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第二章「彼ら彼女らの日常は騒がしい」 十三話



「死にさらせぇ!」


 物騒な声が訓練場内に響き渡り、強烈な突きが繰り出される。技を放ったのは無論赤毛の女剣士だ。

 体に熱を貯め、体温の上昇から皮膚を焼きつつ身体能力を無理やり上げ続け、その限界値に寸前で維持。岩をも貫くその一撃は日々その技巧を研ぎ澄まし怪物の胴体と喉を貫く秘剣を放つ。されど――。


「やはり動きが単調すぎる。一つのことを極めようとするのはいいが、極めるというのは一つの技であろうとそれであらゆる状況に順応する柔軟さあってこそ、未だ練度不足と知れ」


 僅かとはいえ、昨日よりも威力の上がっているその渾身の突きを双角の魔王は風魔術で簡単にいなした。長い腕と短剣で繰り出される一直線に放たれる突きは、いわば槍。その腕に風魔術を横から浴びせれば、女性の身体はいとも簡単に吹き飛んでしまう。


「くっそぉがぁああ!」


 しかし、ショーラとて手練れ、強風に吹き飛ばされる前に置き土産として足からの発火によりガウハルの顔面を狙うも、蹴りそこなう。


「ほぉ」

「あーくそ、なんなんだよ、なんでオレの最速の突きに風魔術を即時展開して横から浴びせられるんだよ」

「強者なればこの程度、初見でやる。かの姫騎士は風魔術を専門としているらしいからな。手馴れた技なれば我が魔術の比ではない。吹き飛ばされるだけでなくその腕、風で裂かれるやもしれんぞ?」

「はっ! 上等、腕が無くなったら歯で細首に噛みついてやるさ」

「意気や良し。されどそれだけでは勝てまい。その猛進、少し控えよ。貴様、自分で言うほど自頭は悪くないぞ。むしろ良いとも言えるぞ? それを使え」

「おだててもなんも出ねぇよ、クソ魔王。こちとらてめぇに攻撃が一つも当たらなくてイラついてんだよ!」

「いや、素直な評価なのだがな……」


 もはや訓練ではなくただの殺し合いに発展しそうな剣呑さだが、この狂犬(ショーラ)にはこれぐらいの殺気に満ちた空気でないとその牙は研げないとガウハルは判断していた。

 基本この女は相手への怒りや殺意で己を高めているらしく、この訓練も強くなるというよりもはやいかにこの双角の魔王に一泡吹かせれるかという目的に変わってきていた。まぁ、それを面白いと思うのがこの魔王ガウハルなのだが――。


「はい、そこ邪魔よ」

「ああ!? ておい、気を付けろ!」


 と、ショーラとガウハルが睨み合いをしていると、女剣士の頭を水弾が掠る。一つ一つは銃弾ほどの大きさだが、威力は絶大で鉄の銃弾と威力は変わらない。むしろ小さく魔力を凝縮し、ただの銃弾よりもその殺傷能力を飛躍的に上げているとみえる。


「どんどん行くわよ!」


 マシンガンの如く発射される水弾。昨日、初めてこの技を使用した時にガウハルに命中精度が甘いと言われたので、数でその弱点を補うことにしたようだ。


「うむ、貫通力はそこそこ、されど連発ではなく命中精度を上げよ。魔力の消耗は考えておるのか?」

「ちょっと、なんで全部避けてるのよ! どんな目をしてるのっての」


 迫りくる水の銃弾を紙一重で躱すガウハルに、魔女からのクレームが飛んでくる。水弾の速さは目に辛うじてとらえられる速度、決しておいそれと躱せるものではないのだが、いとも簡単に捌かれた。


「風魔術の応用よ。周囲の空気の揺れを感知し相手の攻撃を察知しているまで、魔術が不得手な我でもこの通り使えるのだ。あの姫騎士ならば、まず使用できるだろうよ」

「いや前から思ってたけど、あんた絶対に魔術得意よね!? 苦手とか嘘でしょ!?」

「それと、もう一つ課題がある」


 と、クレームと共に水弾を連続発射していたマァの視界からガウハルが消え――耳元でその声がした。


「接近戦があまりにも脆い。逃げの手ぐらいは習得しておくべきではないか?」

「ちょっ! なんでそんな近く――」


 その疑問を言い切る前にマァはガウハルの足元を見て彼がいかに高速移動をしたのかを見破る。接近戦は素人同然だが、彼女は水の専門とはいえ魔術師、ガウハルの足元から発生している風魔術を見逃さなかった。これも風魔術の応用、というより風による移動速度上昇は、この船において初歩技術である。

 まぁ、その移動速度上昇の効果が初歩技術、と呼べるものではないが。


「前衛職は後衛職のを守るべきものだが、前衛が突破された時の対策もしておかなくてはならん」


 技有りと示すべく、軽くぺちんと手の甲でマァの額を叩きながらガウハルはそう説教をした。いや、しかけた。

 その軽い攻撃は小さい透明の箱に阻まれ、額にガウハルの手の甲が付くことはなかった。


「む……」


 それが開戦の狼煙だったのか、はたまた、ただただ虚を突く為の行動だったのはわからないが、そのマァの目の前の小さな結界はあろうことか正方形から周囲に棘を生やした球体へと作り替えられる。

 と、なれば目的は一つ、棘の球体は遠慮なくガウハルの顔めがけ飛んできた。結界術らしからぬ攻撃性、それに冷や汗をかきながらもガウハルは宝石の髪を生やす少女を横目に、それを辛うじて避けた。


「修道女、必要以上に殺意のある形を作るな」

「この技術を教えたのはあなたでしょうに?」

「我が教えたのは結界の移動法と形状変化、それと反射結界のみ、造形(デザイン)のセンスは貴様の責であろう……というよりもかつての聖女と同じことをしおって、血は争えぬのか」


 なにやら残念そうにそんなことを呟く魔王、聖女とはキレスタールのコピー元、クローンである少女の元の原型だが……なにやらあの棘の球体を見て聖女とのトラウマを思い出したらしい。


「では……殺す気で参ります」

「ええい! まったく、子や弟子は思い通りに育たぬとは聞いていたが、これほどか!」


 目に殺意を宿したキレスタールに、不敵な笑みで答えるガウハル。実のところガウハルとの訓練で一番彼に一撃食らわせれる可能性があるのはこの少女なのだ。

 攻守を同時に行える結界術と風魔術の相性は良かった。風魔術の利点は臨機応変に対応できる柔軟性とその空気を使うという特性ゆえの視認性の低さ。

 なので回避は難しく、どの距離でも一定の強さを誇る利便性の高い能力なのだが、キレスタールの結界術式はそれを相殺しているのだ。

 視認性の低い攻撃を全て防ぎ、どの距離でも結界を凶器に変え飛ばせれる。相手の攻撃が防ぎきれないほど強力なものでなければその全てをカウンターで返せるのだ。


「実は一番おっかねぇのあいつなんじゃねぇのか?」

「典型的に怒らすとヤバい大人しい子よあの子、あんた気を付けなさい?」


 と、いつの間にか両隣に並び観戦を始める赤青コンビ。隙さえあれば遠慮せず一撃をあの魔王にぶち込む準備はしているが、鬼気迫るあの表情の少女と辛うじて笑みを浮かべる魔王に混ざるには些か勇気がいる。

 少女は純粋な戦闘技量などでは二人に劣るが、その真面目な性格の賜物か、この訓練で二人からも見て学び、メキメキと成長していたのだ。

 接近戦はショーラから、後衛戦術のセンスはマァから見て学び、応用法はガウハルから盗み倍返しにして叩き返している。あのガウハルが冷や汗の一つも流すというものだ。


「そういや、あのセクハラ男どこ行ったのよ。カーインからは用事があるって聞いてるけど」

「さぁ? ああ、あの魔王が何か言ってたっけか……まぁいいだろ。それに訓練中に部屋の隅であのやたら怯えた目で観察されてても気が散るだけだし、むしろいなくていいんだろ……さて、それよかそろそろあの魔王にいい加減一撃入れてやろうぜ?」

「そうね。アタシもいい加減に魔術師としてのプライドが傷ついて仕方ないし、本気で行きましょうか!」


 女が二人笑う。風魔術のみという縛りで、三人の相手どるこの双角の魔王に一撃を入れるべく短剣と杖が掲げられる。彼に一撃を入れる瞬間は、まぁそう遠くはなさそうだ。





 この船において公共施設は多く存在する。役場に学校、図書館や体育施設、そして身寄りの無い子供たちを預かる孤児院もその一つだ。

 今日、カーインはここに寄付金を持ってやってきていた。気まぐれではない。収入が入ると彼女はそこそこの大金をここに毎回寄付しにやってくる。正義の味方、自らをそう語る彼女が昔から続けている積み続けている善徳であった。おかげでここの子供たちに随分と好かれており、よく遊んでいた。

 ただ、今日は様子がおかしい。すっかり顔馴染みとなったここの若い職員は、元気よく手を振り尋ねてきたカーインに悲痛な表情を見せる。

 若い職員はカーインと同じ年ほどで同性である。この孤児院で育ち、今も孤児院に職員として働いて悪ガキどもを怒鳴る怖いお姉ちゃんと子供たちから恐れられているが、そんな彼女が涙を流しながら白い娘と話し込む。

 表情からあまり愉快な話ではないのは明白で、誰かに不幸があったらしい。最終的にその場に崩れ落ちる職員を、カーインは背中をさすりながら優しく立ち上がらせる。


「すみません。すぐ気づけなくて、名前……自分で変えてたんですね」


 泣きじゃくる職員に、カーインはそう謝った。

 孤児院に預けられる小さな子の多くは夢を語るとこう言う。動物が好きだからペットショップをやりたい。おもちゃが欲しいからおもちゃ屋さんになりたい。社長になってとにかくお金を稼ぎたい。かわいいお嫁さんになりたいと無邪気に語るのだ。

 そこから十ほど大きくなれば、小銭を稼いでそこそこの学校に入りたい。資金を貯め自分の趣味を生かした小さなお店を出したい。とにかく、育ったこの孤児院にお金を入れたいと少し悲しげに語る。

 そしてその資金集めの手段として選ばれるのは危険な“現場”での仕事だ。おおおそ、孤児院を出る七割の若者は現場に出て、そのほとんどが夢を叶えることなく死んでいくのだ。


「なんで、あいつが死ななきゃ……」


 だから、これは珍しくない。遠くから子供たちが遊ぶ声が聞こえてくる中で崩れ落ち泣き叫ぶ職員も、幾度と涙を流してきたのだろう。

 ――ここの卒業生が一人、死んだのだ。


「あいつ、親が犯罪者だから昔、ついでみたいに実名で報道されてしまったんで、就職先を探すのに随分苦労してました。それで色々あって名前を変えてたんで、カーインちゃんは知らなくて当然だから……」

「はい、最近はこちらも疎遠だったのでわかりませんでした……そうですか。あの時に……亡くなっていたんですね」


 次第に落ち着いてきた職員がそんな情報をぽつりぽつりと口から零していく。

 今日、この娘は子供たちにお金とおもちゃも届けに来ただけだった。皆でテストでいい点を取れたらとカーインがそう一か月前ほどに約束していたのだ。

 だから、こんな訃報を受け止める覚悟など、していなかった。


「今日は……もう帰り――」

「あ、カーインお姉ちゃんだぁ」


 悲痛な表情を浮かべる白い娘に、そんなあどけない声がかけられる。

 見れば古びた施設から数名の子供がドアと窓からこちらを除くように顔をひょっこり出していた。まるで小動物を思わせるそのしぐさには愛嬌が感じられたが、職員は無理やり涙をこらえていつもの嫌われ役(教育係)を全うし始めた。


「あなたたち、お客様が来ているときはこっちに来ちゃダメだって言ってるでしょう!」

 ただ、いつも怒ったら怖いお姉さんのお叱りが微かに震えており、その変化に子供たちも思わず顔を見合わせる。

「うーん。よしよし、皆、カーインお姉ちゃんと遊ぼうか!」

 うんしょと膝を折り駆け寄ってきた子供たちの目線に合わせ、にこりと笑うカーイン。まだ悲しさから立ち直れきっていない職員に少しでも一人の時間を与えたかったのだろう。

「でも……」

「いいですから。うん、こなたも体を動かしてスッキリしたかったので、皆ドーンと来い!」


 元気いっぱいで子供たちを追いかけ始めるカーインに、キャッキャッとはしゃぐ子供たち。大きなお友達に先ほどまでの職員の異常など忘れ、追いかけっこを始めた。

 ふと、子供を追いかけ始めたカーインは、ふとすでに遠くに一人いる職員に目を向けた。膝を折り、亡き人を思う彼女を白い娘に一瞬、悲しげに目に憂いを宿したが、すぐさま子供たちにバレぬように取り繕った。以外にも、演技派なのだろう。

 そんなこんなで孤児院の正面広場までやって来たカーインと子供たち。この広い遊び場は怪我をしないように程よい弾力のあるゴム材が床に敷き詰められており、安心設計である。

 するとリーダー格と思われる見るからに腕白な男の子が元気一杯に仕切り始めた。


「じゃあお姉ちゃん怪獣な!」

「ちょっと、なんでヒーローごっこやるって決まってるのよ。カーインの姉ちゃんは私とお絵かきするの」

「えー、絵なんて描いても楽しくねーよぉ」


 と、カーインを取り合いちょっとした喧嘩が勃発する。子犬の威嚇みたいに男の子と女の子とで何をして遊ぶか言い争われる。どうやらカーインはここでは人気者らしい。


「はいはーい、この前は絵を描いたからね。女の子組の相手はまた次ね」

「えー! 次はいつ来るの?」

「んー……ちょっと忙しくなるから長くて一か月ぐらい後かなぁ」

「むすぅー」


 これ見よがしに頬っぺたを膨らます女の子たち。子供にとっての一か月先はかなり長い。


「ごめんねー。あ、そうだそうだ。お土産を持ってきてあげよう。何がいい?」

「あたし絵具!」

「じゃあ私は本がいい……」

「ボールだろぉ!?」

「僕……えーと、えーと」


 お土産、という単語に目を輝かす一同。皆が一斉に欲しいおもちゃを叫ぶ。まるでサンタさんが目の前に現れたかのような興奮に、カーインはひるまずに冷静に対応していく。


「はいはーい、お姉ちゃんそんな覚えきれないからメモ取らせてメモ。はい順番!」


 手を二回、パンパンと叩いて子供たちを整列させポケットから取り出した携帯端末に注文の品を入力していく。結構な出費にはなるが、カーインにとってはそんなこと気にすることではないらしい。子供たちの笑顔に顔をほころばせながら、各自の欲しい物を聞き逃されないよう精いっぱい主張する。

 その最中、背後から鉄と鉄がこすれる音が耳に入り、思考は内側から外側へ強制的に動かされる。後ろを向けばそれは見事な装飾が施された鎧が目に入る。


「子供相手に物を与えて悦に浸っているのですか?」

「……お兄様のところの方が何か用ですか?」

「妹君様。今日はお話に参りました」


 いきなり、いや、図ったように現れたのはラウフに従える姫騎士だった。

 ひざを折り、まるで王に謁見する騎士の様な礼をする姫騎士に色めき立つ子供たち、まるでおとぎ話の絵本から出てきた美しい姫騎士に興奮している様子だったが、本人の遠慮のない睨みにすぐさまカーインの後ろに退散していく。


「あまり子供たちを怖がらせないでほしいんだけれど……」

「失礼。子守りなどしたことがないので、つい」


 こんな悪びれもない謝罪があるのかと思うほど、しれっとカーインの言葉を流す姫騎士。主の妹だから礼儀は尽くすが、それ以上の配慮はしていないらしい。


「それで、こんな所に何の用なの?」

「言ったでしょうに? あなたと話しにきたと」

「どうやってこなたの居場所を?」

「説明が必要ですか?」


 言われ、孤児院の門の前にいる黒服の男に目をやるカーイン。あれは彼女の実家にいる荒事専門の使用人だ。大方、あの使用人が彼女の居場所を突き止めたのだろう。だが、なぜ家の者がこの姫騎士に力を貸すのか? 兄であるラウフに頼んだとしても、父親とは仲が悪く家の使用人ではなく金で雇った部外者(探偵)を動かすであろうことを、カーインは知っていた。

 なら、彼女に手を貸したのは――。


「あの人に何を吹き込まれたか知りませんがお引き取りを」

「自身の父上に対してえらく冷たいのではないですかな? 妹君様」

「残念ながら、あれをこなたは父とは思っていないので」

「……まぁいいでしょう。今日ここに参ったのはとある条件を飲んで頂く為です。あの軟弱な男……えー、ああ、アラムでしたか、あれに手を貸すのを止めてくれないでしょうか?」

「なんであなたの言うことを聞かなければならないんですか? そもそも、こなたとアラム君のチームで戦うことはすでに決定事項、それを今更覆せと言うのは格好が悪いんじゃないです? そもそもお兄様はあれで自分で言った約束は必ず守る方です。その誇りをあなたは穢すと?」

「ええ、これは私の独断です。ラウフ様に余計な手間はかけられませんから……あなたのお父様からの申し出でして、あなたを家に連れ戻せばラウフ様がお仕事をしやすくして頂けるよう配慮してもらえる訳です。私はあの方に嫌われようと、あの方になることならばやり遂げるだけのことです」

「ああ……そういうこと、最近自慢の息子が反抗期でディザスターにお熱だから、自分の手駒を増やしたいって訳ね。あの人らしい、相変わらず人を物として扱ってる」

「そこら辺りは本人にでも言ってください。で、どうするんです? まぁ、了承など得ずとも力尽くで連れていきますが」


 心底忌々しいと言わんばかりに、顔を歪ませるカーイン。彼女の珍しい表情に子供たちが顔を見合わせ、なにやら相談を始めた。


「おい! カーインお姉ちゃんを虐めるなよ!」

「お、大人が力尽くでとか、犯罪になるんだよ!」


 思わぬ援軍の登場に、先ほどまで胸に渦巻いていた毒気を抜かれるカーイン。だが相手の姫騎士はそれが癇に障ったのか子供に向けていいはずもない殺意のこもった眼で小さな弁護人たちを眼力のみで震え上がらせる。子供たちにはこの姫騎士が大きな大きな蛇に見えたであろう。


「あのお姉ちゃん大人げない……」


 カーインの背中で子供たちの一人がぼそりと呟いても姫騎士の追撃は止まず舌打ちがなされ、一層子供たちは怯えカーインの後ろで縮こまった。と、ここであまりの暴虐ぶりに呆れていたカーインがようやく文句を口にする。


「いや……流石にそれは大人としてそれはどうかと思うんだけど」

「ふん。どうせ将来は無駄死にする子供に媚を売ってどうなるのですか?」

「――なんて言った?」


 ただ、その言葉は聞き逃せまいとカーインの語気が強くなる。相手の弱点を付けたのだと確信し、姫騎士が鼻で笑い自信を睨む白い少女の目を真正面から受け止め、睨み返す。


「確かに孤児院を出た人が現場に出て死ぬ比率は高いよ? でもね。だからといってそんな子たちを蔑ろにしていいなんて道理は無い! わからないの、こなたたちが守るものこそが、この子たちなんだよ!」

「守るべきもの? あくまで私たちインタービーナーズが為すべきことはあの世界を崩す怪物を倒すこと、それがいくつもの世界を救うこととなる。我らはそんな少数、切り捨てるべきなのです。あなたにはもっとすべきことがある。そんな子供に浪費する時間など無いはずだ!」

「違う! そんなお兄様のやり方じゃ、いつかどこかで破綻するでしょ!」

「あの方を愚弄するな! なぜだ、なぜあの方の妹だというのならばなぜ理解できない! なぜ協力しない! なぜ障害となり邪魔立てする! この船は救助船ではなく戦艦だ。我らは戦いあの世界を崩す怪物を妥当しなければならない。なぜならばそれが我らの大義であるはずだ!」


 カウンターでラウフを否定されたからか、姫騎士の怒号があがる。ラウフの血縁であるカーインへの敬意など忘れ、怒りのままに言葉を発する。


「子供を蔑ろにしてまで貫く大義なんて正義じゃない!」

「正義だ! この偽善者が、大人しくついて来い!」


 鉄に覆われた右手が上がる。この場に姫騎士を押さえられる者などおらず、ただただ白い娘は暴虐に連れ去られるだけだ。それを――。


「いやぁ、やりすぎなんじゃないの!? すみませーん! なんで僕は襲われてるの! いや、そりゃあ孤児院除くとか不審者だけどあそこに知り合いがいたからで! あなた警備の人? 待って! ねぇ待って、お願い喋って! というか誰か助けて! ぎゃー!」

「軟弱者……なぜここに」

「アラム君!?」


 本を何冊か持った青年が門の所で騒いでいた。見れば、荒事専門の使用人に羽交い絞めにされ掛けているところで、なんとも恰好が付かないが「助けてー! 痴漢よぉー!」などと心底気色の悪い女声を出すことにより、なにやら周辺にいる部外者を集める算段らしい。

 なぜそのセリフをチョイスしたかは不明だが、狙い通りその声につられて、二名ほどが孤児院の前に集まってくる。まぁ、事態が飲み込めず、羽交い絞めにされて黒服の腕を何度も叩いているアラムを助けようとするものは一人もいないのだが……どうやら不審者はアラム本人だと思われているらしい。


「ちょ、ちょっとアラム君を放しなさい! こんなことで殺しの許可なんて流石にあの人でも出さないでしょ!」


 慌てて気道を防がれ顔面蒼白になっているアラムに駆け寄るカーイン。そして完全に邪魔をされ舌打ちをする姫騎士。方法はともかく表立ってできない恐喝行為に、これ以上の邪魔は無いだろう。


「げほぉ、ごほぉ、ねぇ。なんで!? ごほぉ! なんで通行人たちは僕を助けてくれないの! はぁ、はぁ、普通止めるでしょうよぉお! 僕、死ぬよあれ!」


 と、カーインが駆け寄るとこれ以上この場に留まるのは不味いと判断したのか、黒服はいつの間にかこの騒がしい青年を置いてどこかへと逃亡していた。この騒がしい青年を黙らせる為に強硬手段に出たが、思いの他この青年がしぶとく抵抗し、人を呼ばれた時点でアラムの勝ちであった。

 すると苦しそうに咳をしながらアラムが周囲の人間に怒り散らす。が、どう考えてもアラムは不審者のそれだ。


「え、あ、あんたが不審者じゃないないの? あの人は警備員かなんかと思ってたけど……いや、冷静に考えたらここに警備員なんていないか」

「そうだよ! 僕は襲われてる方だから!」

「いやだって痴漢って……」

「……すみません。気が動転して変なこと言ってました。なんでぼかぁ、痴漢なんて言ったんだろ?」


 冷静になったのか先ほど己が口走った言葉を思い出し最終的に「お騒がせしました」と深々と頭を下げるアラム。基本自分に落ち度があればこの青年は下出に出るのがこの青年である。


「ごめんなさい。家の問題で……」

「何かは知らんが子供の前で喧嘩して騒ぎ起こすんじゃないよ」


 さて、大きな騒ぎになる前にカーインが嘘と真実を織り交ぜた説明でなんとか通行人を納得させ、そんな小言を言われたていた。


「で……警務部は呼ばないでいいの?」

「うん。ややこしいことになるから……」


 青年のそんな問いに、カーインは困ったような表情で答える。もし今回のことが大ごとになれば、前の事件のように純血主義からこの青年と孤児院になんらかの危害が加えられるかもしれない。

 前回のような大っぴらなものではないだろうが、孤児院に収められる政治資金が減額されたりの嫌がらせがなされる可能性もあるのだ。


「……(はぁ、あの人の対策もしないと……こなたが家に帰らないのにしびれを切らしてここに嫌がらせする前に……いや、でもこなたはただのスペア、価値なんて……なんで今更)」


 思わず増えた課題に内心で陰鬱になるカーイン。すると再び彼女の背後からあの姫騎士が忍び寄る。


「まったく、目障りな男だ」

「え、何? 怖い!」

「ふん。妹君様。私はあなたを認めません。あの方の障害となるならばあなた共々そこの下卑た男を粉砕するまでのこと」


 汚物を見るような目でアラムを一瞥した後、姫騎士は横を通り過ぎそのまま見えない所まで帰っていく。今日のところは見逃された、というところだろう。


「あの人、何しに来たの?」

「実は、こなたに君に協力するのを止めるように言われて……さっきは危ないところだったんだ。ありがとうアラム君」

「いやいや、どっちかっていうとあの大男からカーインさんが僕を助けてくれたって感じなんだけどね……あの黒服の人もカーインさんの家の人?」

「一応……名前も知らないんだけど」


 と、二人が孤児院の門付近で話し込んでいると、数人の子供たちがあの若い職員を連れてやってくる。すでに後の祭りだが、カーインは子供たちと職員に感謝しにっこりと笑っていた。


「こいつダセーんだよ。悪い奴に捕まってて叫ぶだけしかできなかったんだぜ」

「あんな奴やっつけてよ。男でしょう!」


 と、気が付けばアラムが気の強い男の子と女の子ペアにお叱りを受けていた。確かに先ほどのアラムはお世辞にもかっこいいとは言えなかった。それを自覚しているのかアラムは子供たちからのクレームをただただ申し訳なさそうな、でも僕頑張ったでしょ? 言いたげな顔でそれを無言で聞いていた。


「こぉら、お客様に失礼なこと言わない」

「ああ、いいんですよ。確かに相手が大男とはいえ、すぐに羽交い絞めにされましたし」


 子供たちを怒る職員にそういうアラムだが、相手は暴行のプロなのだから襲われてからすぐに口を押えられずあれだけ騒げたものならば十分に大したものだ。

 この男、ここぞという時の悪あがきは一流らしい。


「まぁ、お前のおかげで助かったからな! お前、俺の部下にしてやるよ」

「それはお給料どれくらい貰えるの?」

「部下になったら毎日一億やるよ」

「いやいや、そんな大金貰えるとか逆にどんな危ない橋渡らされるのか怖いんですけどぉ」


 日給一億というなんとも子供らしいセリフに、大真面目に返答する青年。すると部下にならないアラムに腹を立てたのか気の強い男の子がアラムの髪を引っ張り始め、職員がそれを引きはがそうとして二人分の力で毛髪を持っていかれるアラム、流石に痛かったのか叫びだした。


「いだだだだだだ! やめて。この歳で禿げたくないの!」


 子供は大声に驚き、職員も自分の手でアラムに危害を加えていることに気が付いたのか一応拷問は止まった。相当痛かったのかちょっと涙目の青年である。


「あー、で、あの姫騎士さんなんで今更そんなことを言いに? それとなんかすごい僕を横切る時に睨まれたんだけど、絶対僕のこと人間扱いしてないよぉ」


 とまぁ、頭皮がひりひりするのか頭を撫でながら事の説明をカーインに求めるアラム。とまぁ、要領良く姫騎士がここに来た場面から説明するも、彼女が家に連れ戻されようとしているところを話そうかと一瞬迷う場面があったが、そこを説明しないと納得してもらえないだろうと諦め全て正直に話された。


「――ということで……」

「ふむふむ、君のお父さんが元凶だと……」

「うーん……だからこなたへの嫌がらせの為だけにこの孤児院にちょっかいを掛けてくる可能性もあるんだ……だから、今日からこなたはここに来ない方が――」

「そんなのやだよぉ!」

「カーインお姉ちゃん、お土産持ってくるって約束したばっかじゃん!」


 彼女の言葉を遮るように、言葉を重ねたのは子供たちだった。アラムは彼女がここの子供たちにとってどれほど慕われているのか知らなかったが、これを見ただけでそれがわかった。


「こら、我がまま言わない……」


 職員がそう言って子供たちに言い聞かせる。これは自分たちを気遣ってのことなのだと理解しているから、それはこの子供たちだってそうなのだ。でも、それでも、この人たちを思うからこそ、距離を置かなければならないのだ。


「うん。ごめんね。本当にごめんね。ああー、うん、なんでだろう……なんでもっと普通の家に生まれて……なんでこんな……」


 そこで、皆がなぜ押し黙っているだろうとカーインは不思議になって周囲を見渡して――自分の足元に落ちた雫で、やっと自分が泣いていることに気が付いた。


「あー! ごめん! いや、そういうのじゃない……そういうのじゃ!」


 零れた。気持ちが溢れ出た。その場に(うずくま)り嗚咽交じりに嘘を吐き続ける。

 そんな白い娘を前に、子供たちはオロオロしてから保護者である職員にどうにかしてと目で訴えた。


「うーん、そこのお兄ちゃんに任せよう」

「へ!」

「ん、んん! そこの、お兄ちゃんが、なんとかするからね?」

「あ……はい」


 思わず振られた大役にアラムが無理っといった感じで職員を見るも、一睨みで強制的に了承させられる。

 そして、本当に子供たちを連れて職員は門付近にいるアラムたちを残して孤児院の中に入っていく。


「……(え、これどうするの! 泣いてる女の子慰める方法なんて僕知らないよ! むしろ誰か僕を慰めてお願ぁい!)」


 内心でそんなことを先びながら、ただただ隣で泣きじゃくるカーイン。さて、こうなったらアラムは何の役にも立たない。先ほどの子供たちより三倍ほど取り乱して門を横切る通行人の目からカーインを守る位置に移動して、ただただこの白い娘の鳴き声を聞いているしかなかった。

 それから、まぁ十分ほどして……カーインの声は止んだのだった。


「……ごめんなさい」

「ぜ、全然……多分、大丈夫だよ」

「なんでちょっと自信無くすかなぁ、そこ」


 鼻水を垂らしながら顔を上げたカーインの謝罪に、アラムはそんな愉快な返答をする。そんな彼がおかしかったのか、カーインが微かに笑った。


「あー、泣いた泣いた。スッキリしたー! 色々溜まってたんだろうなー!」


 まるで他人事のよう目を赤くしながらつぶやく白い娘の横顔は一見色々と吹っ切れたようにも見える。

 ただ、アラムにはそれがどうにも痛々しかった。どこか遠くを眺める目線も、少し軽めに結ばれた唇も、退屈そうな頬杖も、何もかも彼女に似合わない偽物に見えて……だからだろう。


「まだ大丈夫じゃないでしょ。僕、あんまり聞き上手でもないけど、もうちょっと聞きますよ?」

「えっと……なんでわかったの」

「いやぁ、そりゃあ、なんとなく」

「……敵わないな。もー」


 頭を両手でくしゃくしゃにしながらカーインは強がりを見抜かれた恥ずかしさに再び下を向く。そんな彼女の新鮮な反応に戸惑いつつも、アラムは取り合えずいつも猫背になりがちな背中をピンと張り、姿勢だけでも正してみせる。


「……アラム君がディザスターを撃退した時に出た犠牲者の中に、ここの孤児院出身の人がいたんだ」

「それ、は……」

「仕方ない、てわかってるし、君の傷にもなるから黙ってたんだけど……なーんで死んじゃうかなぁーって思っちゃってさ……さっきの職員の子、亡くなったあの人の幼馴染で、あの子のこと好きだったんだよ」

「……それ、あの人も知ってるの?」

「今日、あの子から聞いたんだ。あの人、色々と親に問題あって名前を変えてたから気づけなくってさー……薄情だよね?」

「それこそ仕方ないと思うけど……」


 人の死という難しい話題にアラムは言葉を詰まらせながらも、カーインと言葉を交わす。もう少し彼らが大人になればお酒でも飲みながら話す会話なのだろうが、お互いまだ心の麻酔の味は知らない。

 ひざを抱えて、ぽつりぽつりとやるせない思いを口にするカーインを、これが彼女の素なのだな感じていた。いつもの破天荒な一面も立派な彼女の側面なのだろうが、こうしてしんみりとしている彼女こそ、根っこの部分の彼女なのだろう。


「ねぇ、アラム君は死なないでね?」

「ぼかぁ、臆病だからすぐに逃げることには自信はあるよ。最悪、仕事ほっぽり出して逃げて生き延びるかもしれないし、うん。最悪、泥水啜ってでも生き延びるからねぇ僕?」

「そこは……男の子らしく恰好つけてほしかったなぁ」

「無理、何がなんでも生きるって決めてるんだ。たまに死にたくなることもあるけどさ……」


 青年はあの己の過去を語らなかった。友人がこめかみに銃口を当てて自殺する中、残ってしまった罪悪感を彼女と共有することはしなかった。

 別に、言ってもよかったのだろう。自分をラウフから助けてくれたカーインは青年にとってすでに信用できる人ではあったのだ。けれど、それを口にしたら今度は自分が泣き出してしまいそうだったから、本当に男の子として恰好付かなかったから、そうしただけだった。


「アラム君、正義ってなんだろう? さっきあの姫騎士……マレカさんだっけ? すごい剣幕で怒られちゃった。なんでお兄様に手を貸さないんだぁーって、そりゃあディザスターは倒さなきゃいけないよ? あの世界を崩落させる怪物のせいで世界ごと人が死んでいるんだし、うん。お兄様が大きな正義なのは理解してるんだ」

「うん。僕もそう思うよ。ガウハルさんを取られたら個人的に色々と困るからあの人の提案を断ったけど、僕はあの人の信念は間違ってはいないと思うんだよ」

「……そうなんだ」

「でも、君も間違ってないよ」

「え?」

「いや、そりゃそうじゃない。ディザスターをどうこうするのも正しい。でもそれ以外を優先して他の人を助けるのだって正しい。ならさ、そもそもなんで皆で同じことしなきゃならないのって話にならない? この船に何人乗っていると思ってるって話ですよ? みんなで別々のグループに分かれて対策したらいいんだから、なんでやることを強要されないといけなんだって君は怒って良かったんだよ。本当に」


 そんな。当たり前のことを自信満々に言い放つアラム。そもそもどっちが正しいという前提がおかしいのだと彼は語り、自分のやりたい正しい方をやったらいいとも彼は言う。

 それに、彼女は目を丸くしていた。


「それにさぁ、君のお兄さんって絶対学生時代に女子にキャーキャー言われてたと思うから素直に力貸したくないっていうかぁ。持ってる人間がこれ以上、僕から何を取るんですかって話ですよ」

「え、そんな理由で断ったの?」

「いや、うーん……それも理由の一つ。それだけであの話を断ってないからね、ぼかぁ」

「アラム君、実はお兄様……嫌い?」


 基本的に(ひが)み妬みという汚い感情もきちんと理解して自分の行動原理として認めているのがこの青年だ。人間は醜しい、自分もその例に漏れていないことをきちんと理解している。

 それは、とにかく自己評価の低いこのネガティブな青年の強さでもあった。己の醜さを肯定しているからこそ、相手の醜さもある程度は許容できるのだ。


「うん。君のお兄さんのやり方はそりゃあ酷かったよ。マッチポンプで一般人巻き込んで僕を助けて恩を着せたりとかさ。船長のことで僕をよくもネチネチ虐めてくれましたねぇって心底思うけど……まぁー、嫌いではないかな?」

「そこまで言ったら、普通嫌ってるとしか思えないんだけど」

「無条件に人を嫌ってはこないだけ陰口言ってくる人より十分マシだと思い直しましてぇ……それにこの前カーインさんが連れて行ってくれたモアさんと話して色々気が付いたんだよ。一見、完璧超人のあの人にも駄目なところはあるんじゃないかって、それで色々と考えてたんだ。そしたら妬み僻みも多少は引っ込んだんだ」


 そう言って青年は手にしていた本をカーインに見せる。それは普段この青年が読まなさそうな本で、バイトの法律について書かれている書物だった。


「えっと……お兄様相手に裁判でもするの?」

「いやいや、ただ“前提の問題”を無くすだけさ」


 そう言ってアラムはにやりと笑う。すると、頃合いと見て孤児院から子供たちがお菓子をもって駆け寄ってきた。もちろん慰めの品はすべてカーインに、アラムは「僕の分ないの?」なんてダメ元で聞いてみたら、腕白な子供に「お姉ちゃんのお菓子取るなよ!」と太ももを思いっきり蹴られていた。


「あー、もう皆で食べよ! ね?」


 思いのほかいい一撃が入ったのか足を引きずりながら子供から逃げるアラムを助ける為に、カーインはそんな提案をして、本当に心の底から笑った顔をする。


「ああ、本当に君はこなたの正義の味方なんだから」


 最後に、そんな独り言をこっそりと呟きながら――。



次回更新は明日の朝六時の予定です。

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