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永久機関の能力者  作者: さくもこ
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能力者

「ウ〜ウ〜ウ〜」

僕が家電量販店を出た頃には既に消防車やパトカーが到着していた。

「なんとか出られた…」

僕は運良くあの爆発を回避しその後の避難誘導の列に紛れ込むことができた。

「まだ爆発の危険がありますみなさんこちらにゆっくりと歩いてください」

「そこの君そっち行かない」

「は、はい…」

避難誘導から逃れようとしたが見つかってしまった。

結局安否確認ののち1時間程度待たされ解放された。

「はぁ…なんで日だ」

そして僕は近くの公園のベンチに座り込み先ほどのことについて考える。

今回の検証で理科室のあの事件は僕が引き金であったことが確定した。

そしてさっきのプラズマと体が結びついた感覚

「もしかすると…」

僕は咄嗟に近くの街頭に手をつけて自分の中の電気を街頭に送るようなイメージを作り出してみる

そうすると公園中の街頭が突如として点灯し始めた。

そして今度は周りから電気を奪うイメージを作り出す、そうすると近くの信号機の点滅が消えた。

「やっぱりだ」

「こんなことがあるのか…」

しかしこれはただの偶然ではなく何度も試しても同じことが起こる

「フフ…ワハハァッ ワハハ」

僕はいろんな感情が入り混じりついに笑い出してしまった。

 

どうやら僕は電気を操る電池人間になってしまったらしい。


僕はそれから一目につかない空き地にいき何度もこの能力について検証を重ねた。

まず僕の基本能力は放電と充電。

充電を行い体内に電気がある状態であれば体の触れたものへと電気を流し込むことが可能。

そして特に手や指先からの伝導率が良く、繊細なコントロールがしやすい。

また電気を大量に放出した際には空気中に大きなプラズマを発生させ指先からであればレーザーのように遠くに飛ばすこともできるが規則性のない飛び方をし、コントロールできないため10メートル以上離れた標的に当てることはできない。

一見すると充電しなければ使用することができずスーパーヒーローのように敵を一気に倒すこともできないパッとしない能力だが日常生活に置いてはスマホの充電をしながら持ち歩いたり、手に電気を集めると静電気により手に触れたものが吸着し、物を落とさなくなるなど非常に便利な部分が多い能力だ。

そして僕は検証を重ね今日も空き地へと向かう道を歩いていた時、大勢のマスコミの人だかりができている場所を発見した。

「なんだあれ」

僕はまさかまた自分を追ってきたのではないかと思ったが近づいても反応がなかったため違うようだった。

そしてよく見るとクラスメイトたちの姿が確認でき、なにやら黒服に身を包んでいる。

僕は興味本意で中を覗くとそこには太一の顔が大きく描かれた写真が置いてあった。

僕はその時あの事件のことが一瞬にして蘇りその場に倒れ込んだ

「きみ!どうした!」

「はぁっはぁっはぁっ…太一」

心臓が軋むように痛い。

「そうだ僕は…太一を…殺した…」

そう僕は太一を殺していたのだ この能力で

僕は心の奥底に蓋をしてあの時の事件とこの能力を結びつけないようにしていた。

あの時プラズマボールが暴走したのも電気を増幅させた僕のせい!

プラズマが理科室を駆け巡ったのも僕のせい!

何が検証だ!何が便利だ!

誰も失わないようにするどころか僕が奪ってるじゃないか!

「誰か!救急車を!」

「こいつ瀬句じゃないか?」

「ほんとだ!」

「ふざけんなよ!どこ行ってたんだよ!太一の葬式だぞ今日は!」

 僕の胸ぐらを掴み激しく怒鳴る

「おいそんなことしてる場合じゃ」

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

 僕は泣きながら謝り

「ごめんない…ごめ…さい」

「おいほんと大丈夫か?」

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「救急…………ぞ」

「瀬……お…!」

僕はそのまま倒れ込み

遂に意識が飛んでしまった。

 

 

 

 

 








 



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