第一話-夢と現の狭間-
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.......ここは何処?私は確かに自宅で寝ていたはず.....夢?それとも現実なの?
私が今いる所は自然豊かな草原の中だった。ここは妖精や噂で聞いた妖怪の様なもの、それに人間が共存している場所なのだ。何故それが分かるのか...実はこの場所には既に何度か来たような覚えがあるからだ。しかし、その記憶も曖昧で一部分しか覚えてないのだ。
ここは...
私が一人で広い草原の真ん中に立っていると、遠くから誰かが近付いてきているのが見えた。
誰か....来る?
私はその人影を良く見ようと目を凝らしてみるが、やはり遠過ぎてよく見えない。
「...貴女に私の声が聞こえますか?」
私が遠くの人影を見ようと必死になっていると突然女の人の声が聞こえた。
...聞こえるわ。
私はそう言った。いや、言ったつもりだったの方が正解なのだろう。先程から声を出しているつもりだったのだが、どうやら喋れてないらしい。
「...そうでしたわ。貴女には私の声や周りの風景などは見えても声は喋れないのでしたわ。」
何処からか聞こえる女の人の声は何故か少しだけ寂しそうに聞こえた気がした。
「本当なら一緒に話をしたい所なのですが…と言っても私が一人で貴女に話しかけるだけなのだけど...」
女の人の声は未だに近くで聞こえてくる。私は周りを見回してみると、先程までいた人影が居なくなっていた。その時、私は今話している声の人は先程の人影なのだろうとそう思った。実際はどうか分からない。だけど何故か私は絶対そうだと直感していた。
「...そろそろ貴女はこの世界から目覚めて本来の元の世界の生活に戻ります。」
女の人はそう言うのと同時に空間に切れ目が出現した。それは私も良く知っていて、そして私の【能力】と良く似ていた...
「...貴女は近い内に此処の世界へと訪れます。その時にちゃんと話をしましょう。」
女の人がそう言うのと同時に私の目の前が眩い明かりへと包まれて行った...
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...何か夢を見ていた気がする...私は未だに鳴り響いている目覚ましを止めると布団から出た。
「うーん...今は何時かな...」
私は時計を見るとまだ朝の6時を少し過ぎたぐらいだった。
「6時か...確か蓮子との約束は12時だったわね。」
私は自分の部屋から出て、キッチンへと行くと朝ごはんの支度をした。
「今日は簡単なもので済ましておきましょう。」
私はフライパンに火をつけると卵とベーコンを焼き始めた。本来なら家族と一緒に朝ごはんを食べたりするのだけども、私の両親は海外で仕事に行っているので今は一人暮らしをしている。
「あ、そうだ。ついでに弁当も作っておきましょう。どうせ蓮子は弁当なんて持ってこないだろうし...」
私は棚から弁当箱を取り出すと冷蔵庫から弁当の材料も取り出した。
「ふう...」
私は冷蔵庫を閉めると焼いていた卵とベーコンを皿に移して野菜を炒めようとした。すると、玄関からチャイムが鳴った。
「あら、こんな朝から誰かしら...」
私は持っていた野菜を置くと玄関に向かった。
「...誰ですか?」
「あ、メリー?蓮子だけどー。」
「蓮子?こんな朝早からどうしたの?」
私はチェーンと鍵を外して扉を開けると、そこには一緒の大学に通っており同じ秘封倶楽部の宇佐見蓮子がそこに居た。
「えへへ、ご飯をたかりに来ちゃった☆」
蓮子はテヘッみたいな顔をしてウィンクした。
「もう...蓮子ったら。じゃあ作ってあげるからとりあえず上がって。」
「さっすがメリー♪分かってる♪」
蓮子は靴を脱ぐと私と一緒にダイニングへと向かった。
「相変わらずメリーの家って綺麗よね。」
「そりゃ私は一人暮らしだからね。あまり散らかるなんて事無いのよ。」
「うーん、私もちょっとは部屋の片付けした方が良いかしら?」
「蓮子の場合は片付けてもすぐに散らかるでしょう?」
「あはは、それもそうわね。」
「あ、朝ごはんを作るのにちょっと時間が掛かるからテレビでも見ながら待っててちょうだい。」
「分かったわ。とりあえず朝のニュースでも。」
蓮子はそう言うとリモコンを片手にテレビを付けた。
「えーと...あ、これね。」
蓮子はニュースのチャンネルを見つけると近くの椅子に腰掛けた。
「さてさて、今日はどんなニュースがあるかなぁ。」
「ニュースって言ってもどうせ天気予報とか事件とかしかないでしょう?」
「それもそうなんだけどね。たまーに怪奇系のニュースも紛れているから良く見てるのよ。」
「怪奇系のニュースねぇ...どうせそれって作り物が多いでしょう?」
「あはは、それもそうなんだけどね。」
蓮子はそう言ってニュースに目を向けたので私も料理を作るのを再開した。そして十分後...
「蓮子ー。出来たわよー。」
「あ、出来たの?」
「とりあえずスクランブルエッグとベーコンだけど良いかしら?」
「ありがとー♪」
私は料理の乗った皿を蓮子の待っているテーブルまで持っていった。
「相変わらずメリーって料理上手よね。私も上手になりたいなぁ。」
「蓮子の場合は料理教室に行かないと上手にならないんじゃないかしら?」
「フフフ、確かに言えてるわね。じゃ、冷めないうちに食べましょう。」
私達は手を合わせるとそれぞれご飯を食べ始めた。
「あ、そう言えば今日は何処に行くんだったかしら?」
「今日?ええと、確か...」
蓮子はシャツの胸ポケットから手帳を取り出すと中を確認し始めた。
「あ、そうそう。今日は空間の切れ目が多発してるって言う噂の廃墟に行くのよ。」
「空間の切れ目?」
「そう。メリーなら【それ】に詳しいでしょう?それにこの件はちょっと危険かも知れないから一人うちの大学の剣道に通っている奴を連れていくわ。」
「危険...まあ、危険なのは何時もの事だけどその剣道に通っている奴って誰なの?」
「それは会ってからのお楽しみってヤツよ。」
「うーん、まあ良いわ。とりあえずご飯を食べたなら弁当を作るから手伝ってちょうだい。」
「分かったわよ。あ、でも詰めるだけでいい?」
「良いわよ。蓮子に料理させたらどんなものが出来るか分からないからね。」
「うん。結構グサッと来るわね...」
「だったらお料理の弁当をする事よ。」
「はぁーい。」
蓮子とメリーは食べ終わったお皿を洗い場へと持って行って弁当を作り始めた。だが、二人はテレビを付けっぱないでキッチンへと行ってしまった。そして付けっぱなしのテレビから流れているニュースにはこの後を大きく変えてしまう内容が流れていた...
『...次のニュースです。最近多発している謎の失踪事件ですが、今日もまた一人失踪しました。最後にその人物を見た人によると、相手の方は突然空間の切れ目に吸い込まれて行ったと言う事です...場所に関しては何の変哲もないただの廃墟だったと言う事ですが、くれぐれも廃墟や人気のない場所には近付かないで下さい。えー、それでは次のニュースです...』
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「...所で、蓮子は相手の人の事は良く知っているの?」
私は家を出た時からずっと気になっている事を聞いた。まあ、恐らくは昨日知り合ったばかりだなんて言うのだろうけど...
「相手?ああ、今日一緒に言ってくれる奴の事ね。勿論知っているわよ。」
「あ、やっぱり知って...知っているの!?」
メリーは驚いてつい大声を上げてしまった。
「ちょ!?何でそんなおっきな声を出すのよ!?」
「あ、ごめん。何時もなら知り合ったばかりだから知らないって言う所なのに、知っているって言うものだから...」
「あー、まあ確かにそうよね。でも今回のは相手が相手だからなぁ...」
「ん?それってどう言う事?」
「あ、気にしないで。とりあえずそろそろ彼も着くはずだから待ってましょ。」
蓮子は腕時計を確認すると待ち合わせ付近にあるベンチに腰を下ろした。
「あ、そうだ。廃墟って言うけどここから近いの?」
「ん?んー、ちょっとだけ遠いかな?と言っても駅で二十分ぐらいの場所だけどね。」
「二十分ぐらいって言うと…駅を降りてからすぐ目の前にある森の中にあるの?」
「あら、良くわかったわね。あそこの森の中に廃墟…ううん。廃墟って言うよりは廃神社があるのよ。皆は廃墟って言っているみたいだけどね。」
「廃神社?あの森に廃神社なんてあったかしら?」
「メリーが知らないのも無理は無いわよ。廃神社があるのはあの森の中心部にあるからね。」
「え?でもあの森ってそこまで広く無いはず…」
「うーん…それが最近見つかったらしいのよ。私も正直驚いてるわ。でもネットの写真を見る限りあの森である事は間違いないわ。」
蓮子はスマホを取り出すとTwitterを開いた。
「えーと…あ、これこれ。」
蓮子はスマホの画面を私に見せると、確かにあの森の中に廃神社があった。
「…本当だわ。確かにあの森みたいね。でも何で今まで誰も気付かなかったのかしら…」
「それが全く分からないのよね。まあ、だからこそ私達秘封倶楽部が調べに行くんだけどね。」
蓮子はスマホをポケットになおすと辺りを見回した。
「うーん、そろそろ来るはずなんだけど…」
蓮子が辺りをキョロキョロと見回していると私の背後で誰かの気配を感じた。
「え?」
私は驚いて後ろを向くと、そこには剣道着を着て背中に恐らく竹刀を入れているであろう袋を背負っていた。
「あ、やっと来たわね。結構待ちくたびれたわよ?」
蓮子は気さくげに声をかけていたが、相手の方は全く喋らない。
「れ…蓮子?もしかしてだけど…この人が?」
「ええ、そうよ。うちの高校の剣道部に所属している『佐武 孝信』よ。」
蓮子は剣道着を着た男の紹介をしてくれているが、やはり男自体は何も喋らない。
「ええと…この人全く喋らないのだけど?」
「ん?ああ、彼物凄く無口なのよ。だから必要な事以外は全くと言って喋らないのよ。ま、彼の詳しい説明は目的地に向かいながら話しましょう。」
蓮子はそう言って立ち上がると、駅の方へ歩き始めた。私と孝信と呼ばれた男も一緒に蓮子の後ろを歩いた。…そう言えば何時も蓮子が持ち歩いているカバンを持ってないような…?
「…そう言えば蓮子って駅に乗る為の小銭って持ってきてる?」
私は蓮子がカバンを持ってきていないのでもしかしたらと思って聞いてみると…
「…あ、そう言えば手帳とハンカチしか持ってきてない…」
蓮子は私の想像した通りの返答をした。
「はぁ…やっぱり持ってきてなかったのね…しょうが無いわね。今日は私が出すからまた今度返してね?」
「りょーかい。てか孝信もお金持ってきてるの?」
蓮子がそう聞くと、孝信は道着の懐から財布を取り出した。
「孝信さんの方はちゃんとしてるみたいね?」
「うっ…以後気を付けます…」
私達はそんな感じでいつも通りに切符を買い、そして電車に乗って目的地に行く。まさかこんな日常的な事が今日の出来事で二度と出来なくなるなんてその時の三人は夢にも思わなかった…
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「…」
「…あれ?メリーは弁当箱食べないの?」
「…うん。何でか分からないけど、目的の場所に近付くにつれて何故か食欲が無くなってくるのよね。」
メリーはそう言うと電車に乗る前に買った駅弁の蓋を閉めると窓際に置いた。
「うーん、もしかしたら今回の異変とメリーが何かしら関わりがあるんじゃないかしら?だから意識しないうちに何かを感じ取って食欲とか無くなったんじゃないかな?」
蓮子は首を傾げて顎に手をやって考えていたが、メリーは蓮子の言っていた事よりも何か自分の中にある不思議な違和感に頭を悩ませていた。
(何故かしら…この妙な"安心感"みたいな物は…)
二人が考え事をしていると孝信が不意に立ち上がった。
「あら?どうかしたの?」
蓮子が不思議に思って聞いてみると、孝信は相変わらず無言のままで外を指さした。蓮子とメリーは指をさされた方向を見てみると、どうやら目的地に着いたようだった。
「あら、もう着いてたの!?急いで降りなきゃ!」
蓮子はそう言うと食べていた弁当を急いで片付けて慌てながら電車を降りていった。
「全く蓮子は忙しないわね。」
メリーと孝信は苦笑いをしながら荷物を持って(荷物と言ってもそこまで持ってきていないけど)電車を降りた。
「うーん、やっぱり田舎の空気って良いわよね〜」
「まるでお年寄りみたいな感じになってるわよ?」
「だって私達の住んでる所って建物ばかりじゃない。」
「まあ、確かにそうだけど…」
「でしょ♪調査も兼ねて暫くここら辺で寝泊まりでもする?」
「…お金とかはどうするの?」
メリーは蓮子に現時点での所持金を言うと、蓮子はガックリと肩を落とした。
「ああ〜…そうだった…そう言えば私お金持ってきてないんだったぁ〜…」
「まぁ、調査が終わったらまた後日に泊まりに来れば良いだけだから、ひとまず目的の場所に向かいましょう?」
メリーは蓮子の背中を押しながらさっさと歩き始めた。孝信はメリーと蓮子のその姿を見ながら静かに微笑んでいた。
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「…この森よね。」
「ええ…何か写真で見たのより少し不気味な気がするわね…」
「…」
三人は今回調査する目的の森に辿り着いていたが、まだ時間もお昼を少し過ぎた程度なのに森の中は薄暗く、何かが起きるような気配を感じ取っていた。
「…メリー何か感じる?」
蓮子はメリーに聞くと、メリーは軽く頷いた。
「ええ…この森の奥から"隙間"を感じるわ…」
メリーは森の奥を指さすと蓮子は何時もより張り詰めた顔になって二人の方を向いた。
「やっぱり隙間が関係しているのね…ここからは怪異の中心に行くわ。周りに用心して進みましょう。」
蓮子はメリーと孝信にそう伝えると、二人は真剣な顔で頷いた。
「じゃあ、とりあえず写真に写っていたあの廃神社を目指して歩いてみましょう。丁度メリーが指を指した方向が神社の方だからね。」
蓮子はそう言うとあまり整備されていない森の中に作られた道(恐らく参道であろう)を歩き始めた。それに続いて孝信も蓮子の後ろを歩き始めた。
「…」
しかし、メリーだけは何故かその場に立ち止まり何かを考えていた。
「あら?メリー、どうかしたの?」
メリーは蓮子に呼ばれるとハッとなって慌てて蓮子達について行った。しかし、メリーは何か気掛かりな事があるのか歩き始めてからもずっと黙っていた。
「…メリー、どうかしたの?何だかこっちに来てからちょっと様子が変よ?」
蓮子は流石に心配になったのかメリーに聞いてみた。しかし、メリーは何でもないよと言ってはぐらかしてしまった。
「そう?まあ、何かあったら孝信が何とかしてくれるから大丈夫よ。」
そう言って蓮子は孝信の背中をバシバシと叩いた。叩かれた孝信は相変わらずの無言だが、流石に痛かったのかお返しとして蓮子の頭を持っていた竹刀を入れているであろう袋で叩いていた。
「痛ァ!?流石にそれで叩くのは反則じゃない!?」
蓮子は頭を抑えながら孝信に半泣き状態で騒ぎ立てていた。
「…」
等の孝信はそんな蓮子の様子を楽しんでいるのか頭をわしわししながら遊んでいた。
(…この二人ってどういう関係なんだろう?)
メリーは先程までこの"怪異"について考えていたが、この二人を見ているとどうも怪異よりも二人の関係の方が気になってしまう。いや、もしかしたらメリーの事を気遣ってこうしているのかもしれない。だが、そのお陰でメリーは難しく考えるのを止めることが出来た。
(…そうよね。今こんなに難しく考えても答えは出ないもの。だったら考えるよりも行動して"答え"を見つけなきゃ…ね。)
メリーは未だに騒いでいる蓮子達を見ながら少しだけ笑っていたのだった。
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「…ようやく着いたわね。」
三人は森の中に入ってから一時間弱掛かって目的の廃神社へと辿り着いていた。
「うーん、とりあえずここら辺を重点的に探ってみましょう。もしかしたら何かヒントが見つかるかもしれないわ。」
蓮子はそう言うと神社の本堂の方へと向かっていった。
「…」
一方の孝信の方は神社の周りに置いてある狛犬の石像を眺めていた。
(…何故かしら?どうも此処に来たのが初めてじゃない気がするわ…?何か…何かこの神社に分かるような物があればもしかしたら…)
メリーはこの神社を見た瞬間、今朝に見た夢を思い出していた。あのハッキリと思い出せない朧気で曖昧な夢…しかし、此処に来た瞬間その夢の事を思い出していた。つまりこの神社はあの夢に何かしら接点があると言う可能性が高いという事だった。そう思うとメリーは神社の周辺を組まなく調べ始めた。しかし、三人が辺りを調べても特にめぼしい情報は手に入らなかった。
「うーん、ここまで調べても何も出ない何て…メリーは何か隙間とか感じれないかしら?」
蓮子はメリーにそう聞いたが、メリーは首を振った。
「いいえ…ここら辺からは隙間は感じられないわ。」
メリーの言葉に蓮子はガックリと方を落としたが、メリーは続け様にこうも言った。
「だけど、この神社の事は何となく知っている様な気がするの…何故かは分からないけど…」
「メリーがこの神社の事を知っている?でもここって最近見つかったばかりの場所なのよ?」
「そう。だから私は不思議に思っているの。何で来た事も無いような場所が知っていると思ってしまうのが…」
メリーと蓮子はそのまま黙ってしまった。恐らくメリーとこの廃神社の関係性を考えているのだろう。すると、二人の様子を見ていた孝信が二人の肩を叩いた。
「ん?どうかしたの?」
蓮子は気になって孝信に聞いてみると、孝信が鳥居の上の方を指さした。そこにはボロボロになってしまいほとんど朽ちている神社の名前を書いているであろう板が貼り付けてあった。
「あれは…この神社の名前を書いている板見たいね。…うーん、でも文字が朽ちていて何て書いているか読めないわね…」
蓮子が必死になって文字を読み取ろうと目を細めていると、メリーが口を開いた。
「…博麗…」
「え?」
蓮子はメリーが何か言っていたのに気付いてメリーの方を見ると、メリーは上を向いたままその板に書いてある神社の名前を読み上げた。
「…博麗…神社…」
メリーがその神社の名前を言うのとほぼ同時に突然辺りが眩い光に包まれた。
「え!?」
「な、何!?」
「…!?」
三人はその眩い光に包まれて、そして…消えていた。そして三人が消えた場所の空間が突如裂け目が入った様に切れ、その中から一人の女性が出てきた。
「…ようやく…会えますわね。マエリベリー…ハーン。」
秘封倶楽部
宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーンの二人で活動している怪異や異変を調査している部活である。
宇佐見蓮子
見た目は普通の学生だが、実は他人には無いある能力を持っている。
マエリベリー・ハーン
蓮子と同じ様に特殊な能力を持っており、空間にある通称"隙間"を見る事が出来る。今回の調査では何故か神社の事を知っていたりと何かと謎が多い。もしかしたらメリーが見ていた夢に何か関係が…?
佐武孝信
蓮子達の通っている学校の剣道部の部員。殆ど喋らず、今回蓮子に用心棒として呼ばれた。その際に今回の異変に巻き込まれてしまった。実力は不明。