11話 平凡女考察する
「・・・・はあっ?魔力っ?!」
驚きで、思わず素で聞き返してしまった私をよそに、クルド君は全く私の様子に気づかず(そういうとこだぞ)話しだした。
「まあ、見ての通りなので子供の頃はよく攫われましたね〜。気付いたら、全然知らない所にいるとか当たり前でしたし」
いやいやいや、いや?見ての通りってなんだよってツッコミを我慢する。
「常識の様に拉致られたって言うなよ、怖いから普通にっっっ!」
だがしかし、違う所でツッコミを入れてしまった(反省)
そんな私の複雑な心境を余所に、クルド君は至って淡々と、何でもない事の様に語り出した。
「子供の頃は自分の魔力の多さに嫌悪とかしましたけど、そのお陰で良い里親に出会えましたし今の職にもつけたので、まあトントンかなと」
「そっか、、、」
「同性が寄ってくるのは流石に慣れたくなかったですけどねえ」
「、、、そっか」
「あ、でも顔と名前忘れられないのがちょっと自慢でして」
「そっか、、、」
「はい、なので自己紹介なんかもしないですむので便利かなと」
「、、、そっか」
そこまで聞いて、ちょっとまったと挙手をする私。
「、、、話ぶった切ってゴメンだけど、私が異世界人って忘れてない?」
「えっ」
「それも、魔力無い所から来たって忘れてない?」
「、、、あっ」
「忘れてたよね?それ忘れてた反応だよね?ねえっ?」
「あ、いや、そのですね、あ「忘れてたよね?」、、はいすみません」
「まあ、そうだろうなと思って少し話は聞いてたけれど」
斜め上にあるちょいショボン顔クルド君を眺め、ため息を一つする。
「、、、まあ、クルド君だし仕方ないか。
それで、魔力多いとなんでさらわれるのよ見た目がなんか関係するの?
もしかして、顔が良いと魔力が多いの?
あと、髪色とかもなんか違う?」
会話の中でちょいちょい出てきたワード、街での様子を見ていて、そんな感じなんだろうと答え合わせをする。
街を歩いていて、クルド君並みの顔面偏差値が高い人をほぼ見なかった。たまにいても地味めな色合いの髪色や瞳の色で、クルド君なみに派手な人
など更にいなかったのだ。
つまり、クルド君が異常いや特異な存在という訳になるのだけど。
そこまで考え発言した私を、クルド君は驚いた顔で見ていた。
「えっ、そこから違うんですかっ?!えっえっえ? 魔力が無いって事はそういう、、って、そこまで違うと最早種族が違う?違う世界なんだから、そりゃそうか、、、、あっいや、でも、、」
壊れたオーディオの様に、言葉が切れまくっているクルド君。やっと世界が違うという意味を分かってきたのだろう、ほんのちょっぴりと。
1人でいやだって云々と呟く壊れたクルド君を、映らなくなったTVみたいに叩けば直るかなって思った私悪くない。
とりあえず、私の考えはそんな答えから外れてないようだ(叩けば直るか、ではない方である)
魔力多いと美形で、色味も派手になるんだという事実。見た目よければ人も寄ってくるよな、と勝手に納得する。
ちょいちょい忘れがちになるけど、クルド君のみてくれ最高に良いからなあ。なのにあの中身だからなあ、残念過ぎて、全くときめかねえんだよねえ。
外見よりも中身重視で、シゴデキメンズが好みですが何か?
はーああ〜、残念だわあクルド君。
流石だわあクルド君。
とりあえず、背中に平手を一発叩き込むか、と腕を回すと何かを察したのか壊れクルド君が、ちょい慌てクルド君ぐらいになった。
ーーーチッ、勘が良いなアイツ
「なっなんか、物騒な事考えていませんかっ?!」
「イエイエナンデモナイヨワタシムガイ」
「、、それにしては精霊達が、、」
ちょうど良いワードが出たので、サラッと話題を変える私。
「ああ、そういや精霊?っていうのも、うちらの世界じゃいなかったよイヤ概念的なのはあったけど、想像の域を出ない感じだった、、、わっ」
そこまで言うと、いきなり顔面に風圧を感じた。
クルド君はそんな私と周りを見て微笑んだ。
「あー、、いない、なんて言うんで風の精霊がイタズラしましたね」
コレが精霊か!とちょい感動するが、話を本筋に戻す。
「精霊さんゴメンね。
とにかく、さっきの私の言った事で間違いはない感じなの?補足はお願いしたいけれど」
「、、そう、ですね。その認識で大丈夫だと思いますよ。補足ですか?なんかあるかな?、、、え、と」
「ゴメン」
「えっ?」
「クルド君の自主性に任せた私が悪かった」
「えっひどっ、酷いですナーガさんっ(泣)」
全く話が進まないので、こちらから質問し答えてもらう事にする。
「魔力が多いと見た目が良くなるのは、分かった。でも、髪色とかが派手めになるのはなんでなの?」
「は、派手ですか?そんな派手な人いますかね?
えっと髪色は、魔力の属性に関わってくるんですよ。属性がつくと色付きとか言われてますね〜、僕は色付きです」
ーーーそんなんみりゃ分かるわ、という突っ込みはさておき
「イヤ派手なんは君だよ、クルド君。ただの赤髪じゃないよねそれ、金も入ってない?色付きって言われてる中でも、魔力多かったりしたらそうなるの?」
ああ、と納得した素振りのクルド君は自分の前髪を掴み見上げた。
「そうですね〜忘れてましたけど、僕みたいに金や銀が入ってるのはより更に魔力が多いとなります。目も暗い所でも良く見えますし、夜になると光ったりするんで、夜道でも安心ですよ」
「夜道が安全なのは良いね」
「ですよね~、仕事帰りはどうしても暗いので、足元が良く見えると、、、」
「イヤ、どうでも良い話広げないでくれる?」
「すいません」
怒られ、ちょいショボンクルド君。
反省だけなら猿でもできるわ、そういう所だぞクルド君。
他にも突っ込み待ちな所あるけど、突っ込まないぞクルド君。
相変わらず、あまり進みませんがリハビリ中なので、許してつかあさい、、、




