ちょっと過去を振り返ろうと思う
三ヶ月ぶりぐらいかな?
慣れるために量は少なめにしました。
天使に見送られ転生が始まった。
経験からするにこの転生には10分はかかることがわかっている。
恐らくはゲームではじめに行われる少し大きなデータのダウンロードのようなものだろう。
今から転生する異世界──すなわち俺が聖騎士として輝いていた世界には、ステータスなるものが存在した。
体力や攻撃力、耐久力といった基本的なものに加え、その者が持っている才能や努力の成果が形となって現れるものである。
ステータスは日々更新されていく。
一日前の努力が、翌日に自動で反映されているのはなんとも便利な機能なんだ、と思った時期もあった。
俺は真っ先に剣術のステータスを上げるため、一人で鍛錬を重ねて、一週間でカンストさせたのだが──
その代償として、コミュニケーション能力を大きく失った。
いや、もともとないとかではなく綺麗さっぱり消え失せたのだ。
でもそれは仕方ないと思う。
俺にとってステータスは上がるものであって、下がるものでは決してなかったから。
そうしてコミュニケーション能力を代償に、最強の聖騎士となった俺だったが、その後の生活は酷いものだった。
どんな敵と戦うにも剣を使うことを強いられ、最後の方は無心で剣を振るっていた。
思い描いていた異世界生活とは、だいぶ違うものになっていることに、気づき始めていたある日のクエスト。
大型ドラゴンを相手に、いつも通り剣を振るっていた時、突然足元に魔法陣が描かれ爆発が起きた。
おそらく、ドラゴンの姿に隠れていたのが災いして、爆破の魔術に巻き込まれたのだろう。
こちらは魔力耐性の無い聖騎士。
対して上級魔術の『爆破』。
結果は言うまでもなく、即死だった。
しかし災い転じて福となす。
もう一度転生の機会を得た俺は、自分の理想である『最弱職』との邂逅を果たした。
と、大げさに自分の過去を振り返っていると、ワープホールの先に光が満ちているのが見える。
「二度目の異世界、楽しみますか!」
体が徐々にその光に吸い込まれていくのを、感じながら決意を口にした。
他の作品を執筆していたため、疎かになってしまいました。
申し訳ありません!徐々に書くのを再開しようと思います。
次回からは3000文字ぐらいで書く予定です。