中学生になっておしめなんて 2.ガラスと管
昭和の中頃、子どもの頃の家庭医療、お浣腸の思い出について
この時代、家で浣腸されることは日常的にありました。特に地方で、中々医者にかかれない時に備えて、必ず常備薬として備えられていました。また衛生状態もあまりよくなくトイレも水洗の家はほとんどありません。今の水洗トイレは温水洗浄便座も付いてとても衛生的でその中で携帯操作や本を読む人がいるくらいくつろぎの場所にもなっていますが、当時は便所。ボットン便所と言われる肥溜め式のところが多く、暗くて匂いもあってとても長居する事などできません。便所に行くのも敬遠されてだから余計に便秘になる原因にもなります。この為、早く用を済ませたいと思うのか、便所で軽便浣腸を使い、そのまま容器を便壺に捨てることが多々ありました。この溜めたものを飼料の代わりに畑にまくので、そこで便所に捨てた軽便が畑に捨てられているのを見ることもよくあり、こうした循環は衛生状況悪さと浣腸が頻繁にことを映す鏡でもありました。
軽便浣腸は便所で手軽に使えるので便利ですが、中にはガラスの注腸器を備えている家庭もありました。そればかりでなく私の住んでいた地方では、役所も率先して、出産や入学の記念に保健所で検診を受けた際に家庭の医学書と一緒にガラス浣腸器を配布しているところがありました。子供用なので小ぶりなもので、20㏄とか30㏄程度、大きくても50㏄のものです。こんなに小さなものですが、小さな体の子供には十分な効果が出ます。その上、橙色の管を嘴管の先に使うと、より腸の奥まで薬を送ることができ、最初は緩やかですが、とても耐えられない便意を発症してからは尋常でない排便感があとからあとから続き、一度、堰を切ると腸内の物を出し切るまでその欲求は止まない、その効果は経験からよく分かっています。
今日使われるのも恐らくその時のもので、管を使うからには腸の奥まで薬を入れられることでしょうか。
「じゃあ、後は頼むわね」
とねえやに処置を頼みながら母が出て行きます。それと入れ替わりに、ばあやが部屋に入ってきました。
「あらあら坊ちゃま、お便が出てないのですってね。すぐに済ませちゃいましょうね。楽になりますよ」
そう言いながら、お盆に膿盆、敷物の布。膿盆にはガラスの浣腸器、ゴム管に薬液の入ったお椀を載せて部屋に入ってきました。
「どれ」
と、頭の方に座ったねえやに足を持たせ、ばあやは私のお尻側に座ります。
「ありゃ、これは酷いでございますね。うんこが出かかっている。ちょっと掘ってみるかの」
といって、割りばしの様な物でお尻を突っついています。ある程度出たのでしょうか。
「ちょっと掻き出したから、あとは薬じゃな」
と言って、いつもは浣腸器にゴム管を付けたまま肛門に入れるのですが、今日は先にゴム管に10㎝くらい軟膏を塗りつけてから、浣腸器に付けないでそのまま肛門部に入れ始めました。
「うう」
「まだ、何もしてないよ。だめよ、そんな声出して」
1分位経ったくらいでしょうか、
「もうこんな感じでいいでしょ」
と最後、深く差されて肛門から短く覗いたゴム管の端にガラス浣腸器を接続しました。
「いい、直ぐ出したら駄目ですよ」
いつも言う、それでいて久々に聞いた、呪文を聞いて、処置を受けます。頭が、ねえやの膝に乗っていますので、お尻が座布団布団に乗って少し高くはなっていますが、股の間から、内筒が押し込まれる浣腸器の動きがよく分かります。
「さあ、入った。もう一本ね」
ゴム管を挟みの様なもので止められて、浣腸器を抜いてすぐに薬剤を入れ直しました。
「もう一つね。どう我慢できる?」
軽便浣腸よりも我慢できます。でも何度かガラス浣腸も受けているので、この後、どうなるかもわかっています。うんと頷くと、
「はい終わった。我慢よ」
ねえやの足を持つ手が緩められます。それからどのくらいの時間でしょうか。やっぱり、数分でしょうか。もうガマン出来ないのですが、不思議と渋みと言うか痛さが無いのです。と思っているとばあやの声が、
「ああ、漏れているよ」
足を下ろされて、座布団取ってもらって、お尻の下にはお漏らしシートが念のために敷かれていますが、どうもそこに薬液だけ漏らしてしまったようです。
「坊ちゃん、踏ん張れる?」
さっき肛門付近の便は取ってもらったので肛門はさっきより閉じていますが、排便は出来ていません。ばあやが、ねえやに、
「奥さん呼んできてもらえる」
「はい」
そう言うや部屋を出てきました。なかなか戻ってきませんが、その間も便意はありません。10分ほど時間が経ったときに母と一緒に戻ってきました。
「出ないって?便はお腹の中にある感じ?」
うんとまた答えると、
「病院、行こうか。今先生に電話したので、もう閉めるけど開けて待っているって、裏から入ってって。私はまだお店があるから悪いけど、車で連れって行ってくれない。はい、保健証とお金。ばあや、おしめとカバーある?」
「奥様、ございますよ。この通りしばらく使っておりませんでしたが、綺麗ですし、体の大きさもそう大きくなっておられないので、嵌められますよ、きっと」
「そうね。このまま下着履かせても漏れるいけないので、おしめカバーさせてくれる。半ズボンは履けないから、スカート履かせて、お母さんのでいいわね?サイズ合うかしら」
「私のでよければ腰回り合うと思いますのでよければお貸しします」
「悪いけど貸してくれる。それでいいわ。お腹、冷やすといけないから、毛糸のバルキーかナイロンのタイツを履かせたいけど、履けるかしら?カバーで無理なら、長めの靴下も履かせてね」
「畏まりました」
「おしめカバー嫌だ。スカートも嫌!」
「何わがまま言っているの。おしめしないと病院まで漏れちゃうでしょ。パンツや車のシート、汚れるのは嫌よ。それに半ズボン履けないでしょ!赤ちゃんみたいにカバーだけで行きますか?」
ばあやまでも、
「おしめだけだと解けるからカバーもしましょうね。スカートも車に乗っていますしすぐつきますから、誰も見ていちゃしませんよ」
そう言われている間にすでにばあやは手を動かして、ドビー押しの布おしめを用意しています。一番下におしめカーを置いてその上に腰回りに3枚4枚重ねてすみを三角折って、今度は腰回り用に十字に重ねる様、股用に5枚6枚重ねて用意を終えました。
「では、お願いね」
おしめは嫌だと思いましたが、カバーも嫌。カバーも嫌だけど、スカート姿はもっと嫌。もし途中で友人に見られたらと思うともっともっと嫌です。でもばあやは構わず手を休めません。
「さあ、坊ちゃま用意できましたよ。腰をちょっとあげて下さいな」
中々上げないでいると、ねえやに目配せすると、ねえやは頭側からまた両足をグイっとでんぐり返しの様に持ち上げています。その隙にばあやが先ほど用意したおしめを腰の下に押し込みます。
「さあ、おしめしましょうね」
ばあやがそう言うと、ねえやが腰を落とすために持ち上げていた足を下ろしますが、同時に今度は両足を大きく広げられてしまいました。それを待っていたように、股用のおしめが股間を包みます。
「気持ちいいでしょう。しばらくしてなかったけど、思い出しましたか?」
今度はさっと腰用のおしめをその上から巻いて行きます。
「はい、おしめ出来ましたよ。あとはカバーしましょうね」
今度はおしめとは逆に腰の返しから当てられ、最後に股に当たる部分を折返されました。仕上げに防水生地のカバーの裾を3カ所止めの左右のスナップでプチプチプチと両足止められてしまいました。はみ出ていないか股から指を入れられて、最後は腰紐をきゅっと締められて完成。ガニ股です。
「これ私のお古でわるいけど、スカート、履ける?」
おっきして履ことしますが、いかにも女の子が履くようなナイロン地の白いハイソックスは難なく履けましたが、スカートは初めてでよく分かりません。膝丈のプリーツスカートで、腰回りがどうにも入らないのです。もたもたしていると、
「ここ外して履くのよ」
と、腰の部分にホックがありねえやに外してから履かせてもらいます。履き終わると、
「これでよし」
ホックを止めて、ファスナーをあげて貰います。ねえやが、お尻を触ります。
「ちょっと膨らんでいるけど分らないわね。それに可愛いわよ。おしめしているの分らないわ。さ、行きましょう」
こうして、夕方、もう閉院しかかった病院に向かうことになりました。




