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10話 平凡女の体験学習

気づけば、10年以上放置してました。すんません

そして、ちょこちょこ修正

お腹を満たしたワタシ達は、今現在バザール?の目の前に立っていた。


「さて、おさらいいくよー。


ナン銅貨4000枚で銀貨一枚、銀貨4枚で金貨一枚。

銅貨100枚で白銅貨一枚、白銅貨40枚で銀貨一枚だったよね?

そんで、買い物の時はナンで通して言う、と」


「はい」


一般人は普通金貨を見た事が無いそうだ(ウエイトレスさん情報)

因みにウェイトレスさんの月収は週6日朝から夕方まで勤務で1900ナンである。日当80ナンって所か?

これは一般的な労働者の収らしい。


あれ?でも


たしか、クルド君の財布の中身に結構な数の金色見た様な気が‥‥。

まぁいいや、深く考え無い様にしよ。面倒だし。

更に詳しく聞けば、金貨100枚分の白虹びゃっこう金貨なんて物もあるらしい。

その価値から、最早都市伝説とかしているとのこと(そりゃそうだ)

新たな知識としてはこの世界は1日を6区切りにし、朝ちょう刻・深朝しんちょう刻・昼ちゅう刻・深昼しんちゅう刻・夕刻ゆうこく・夜刻やこくと呼ばれていた。

ワタシはきづかなかったが町中の至るところに、魔時計なんて物があったらしい。

週8日4週で一月になり、一年は15ヶ月470日だそうだ。

四季という概念はこの国にはなく、日々常夏?だが他国他大陸にはあるとの事。


ある程度話しを聞き出したワタシは、クルド君に手の平を上にして差し出した。


「よし!それじゃクルド君軍資金ちょうだい」


「はい、どうぞ」


「重っ!いや‥何で袋丸ごと渡すのさっ、白銅貨と銅貨が何枚か有れば良いよ!」


「え?‥‥それだけでいいんですか?」


「それだけって金額じゃ無いと思うんだけど‥‥‥って、これ白銅貨じゃなくて銀貨だから!」


渡された一円玉大の銅色と白色硬貨の中に500円玉大の銀色を見つけ、ワタシは慌ててクルド君に返した。


「あぁっ!すみません、普通に間違いました」


(‥普通に‥‥ってクルド君、今までどうしてきたのよ‥‥

その上、自分で間違いやすいって言っといて自分が間違えるのかよっ?!)


というちょっと心配になる(主にクルド君の財布事情)会話を経て、ワタシは白銅貨10枚と銅貨10枚を手に入れた。

―――現金ゲットだぜ!


「クルド君、ちゃんとした財布買いなね。仕切りとかあるやつ」


「えぇっ!?

いきなりなんなんですか、それに財布って何ですか?」


「‥‥あぁ、うんゴメン。何でも無いよ」


「だからっ!何で謝りながらそんな目を僕に向けるんですかっっ!」


おや、心情が表情に出てきてしまった様だ。ワタシは、いけないいけないと顔を揉みほぐし近くの出店に目を向けた。

するとその店のおっちゃん店主が、顔を俯け肩を震わせていた。


はた、と思い出せばここはバザールのど真ん中、通行人が多いにも程がある場所である。そんな場所であんな漫才紛いの会話を騒がしくしてれば、当然人目を引く事になる。

流石にチョット恥ずかしくなってきた。

通行人全てがワタシ達を笑っているようにも思えてきた。


だが、スルーで。


旅の恥はかき捨てろ根性万歳。


おっちゃん店主の店は丁度良く?雑貨屋で、地べたに敷いたマットの上に見知った様な物から使用用途がよく分からない物まで雑多に置かれていた。


「嬢ちゃん、財布ならそこに色々あるぜ?」


「あぁはい、どうもー」


しっかりバッチリ聞いていたおっちゃん店主は、クックックと喉で笑いながら店の一角を指差した。

それに適当な返事をしワタシは、直ぐに財布の物色に入る。

因みに、財布と言われた物はちゃんとワタシの知る財布の形状をしていた。

長財布は無いまでも(紙幣が無いからだろう)、昼飯をとった店のウェイトレスさんが持っていたウェストポーチ的な物や巾着袋の様な物まで色々あった。

そんな中でワタシが選んだのは《仕切りがしっかりある》革の財布だった。硬めの革で型押しされたその財布はガラケーケースにも似た縦長の物。タバコ二個分程度の幅と厚みで、開け口の革のベルトが良い味を出していた。


他にも良さげな物を物色し、手間取りながらも白銅貨で代金を支払った。


総額80ナン。


何となくの買い物で庶民の日当分をつかってしまった事に、ちょいと反省。


だが、商品を渡してもらう際に不思議な事を言われた。


「ショユウインヲキザムのはどうする?まぁ嬢ちゃんには聞くまでもねえか、後ろの兄ちゃんがいっからな」


その場では取りあえず「そうですね~」とだけ返し、その店を後にしたが‥‥‥。


はて‥‥《ショユウインヲキザム》とは何ぞや?


店の前から離れるとメモメモ‥と、忘れる前に持ってきておいたメモ帳に書いておいた。昨日から今日まででもう二頁になってしまった。これから又更に増える事だろう。


チラッと後ろにいるクルド君を振り返る。


クルド君は、周りの店をいかにも興味無さ気な雰囲気で眺めながらワタシの後ろを歩いていた。


(別についてきて貰わなくても良かったな‥‥)


興味の無い事に付き合うのは苦痛以外の何物でもない。

聞きたい事はメモして後で聞くことにしているので、クルド君にはどっかその辺で待っていてもらう事にしよう。

視線を辺りに巡らせると、バザールの中腹辺りの左斜め前方にうっすらと噴水らしき物が見えた。近くのお店の人に聞けば、そこは町の広場で公園になっているそうだ。


ナイスタイミングー。


おおっ更にあそこにいいものが!


心持ち早足で目的地に向かう(でもお店は変わらず物色中)


直ぐに広場横にある目的地にたどり着き、ワタシは店先にゴロゴロ転がる売り物を指差した。


「すみませーん、それ2個下さい」


「一つ4ナンだ、前払いで頼むぜ」


茶色のラグビーボール似の売り物を小脇に抱えたお店の人にお金を手渡せば、お店の人は鉈で手際良く売り物の先端を切り落とした。


チャプチャプという水音がソレから聞こえてくる。


そのまま手渡されたソレは見れば見る程ヤシの実に似ていた。切り口から直接飲んでいた人を何人か見かけたから、ストローなんてものは存在しないのだろう。

ヤシの実(仮)店の隣は串焼きの肉が売られており、芳ばしい匂いが周囲に満ちていてヨダレが出そうだった。


なので、勢いでお肉も4串購入。


公園で遊べば喉が渇くし小腹も空く、味の濃い物を食べれば喉も渇く。そこまで分かってこの店並びなのだろうか、なんて‥なんて恐ろしい布陣‥‥。


最早脱帽ものだろう。


広場は案外広くせの高い木が幾つも植えられその下にはベンチも置かれていた。


足早にその広場に向かったワタシは空いているベンチにクルド君を座らせ、ヤシの実と焼き肉2串を手渡しクルド君をその公園に置いていった。


勿論「此処で待っとけよ」的な事は言っている。その時のクルド君の表情は、あからさまにホッと安堵していた。


クルド君の対人スキルの無さは、ワザとなのだろうか。


一々イラッとする。


それは兎も角、ワタシは又バザールへと舞い戻る事にした、両手にヤシの実と焼き肉を携えて。




**********



「お待たせ~、クルド君。さて帰ろうか」


「あっハイ!帰りますか」


「荷物は服の時みたいに送っといたからさ、で、これお菓子。食べながら帰ろっか」


「ハイ有り難うございます、僕甘いもの好きなんですよね~」


「そりゃ良かったその焼き菓子買った店、王都に本店があるらしいからクルド君食べた事あるかもね」


「‥ん~‥‥、あった‥かも‥‥?」


「うん、ゴメン。

無駄な事言ったわ」


「なっ!ひどっ、ナーガさん僕に対して酷すぎですよっ!」


「ところでさぁ、クルド君」


「‥なんでしょうか」


「『アレ』いない事にしてるけど良いの?」


『アレ』の辺りで後ろを指差せばクルド君は、「ああ」と言って後ろをチラリとも見ずに答えた。


「別に大丈夫です、良くある事なんで」


サラッと言われたその内容に「まぁね」と頷いた。


「そりゃそんだけ顔が良けりゃ逆ナンもされるだろうさ、でもね?」


「はい何でしょうか?」




「‥まさか白昼堂々と、『男』が『男』に声掛けるなんて思わなかったよ」



「そうですか?

僕女性に声かけられるよりも頻繁にありますけど‥‥‥‥」


疲れた様に呟くワタシをクルド君は、不思議そうな顔で見下ろしていた。


「イヤ‥こっちじゃ性に対して自由なんだな~って思っただけだよ、まぁクルド君(この世界じゃ)小柄だもんね」


「それも有りますね、でもそれよりも単純に魔力が多いせいだってだけだと思いますよ」








社会復帰中なので、短めです(;´∀`)

今年は多少なりとも話進めます

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