、まぁ見た感じ大丈夫そうだな。脳が無事で良かったぞアラム。しかし寝起きそうそう暴れたそうだな?」

「ええ、ちょっと夢見が悪かったので……」

「……そうか、いつもの悪夢か。なるほどわかった。で、腕の調子はどうなんだ?」

「新しく生やしたなんて信じられないぐらいしっかりしてますよ。まぁー、皮膚の色が色白すぎて左右で色が違うのは、少し気持ち悪いですが」


 青年は通信機で自分の養母とそう話す。

 あの後、暫くしてからシャムス王子が連れてきたのはガウハルであった。

 双角の魔王は部屋の惨状を一目見て何かを察したのか何も言わず青年をベッドの上に戻し、この島に似合わない科学の結晶とも呼べる端末でバイトのファナール船長へと連絡を取った。貴殿の息子が無事に目を覚ましたと、開口一番そう告げた。

 通信機を通し、状況確認が行われる。

 ファナール船長は最初に彼が気を失ってからのことを説明した。グレネードからシャムス王子を庇い捻じ切れかけていた腕が完全に千切れたこと、その後すぐに助けに来ていたサルジェが応急処置、彼を戦いが終わっていた城へと運び、転送にアラムが耐え切れないと判断、バイトから医療チームを派遣、腕を再生させて体中にあったグレネードの破片も除去したとのことらしい。


「修道女とカーインめが随分と心配していたぞ。今は城にはいないが、後で心配をかけた謝罪をしておけ、栗毛」


 と、ファナール船長の話が終わると同時にガウハルがそう説明に付け加えた。よほどひどい状態で運び込まれたらしい。


「ああ、それとサルジェからだ。守りきれずすまぬ、とな」

「いえ、命を助けて貰いましたから、お礼を言わないと……それで、この戦争はどうなったんですかね?」

「まだ終戦に向け話し合いの最中、というところだ。今回の襲撃は敵国家内部の軍事部門を預かっていた者の暴走であり、今回の損害、まぁ軍事兵器を破壊したそちらに賠償を要求すると相手は言ってきている」

「なんですか……それ」


 信じられない、と言った表情でアラムは怒りをあらわにする。言うまでもないが、こっちは殺されかけたので抵抗しただけ、自分たちの命を守ったのに、賠償を要求だなんてそんなことは道理が通らない。


「まぁ待て、こちらにはラウフ(やり手)がおるであろう? 後はまぁ悲惨なものよ。弱小国家と侮りそんなことを口にした者は翌日に死刑、もろもろの軍強行派も死刑、取りあえず邪魔の者は死刑、そんな感じよ。代わりに複数の革命軍と民間から優秀な者を集めて国を立て直しているところらしい」

「死刑って……」

「国を立て直すのには血なまぐさいことをしなくてはならない段階、というものはある。まぁ、後でそれが新たな戦争の火種になりかねぬが……少し先の未来を見据えてのことだろう……それよりだ!」

「はい!?」


 と、ガウハルの見るからにテンションが爆上げになる。それに驚き背筋を伸ばすアラム。


「此度の戦利品があるのだ! 城の庭を見よ栗毛!」


 そう言われアラムは窓から城の庭を見る。そこでどうやらこの部屋は城の二階の一室だったのだと今更ながら理解し、外の物がなんなのか……までは理解できなかった。


「えぇ……なんです、あれ?」

「鹵獲した敵の飛行艇よ! いやな、六機ほど鹵獲したのだがバイトとの交渉の末に一機しか手に入れなくてなぁ。それに一番の戦果である超大型戦艦も没収されたが、まぁ我は今や平社員の立場、これ以上の我が侭は望めまい」

「いやいやいやいや! 残念がってますけどあんなのよく私物化できましたね! どんな交渉したんですかガウハルさん!」

「ふはははは! 大声で喜んでくれるか!」

「いえ! この反応は恐怖百パーセントですからね、僕!」


 とまぁ、子供ようにはしゃぐガウハルと通信機越しにため息を吐くファナール船長、何か青年が寝ている間にとんでもない事件(バカ騒ぎ)があったらしい。

 最終的にあの小型艇は最近手に入れたアラムの実験室(半公的施設)に収納。ちなみにガウハルのあれに乗り今すぐ遊びたいという要望はアラムが頑張ってなんとかうやむやにした。


「ああ、それでキレスタールさんとカーインさんは今どこに? 心配してくれたんなら早めに無事を伝えた方がいいですよね?」

「女人は全員、今は海で水着とやらに着替えて遊んでおる」

「ねぇねぇ、僕抜きで水着回とかひどくなーい! というか心配してくれてたんじゃないの!? え、今頃、海でキャッキャウフフってしてるんですか!」

「なんだ、水着回? というのはわからぬが提案したのは我よ。いや、あの二名が貴様のことが心配しすぎて見るからに切羽詰まってたのでな」

「あ、なんかぁ、そう言われますと怒り難い……」

「それより調子が戻ってきたか? 栗毛」


 言われ、アラムは元気に叫んでいる自分に気が付く。血液が体を滞りなく流れてきたらしい。


「ふん、人間よ。相も変わらず無駄に騒ぐ奴だ」


 と、外からの強い太陽の光が、何かの影に遮られる。もちろんカーテンではない。元気な青年の声を聞いて現れた、あの知将がその蝙蝠の様な翼で太陽の光を隠したからだ。

 そう、翼だ。人の体に大きな蝙蝠の翼を生やし、ロバの様な足を持つ元魔王軍、三将の知将、アーセファである。

 突然、異形が窓から現れたことにより体をこわばらせてしまう


「アーセファさん!」

「なんだ。我が名など記憶していないと思っていたが、特に印象深く記憶に刻まれることはなかっただろう? その矮小な記憶容量を無駄に使うとは、人間とは無駄が多い」

「ああいえ、印象に残ってますよ。ガウハルさんとの言葉ややり取りを聞いて、この人色々と仕事とか押し付けられて苦労してるんだなっと思ってましたから」

「……」


 と、アラムの言葉に一瞬、長年現れなかった理解者が目の前に出現したかのような安堵と驚きが交じった顔をする知将。それをガウハルはジト目で眺めていた。


「ほう、アーセファよ。苦労していたのか?」

「い、いえ! ガウハル様! そのようなことは! おのれ人間、我が忠を主に疑わせるなど、やはり人間は狡猾!」


 からかうガウハルの思惑通り、そんなオーバーリアクションで誤魔化す人間嫌いのアーセファさん。と、すっとアラムがベットに座ったまま頭を下げた。


「この度は協力してくださりありがとうございます」

「ふん、ガウハル様に頼まれてから出張ったまで、それに我ら三将が駆けつけた時にはすでに事が終わりかけていたわ。過剰戦力にもほどがある。あのサイカとかいう――」

「アーセファ、栗毛は意識が回復したばかりだ。あまり多くの情報を与えぬほうが良い」


 と、サイカの事を口走った瞬間、ガウハルが会話を止めた。サイカ本人とカーインはサイカが条件次第でガウハル並みの強さになれることを黙っていた。怖がりなこの青年が、サイカという人間に恐怖心を抱かないか心配してだ。

 戦時中、そのことをキレスタールには言ったが、ガウハルには話してない。しかしそこは魔王様、なんとなく察していたらしい。そして知将もまた、ガウハルの言葉で察しそれ以上はサイカについて何も言わなかった。


「……まぁ、仕事はあったな。あの船の鹵獲をガウハル様により承り、無理難題を言いだしたと――」

「ほう、また、無理難題を、な」


 無理難題、と言われてガウハルが反応する。と、アーセファとアラムの目が交差し、二人とも冷や汗をかいた。悪魔は自らの失言に、青年は来るべき未来を予見して、だ。


「おのれぇ人間! また謀ったな!」

「あのぉ! 僕ぅ何もしてないと思うんですけど! 怒られても困りますぅ!」


 実は三将の中でお笑い適正が一番高いのはこの知将では無かろうとかとアラムが疑問に思い出した頃、今までこのノリについていけず無言を貫き通していたシャムス王子が小さな声を絞り出した。


「あの、アラム殿と二人で話がしたいのですが……」


 その一言共に窓から吹いてきた風が、頬を撫でた。窓から流れ込んできた風は土と海の香りを混ぜていた。そんな自然の風に鼻孔をくすぐらせながら、青年は脇にいた王子の顔を見る。


「え、と……話とは?」

「うむ、船長殿、どうかこの話は二人のみにしていただきたい。我は先んじて失礼するとしよう。アーセファもついて来い。バカンス、というものを満喫するぞ!」

「御意!」


 そう言って、マントを翻しすぐさま退室する双角の魔王と知将。バカンスという言葉に呆気にとられなながらも、ファナール船長は優しい声色で王子に質問した。


「シャムス王子、二人だけで会話をお望みですか?」

「……できれば」

「わかりました。アラム船員、くれぐれも失礼の無いように。ではシャムス王子、失礼します」


 その一言に口を尖らせるアラム。信用無いなぁなんて思いながら、死なずに王子奪還を約束して、こうして死にかけてベッドの上にいるのだからその忠告も当然かと考えを改め苦笑いした。


「それで、えっと……話とは?」

「……なぜ、私を助けてくれたのですか?」


 それは、まっすぐな質問だった。なぜ命を賭けてあの場に現れ、自分を守ってくれたのか? 当然の質問である。なぜなら――。


「あなたと私は知り合って間もない。それに、あなたは臆病だと聞きました。あなたが眠っていたここ数日、ガウハル殿から王に必要なことを色々と勉強させていただいている中であなたの人となりを聞きました。職務に命を捨てるような御仁では無いと……なのに、なぜ?」


 ガウハルに教えを乞うなどなんという帝王学の英才教育なのだろうと思いつつ、先ほどのあの魔王の行動を振り返った。きっとこの質問を王子はガウハルにもしたのだろう。そしてその答えはアラム自身から聞くべきとも言われたのだろう。


「……」


 青年は考える。窓から青い海と空は素晴らしいものだ。この短い期間で青年はこの島の人を好きになりかけていた、しかし命を賭けるほどのものではない。キレスタールやサイカのように島の人たちと触れ合っていれば違っていたかもしれないが、彼はこの島に来てから基本引きこもりだ。

 だから、やはりというか。先ほどの夢がその答えなのだろう。


「シャムス王子、僕はですね。それほど立派な人間ではないんです」

「……それは、どういう?」

「先ほどの答えです。僕はきっと、あなたの父を殺したあの義手の男と同じ側の人間なのでしょう」

「そんなことは!」

「いえ、事実、僕は過去、友をこの手で殺しました」

「……あなたの過去に何があったのですか?」

「すみません……それを今語り出すと、僕は吐いて寝込んでしまうんで。それに人に軽々しく話せる内容ではないのです」


 詳細は話せない。話せばシャムス王子は自分を同情してくれるだろう。だが、それを青年はしなかった。ズルとでも思ったのだろうか?


「あなたが? そんな人には見えません……けど」

「いえ、殺したんです。そして、ついさっきそれを夢で見ました。だから取り乱してたんです」

「……後悔してるのですか?」


 遠慮がちに、そう訊ねられる。それに「そりゃぁ、もう」と肯定しながら、青年は言葉を続けた。


「だから、罪を償いたい……と、いうのは違います。他にも色々と辛いことがあって、その友人と同じ年ぐらいの子供が死ぬのは僕のトラウマなんです。多分、あの夜に暗い森を我武者羅に走って、あなたを救いにいったのは、いけたのは、それがあるからです」


 それが、青年の答えだった。あれはエゴであったと彼は語る。だから青年は自分を立派な人間ではないと前置きしたのだろう。


「……それでも、私はあなたを……アラム殿を尊敬します。あの時に私を救ってくれたあなたを」


 軽蔑されると考えていたのだろう。落胆されると思ったのだろう。だから、思いもよらぬ返答に青年は驚く。そして何も言えないアラムに、シャムス王子は言葉を重ねた。


「アラム殿、僕と友人になってくれませんか? 死んだその御友人の変わりとはいきませんが、私はあなたのことを知りたい。恩人であるあなたのことを、知りたいんです」

「でも、僕みたいな人間、あなたと友達になる資格なんて――」

「あります。ありますよ」


 再び、柔らかな風が部屋を満たす。それは二人の髪を撫で、二人の気持ちを落ち着かせた。


「きっと、あなたは過去の過ちを犯した時から成長し変わったのですから、あります」


 ふと、青年の瞳から涙が零れた。青年は王子の命を救った。だがそこに情があったのかと言われれば違う。なんとなく、人が死ぬのは嫌だが、それに自分の命を賭けてまで阻止するほど、この青年に気概は無い。


「きっと、あなたのその友人も、貴方を許してくれていると、私は思います」


 だから、あの夜にこの王子を助けられたのは、この青年の昔のトラウマや、後悔の念という後ろ向きな理由だ。


「父だって、今ここに生きていたら、そう言うはずです。過去は知らない、でも、今のあなたは、その友人に胸を張れる、立派な人間に成ったのだと」


 でも、それでもシャムス王子は言葉を尽くす。


「先祖代々の、そして父の形見であるあの黄金の太陽の剣に誓い、このシャムスがあなたを、多くのこの島の民が、あなたとその仲間を、恩人であり永劫の友であると、子々孫々に語り継いでいきます」


 青年はまた、窓を見た。ここは城の二階で、遠くまで風景が見えた。雲一つ無い蒼穹そうきゅうが、大海を煌めかせる。そして生命力が満ち溢れた熱帯の森から、鳥が飛び立ち、青へと消えていく。


「ああ……ありがとう、ございます」


 確かに彼は命は奪った、だが今回は救った。それでマイナスを帳消しにできた、というほど命が奪う罪というのは単純ではない。でも、それでもだ。確かにその王子の言葉は――。

 ふと、窓を向きながら、服の袖で青年は顔を拭った。

 これから帰還までの短い時間、青年と王子は多くを語りあうのだろう。そして、いつかこの王子は黄金の太陽と呼ばれた尊敬する父をも成しえなかったことをやり遂げる。

 外の国と大きな戦争をした。これからこの島において波乱の歴史になるのかもしれない。それでも、きっと大丈夫だろう。

 ここに、未来を見る一人の王子がいる。

 偉大な父が残し、島の未来を作る若い命が、今もその鼓動を響かせている。

 そしてその命を、死んでいったこの王子の父が守った宝を、この青年が確かに繋いだのだ。

 だから、これは推測でも憶測ではない。確信に満ちた言葉で、アラムはこう言える。

 この国の遠いような近いような未来で――きっと、黄金の太陽はまた昇る。



終わり

次回更新は未定です。

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