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一
そこにはセーラー服姿の少女がいた。
わずかに茶色が混じったポニーテールの綺麗な髪は、腰まで届くほど長かった。ほっそりとした後姿は美しく、制服の上からでも分かる細い腕と、スカートから覗いている白い足はとても魅力的だった。
彼女の行く手を阻んでいたのは、サングラスをした黒いスーツの大男だった。彼は聞きなれない言語で叫びながら、斧のような巨大なナイフを少女の頭上に振り下ろした。
少女は向かってくるナイフを簡単にすり抜けて、男の懐に飛び込んだ。
男の動きがぴたりと止まり、顔が苦痛でゆがんでいく。
真下から振り上げられた彼女の手には、緑色に光る刀があった。
男の体から赤い液体が吹き上がり、やがて雨のように降り注いだ。
男が倒れると、光の刀は姿を消した。
振り向いた少女の服は真っ赤だった。
彼女はとても美しく、笑顔はとてもかわいかった。