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sleeping princess

作者: 海月@
掲載日:2011/10/02

あらすじに関しては,前置きって感じです。

ちなみに甘い……と思います。

それでもいい方のみ,どうぞ。↓

「鈴(すず)ー起きてー…って起きないか」


小さくため息をつく,要(かなめ)。

朝の公園でかれこれ30分以上この状態なのだ。

さすがに,首のあたりに来る髪の毛がくすぐったい。

――こいつ,俺を純情人間だとか思ってんのか?

そう思いたくなるくらい,彼女は無防備だ。寝顔は全てを預けきったような顔をしている。

――キスしてもいいかな。

不意にそんな考えが浮かぶ。そうしたくなるくらい,可愛いのだ。

必死で本能と格闘していると,メールを受信した音が響いた。

「誰からだ……?」

開いてみる。画面には「メグ」の文字。

「メグか…」

春風愛美(はるかぜめぐみ)からのメールだった。開いてみる。


おっはよー

起きてたらゴメンね(汗

今って電話出来る人ー!暇だから電話相手になってー!!!


by愛美



「……アホか」

思わず呟いてしまった。

――普通は彼女持ちじゃない人にメールするだろ。

もしかしたら,一斉送信かもしれない。メールアドレスの欄を見ると,他にも何人かにメールを送っていることが分かった。

鈴の方を見る。

まだ起きる気配がない。

「まぁ…友達と電話したくらいで怒ることはないか」

そう言いながら,電話帳から,愛美の電話番号をプッシュした。


電話はコール1回でつながった。


――もしもしー!!!要ー!おはよー!!!!

「朝からテンション高いな…」

思わず,電話から耳を離す。

――いやぁ…ちょっと徹夜しちゃっててテンションおかしいんだよねー。

甲高い笑い声が聞こえる。要は鈴が起きないか,不安になる。

「ゴメン,少し静かにして」

――あれ?もしかして,まだ親とか起きてない感じ?

「いや,そうじゃないんだけど…」

――というか,この時間まで起きてない親ってすごいよねー。

笑い声がまた聞こえる。ちなみに今は,8時半を過ぎた頃だ。

――誰かと一緒ー?

「まぁ……うん」

――誰誰ー?モチ?それとも,セッキー?あ,もしかして,前くんとか?

聞いたことのある名前がどんどん出てくる。

要が答えないでいると,1番出てほしくない名前が出た。

――わかった!鈴でしょ!

「……なんで分かったの」

はぐらかす気がないので,大人しく答える。

――だって黙ってるから女子かなぁー,って思って。そう考えたら,鈴が自然でしょー。

「まぁ,そうだけどね」

――で,鈴,寝てんの?

「寝てるから黙って,って言ったでしょ」

冷静に答える要。

――そりゃそっか。ぐっすり寝てるでしょー。鈴も徹夜の被害者だからね。

「…一体何をやってたんだ?」

彼女が巻き込まれたというのなら,少し許せない。彼女が自分から徹夜をするという意思表示をしたのなら,別だが。

――いやぁ……皆で集まって恋愛話してたのよ。もう,鈴から超惚気話が出たんだよー。要,超愛されてるからね。

愛美の姿が見えてなくても,にやにや笑っている姿が目に見える。

「それはどうも。とりあえず,鈴を起こす方法とかって分かる?」

――なんで聞くの?

「少なくとも,メグの方が詳しそうだし」

――…そう来るかぁ…あ,言っておくけど,寝起き結構悪いよ。

「それは知ってるよ」

――じゃあ,言うことなんてないわよー。普通に起こしちゃえば?寝起き悪くても,要(カレシ)の顔があれば怒ったりはしないっしょー。

「…そうかな」

少し顔が赤くなりながら,言う。

「でも,普通に起こしても反応がないんだよ」

――眠りが深いのかもねー。…あ,そうだ!

「どうしたの?」

暫くの間,愛美から答えが返ってこない。

一体何があったのだろうか。

すると,次に返ってきた言葉は予想外のものだった。



――……キスしちゃえば?



「ばっ……」

思わず叫ぶのを抑える。

「どういうことだよ!」

――要ったら声でかーい。鈴起こしちゃうよー。

「変なこと言ってるから悪いんだろ!!」

小さい声ながら,叫ぶ要。

――だってさー,眠れる森の美女だって白雪姫だってキスして目覚めたじゃーん。

「…俺は王子様か」

一瞬,「鈴はお姫様か」と言いかけたが,慌てて飲み込む。

――うーん…確かに,王子には程遠いよね。

「こら!そこではっきり言うなよ!」

――配慮しろって言うのー?こんなこと,今に始まったことじゃないしー。

じゃあね♪と言われて,電話を切られた。

結構長電話だったのだろう,携帯電話が少し熱を持っている。

――鈴の手みたいだな。

そう思うのは,愛美との電話での会話が響いているのだろうか。

鈴の方を見る。

――――思わず,何かをしたくなりそうになってきた。

メグのバカ,と思わず呟く。本当にキスしたくなってきてしまった。

でも,ここまで耐えてきた分で理性はもう持たない気がする。

――もう,いっか。

そう思って,要は鈴をうまく自分の方に向かせる。

――これで起きなかったら,後でメグを訴えるか。

そう思いながら,そっと口づけた。



「ん……?」

キスをしてから数十秒後に鈴は目を覚ました。

――…キスをすると,起きるって本当なのか?

一瞬疑ってしまう状況である。

しかし,そういう姿を見せたら怪しまれるので微笑んで言った。

「おはよう,鈴」

「おはよー…あたし,どんぐらい寝てた?」

「うーん……50分ぐらい,かな」

「うっそ!!!要!ゴメン!!」

手を合わせる鈴。

「いや,別に大丈夫だよ。寝顔見れたし」

「………!!!!」

顔が真っ赤になる。その顔を見て,微笑む。

「寝顔とか……みみみ…見ないでー!!!」

「今更言われても……寝てないし」

「そそそ……そうだけど……っ!でで…でも,恥ずかしいんだもんっ」

鈴は要から顔をそむける。

不意に,キスをしたことを言いそうになるが,そこは黙っておく。

「あ,そういえばさ……あたしの唇になんかつけた?」

要は思わず,声を上げそうになる。

――バレてる?

「あ,隠してるでしょー?教えてよー」

――うっわ!!!100%バレてる!!!

さっきまでは「思わず言いそうになった」とか思っていたが,実際に言うとなると恥ずかしい。

「要。秘密はなしって約束でしょ。教えて?」

上目遣いに言ってくる。

――まいったな。

はっきり言って,この状況にとにかく弱い。上目遣いで「教えて?」と言われたことはたいてい教えてしまう。

だが,今回は聞いたら鈴の反応がすごいことになりそうなものだから,思わず言うのが躊躇われる。

しかし,言った方がいいと思ったので,覚悟を決めた。

「…言ってもいいけど…後悔しても知らないよ?」

「え?そんなに重要なこと?嘘でしょ」

「はいはい,落ち着く。ちょっと耳貸して」

言われるがままに,鈴は顔を近づける。

要は鈴の耳元にそっと事実を告げる。

鈴の顔はリンゴみたいに真っ赤になった。

嘘っ……,と小さな声で呟く声が聞こえた。

「本当だよ」

そう言って頬にキスをし,微笑んだ。

恋愛っていいね!書くの楽しいよ!!!

って感じのテンションです。

ちなみに色々ぼーっとしながら,考えてたら浮かんだアイディアです。

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