始まりのチャイム
この世界はどうやってできたのだろう…
もしのこの世界にはじまりがあるとして一体どうやって惑星や生物が誕生したのだろうかその過程は未だ未知である…
しかしこれだけは言える
全ての根源は "エネルギー" であると。
チュンチュン
小鳥が鳴いている
「ああぁ〜」
今日も目が覚めてしまった。
学校にいきたくない…
時計を見るともう12時過ぎを回っている
仕方なくベットから起き上がりリビングへ行く
「ゴクゴク」
冷蔵庫から牛乳を取り出し喉を潤す
周りを見渡しても誰もいない
もうおばさんは出かけてしまっているようだ
とりあえずパンを頬張り身支度を済ませて玄関を出る。
僕の名前は『神田瀬句』現在中学1年生
小さい頃に両親を事故でなくし今は父型の血縁であったおばさんと暮らしている。
おばさんは特に僕が何をしても怒ることはないが基本的無関心で最近は会話をすることもない
今はどっぷりと宗教にハマっているみたいで今もきっと教会にでも行ってお祈りでもしているのだろう。
憂鬱な気分で道を歩き学校への道を進む
遠くでチャイムの音が聞こえてきた。
今昼休みが始まった頃だろうか
注目の集まりにくいちょうどいい時間だ。
そそくさと僕は学校の校門を潜り抜け、階段を上がり自分の教室の後ろの扉を開ける。
「ガラガラガラ」
扉を開けた途端幾人かがこちらを振り向いたがすぐ何事もなかったように友達との会話へと戻っていく。
僕はさっさと席につきまるで最初からそこにいたかのように平然を装っていた。
「はぁ…」
毎度のことながらこの扉を開ける時の緊張には慣れない。
「おはよう瀬句!」
ドキッっと心臓が動く
動揺を隠しながら後ろを振り向くと太一がいた。
「今日も寝坊か?」
「ま…まぁね」
「あんま来ないと留年になっちまうぞ 気をつけろよ」
「あ〜うん 一応計算してるから大丈夫だよ」
「所でお前部活は入ったの?」
「いや入ってないけど」
「だったらバスケ部来いよ!お前意外と運動できるし今ちょうどスタメン空いてるからよ」
「う〜ん まぁ考えておくよ」
太一は誰に対しても優しくこのクラスの中心的存在で唯一この学校で僕に話しかけてくる変わった奴だ。
「おおぉーじゃあ! 放課後6時に体育館な!」
「いやまだOKしたわけじゃ…」
と言いきる前にどこかへ行ってしまった。
すこし…いやかなり強引すぎるやつでもある。
昼休みが終わりクラスの人は教材を持って移動し始める
どうやら次の授業は理科の実験らしい
理科室に入り授業が始まると先生は大きな透明な球体を取り出しで電源をつけ始めた
そうすると中心から放電をし始めバチバチとしたプラズマが発生しはじめる。
「これはプラズマボールといってこのように球体の表面に手を近づけると手が避雷針の役割をしてプラズマが引き寄せられるという現象が発生します!ぜひみなさんもやってみましょう!」
「おおお〜!」
クラスの人は歓声を上げ続々とプラズマボールに触れ始める。
僕は後ろに下がりプラズマが手に引き寄せられるのを観察していると太一がまた話しかけてきた
「瀬句いかないのか?」
「後ろで見てればいいよ」
「なんでだ?あんな面白そうなのに」
「いや僕は…」
「行こうぜぇ!」
太一は僕の腕を引っ張り無理矢理プラズマボールの近くまで連れていく
「お、おい」
そしてプラズマボールの近くにくると太一は楽しそうに触り始め僕の手もプラズマボールにくっつけた
近くで見ると確かに綺麗だし結構面白かった。
そして太一は徐ろにプラズマボールのダイヤルの方をみると
「これパワーあげたらもっと凄いかもだぞ」
「おいそれはやばいだろバレたら怒られるぞ」
「今は見てないから大丈夫だって」
そういうと太一はダイヤルを上げ始めた。
ダイヤルを捻るごとにプラズマがだんだんと激しくなっていく
「おおーこれは凄いなぁ」
「あぁ」
中はバチバチとさらに鮮やかになり触っていてとても気持ちがいい…
そしてだんだんと変化に気づき始めたのかクラス連中が寄ってくる
「なぁ…そろそろ上げるのをやめた方がいいんじゃないか?」
「いやもう上げてないぞ」
「え!?」
球体の中のプラズマは加減も知らず大きさと激しさを増している
透明なガラスに仕切られているとはいえすこし怖いくらいだ。
「おいそこ何をしている!」
やばい先生に気づかれた
「太一すぐ戻せ」
「………」
「どうした!?」
「わかってる…だけどダイヤルを戻してもパワーが落ちないんだよ…!」
「どういうことだ?」
「わかんねぇよ!」
そして気がつくとさらにプラズマは大きくなり
「やばい…っ」
「ビリビリドコオォーン!!」
その瞬間大きな轟音と眩い光があたり一体を駆け抜け、
気がつくと太一を含め僕以外のクラス全員が倒れていた。