38話 ケイ「妖精さん」
キュウ ぺろぺろ
たぬきさん バナナの皮舐めてる
クウン
なに? こっち見てきて
「私なんにも持ってないよ?」
キュン
「そんな目で見ても食べ物ないの」
クウン キュイ
親子で見てくる…やめてー
ピロン♪ ケイ
この音はアプリからの通知
まさか…また寿命でバナナ出すじゃないよね?
「あれ?」
違った ケイからのメッセージだった
この人はタクシーの中でカレーの話して
ケイ
『どうしましょう…あー…おねがいよ…』
『カレーは作れましたか?』
私の寿命のカレー粉だからね
ちゃんと使ってくれたよね?
『カレー? カレーって何…あっ
この声…たしか…先週のカレーの…』
ん? 先週のカレー?
ケイ
『あの あなたは…』
『はい』
なんだろ?
『カレーの妖精さん?』
カレー? 妖精?
『いえ 私は普通の』
『妖精さん お願い 娘を』
だから妖精じゃ…娘?
『娘って?』
『娘がいなくなったのよ』
いなくなった?
『どういうことですか?』
『自宅で娘と一緒に お昼寝してて』
『はい』
『洗濯機が終わって 私は干してて
それで戻ったら 娘がいなかったのよ』
『家にいないんですか?』
『そうなの 寝てたはずなのに』
『家にいないって 外に?』
『そうだと思うわ 娘のサンダル無くて
私が洗濯物を干してる間に起きて
一人で外に行ったのよ きっと』
『一人で? 娘さん何歳ですか?』
『まだ4歳よ もう2日も行方不明で』
まじか 4歳で2日も…ん? どこかで聞いたような
ケイ
『りん…どこ行ったの…』
りん? その子って…
ケイ
『妖精さん 何か知らない?』
『そのリンって子』
『え? 何か知ってるの?』
『さっき見つかったって ニュースで』
『見つかった? そんなはずないわ
私のとこに何も連絡来てないわよ』
あれ? 違う子?
『黄色い服で赤いサンダルの女の子ですよね?』
『そうよ やっぱり妖精さん何か知ってるのね?』
知ってるのは ニュースに書いてあって
同じ子みたいだけど見つかってないの?
ケイ
『妖精さん お願い 娘がどこにいるか教えて』
そう言われても もう見つかって救助されてるし
でも まだ探してるのは本当っぽいし
『あの 一つ聞いてもいいですか?』
『なんでしょう?』
『今って 何時ですか?』
『今? 19時になったとこよ それが?』
19時? 今こっちは21時50分だよ?
さっきリンちゃんが見つかった時は19時30分で
えー どうなってるの?
リンちゃん見つかってるのに見つかってないし…




