表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

第3話 束の間の幸せ

僕が初めて彼女と出会って数週間がたった。

あの日から僕の世界はほんの少しだけ輝きを取り戻した気がしていた。


今日も公園へ向かっていた。

最近は毎日学校が終わるとすぐに急ぎ足で行くようになっていた。


それは現実から逃げたいという理由だけではなく、君に会いたいと。

少しでも長く君と一緒に居たいと思うようになってきていたから。


このときはまだ気づいてはいなかったのだが、きっとこの気持ちは恋だった......と思う。


公園に着くといつもの場所にいつもの人影。


「こんにちわ。今日も居たんだ。」


僕はそうやって声をかけ君の隣に座る。

君はそんな僕に笑い掛けてくれた。


そんな時間がすごくすごく幸せで、ずっとこのままで居たいと願った。


どんなに辛いことがあっても君に会って話すことができれば、何でも乗り越えられる。

彼女にだけは何でも話すことが出来たし、ちゃんと僕の話を聞いて受け止めてくれた。


それに何より普通に会話が出来ることが僕にとっては特別なことだった。

もう君の存在は僕の生活に欠かせないものになっていた。


毎日毎日、君とたくさん話をした。

しかし君との話題は尽きることはなく、逆に話したいことがどんどん増えて行く一方。


そんな僕とは対称的に彼女はあまり自分のことを語らなかった。

その理由はわからなかったが、僕も無理に聞こうとは思わない。

誰にでも人に聞かれたくないことはある。


何よりも僕が根掘り葉掘り聞いて、この関係を壊してしまうことが怖かったから。

君に嫌われてしまうのが怖かったから。


そんな単純な理由からだった。




そして、こんな生活が1ヶ月、2ヶ月と続き季節も冬となったある日。


幸せな時間は突然終わりを告げることとなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ